マイクロソフトがサム・アルトマンを引き抜き?
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- 2023年12月8日
- トピックス
このニュースでAI業界に激震が走りました…
OpenAIといえばChatGPTの生みの親。現在の生成AIブームの火付け役となりましたよね。あなたもChatGPTを一度は使ったことがあるかもしれません。
そんな生成AIブームのど真ん中にいるOpenAIのCEOが突如解任…。AI開発が激化し、どの企業もAIの人材が不足する今、AI開発のトップと言っても過言ではないOpenAIのCEOの争奪戦が起こるのは当たり前のことでした。
そこで、いち早く名乗りを上げたのが、、、
マイクロソフトだったのです。
マイクロソフトはOpenAIに最大100億ドルも出資すると発表しており、自社でもAI開発に注力しています。
結局、OpenAIの社内外からの猛反発を受け、アルトマン氏のCEOへの復帰が決定。
アルトマン氏がマイクロソフトに入社することは叶いませんでしたが、マイクロソフトがいかにAIに力を入れているのかが分かるような出来事でした。
そんなマイクロソフトの現在を、Weiss Ratingsのシニアアナリストのジョン・マークマン氏がビジネスモデルの視点から分析しています。
マイクロソフトは今、AIをどう活用しているのか?
そして、それが今後、業績にどう影響してくるのか?
それでは、マークマン氏の記事をご覧ください。
この記事は投資月刊誌「パワーエリート」12月号でジョン・マークマン氏が語った内容を無料メルマガ用に編集してお届けしています。パワーエリートをご購読中の方は、ぜひ12月号の内容も併せてご覧ください。
投資家は、「破壊」などという重い言葉を簡単に口にする。しかし、特にこのデジタルトランスフォーメーション(DX)の時代には真の破壊は難しい。
この発言は奇妙に聞こえるかもしれない。アナログの物理的な世界から移行すると、より小規模で機敏なビジネスの活躍できる場が広がり、イノベーションが加速するはずだった。
ただ実際は違い、それが忍耐強い投資家にとって大きなチャンスとなっている。
ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるクレイトン・クリステンセン氏は、アイビーリーグの破壊的戦略コースで、真に破壊的なビジネスモデルは3つしかない、そう教えている。
持続的イノベーションモデルは、企業がより利益率の高い、革新的な製品を優良顧客にアップセルする場合に見られる。
ローエンド型破壊モデルでは、企業がコスト削減のためにイノベーションを起こし、従来の競合他社はより高い利益率を上げるために、その市場の規模を縮小せざるを得なくなる。
新市場破壊モデルは、全く新しい市場を創造して支配し、より大きな市場を食い荒らすことで競合他社を徐々に廃れさせる。
このようなモデルが現在も活躍している例はたくさんある。過去の投資サイクルと異なるのは、イノベーターが大企業であることだ。コンピューティングは、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)の汎用コンピューターが大企業の現場に登場し始めた1960年代以来の変化を遂げつつある。
IBMの汎用コンピューター以来の大破壊
AIは、データ検索から回答生成ベースのモデルへと移行しつつある。インターネット時代のウェブ検索は、ChatGPTのようなインターフェースに屈しつつあるのだ。AIデジタルアシスタントは、自然言語による問い合わせやプロンプト(利用者が生成AIに指示を出す時の指示・命令文)に基づいてソリューションを生成する。機種が改良され、より強力なコンピューターが登場すればするほど、このエキサイティングな時間はさらに充実していくだろう。
さらに重要なのは、論理的に見て勝者を特定するのが比較的簡単だということだ。このようなモデルを開発するのは、かつてのような小さなガレージではコストがかかりすぎる。
マイクロソフトの経営陣は10月、第3四半期の売上高が前年同期比12.8%増の565億ドルに膨らんだと発表した。この莫大な売上とその成長率には畏敬の念を抱かざるを得ない。しかし、本当に興味深いのは、この利益をもたらしたきっかけとなったものだ。
各企業はAIソリューションに世代を超えた関心を示し、最高投資責任者(CIO)はマイクロソフトのクラウドコンピューティング部門であるAzureの利益のために資金を投じている。この開発の重要性は計り知れないのだ。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのアナリストは7月、AIは15兆ドルのビジネスチャンスになりうると試算した。
当時、投資コミュニティのコンセンサスは、この予測は適度に受け止めるべきだというものだった。
その時だった・・・。
マイクロソフトの経営陣は1月、ChatGPTの親会社であるOpenAIに最大100億ドルを投資すると発表した。
ChatGPTのソフトウェアDNAは、2ヶ月も経たないうちにマイウロソフトの生産者ソフトウェアツールに注入され、CoPilot(コパイロット)と呼ばれるテスト・プログラムとして法人顧客に配布された。
投資家に衝撃を与えたCoPilotモデル
Microsoft 365 生産性スイートは、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams、OneDriveに加え、多くのネットワークツールを含むサブスクリプションベースのセットである。Windowsの時代が過ぎ去った今、365はマイクロソフトの中核となり、2022年には売上高449億ドル、全売上高の23%を占めた。
マイクロソフトの経営陣は1月、生成AIと統合することで365の体験に付加価値がもたらされると述べた。そして、驚くべきことが起こった。
365のサブスクリプションは、法人顧客に販売されたライセンス数に基づいている。これらのライセンスはシートとも呼ばれ、月額5ドルから35ドルまでの幅がある。PCマガジンは10月、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が100万シートのライセンスと取得しようとしており、2024年から4年半の間にマイクロソフトに最大10億ドルを支払う可能性があると報じた。
今月初め、マイクロソフトのプレスリリースによると、大企業の顧客を対象としたCoPilotのテスト結果に基づき、新規のサブスクリプションの価格は1シートあたり30ドルになるという。投資アナリストはこれに驚いた。
このビジネスモデルは今後、お馴染みのものになるだろう。
これは先のクリステンセン氏が「持続的イノベーション」と呼ぶもので、イノベーターが利益率の高い新製品を優良顧客にアップセルすることである。このようなことが可能なのは、これらの顧客が既存のプラットフォームに大きな信頼を寄せているからである。投資アナリストは、新製品が利益率を劇的に強化することを期待している。
Microsoft 365 生産性スイートは、企業の80%に導入され、Word、Excel、PowerPointの形式が標準となっている。テスト・グループによれば、CoPilotは既存のサブスクリプションに付加価値を加える大きなアップグレードである。
マイクロソフトがAIを導入したことは、この破壊の次の波がこれまでのものとは異なることを示しており、重要である。
マイクロソフトはこの点でリードしている。OpenAIに投資し、同時にその技術を取り入れた主力の製品を作り上げることは、破壊の未来がどのようなものになるかを示している。
また次回。
ジョン・D・マークマン
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