石油株は依然として買い時だ
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- 2020年12月29日
- トピックス
私は原油、特に石油の影響を受けやすい株に強気である。
今、原油市場に何が起きているのか?
米国の原油ベンチマークであるウェスト・テキサス・インターミディエイト=WTIは、47ドル台を突破した。世界各国と米国の原油ベンチマークが、6月以来のレンジを抜け出し、直近では、3月以降の戻り高値を叩き出している。
なぜこのようなことが起こるのだろうか?
私の見立てでは、主に3つの要因がある。
1.ワクチンへの期待: 複数のCOVID-19ワクチンが、様々な段階を経てきている中、トレーダー達はパンデミックトンネルの終わりに光を見ている。彼らは2021年には、エネルギー需要が正常に戻ると予想しており、その前に石油やガスを購入している。
イギリスはすでに立場の弱い人々や医療・介護従事者にワクチン接種を行っている。最初の対象者は12月8日にファイザー(PFE)のワクチンを接種した。
アメリカでのワクチンの普及は、2021年半ば以降になる可能性があるが、市場は期待感によって牽引されている。
2.景気刺激策: 米国に限らず、世界各国の政府は、パンデミックに起因する経済危機から抜け出すための刺激策を準備している。
日本は新たな経済対策として73兆円規模の支出を発表したばかりだ。 欧州中央銀行(ECB)は、既存のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を6060億ドル増額し、2兆1800億ドルとした。
これは、ECBが既に取り組んでいる9080億ドルの復興資金に上乗せされる。
ここ米国では、米議会が9000億ドル規模の景気刺激策について協議している。
そして、石油といえば、中国の原油輸入量は11月に4536万トンを記録した。これは、10月の日量1020万バレルから日量1104万バレルに増量したことになる。
3.悪いニュースは良いニュース: 強気相場であることを示す最も有効な指標の一つは、悪いニュースでも相場が上昇する時だ。直近の原油市場には、石油輸出国機構(OPEC)のメンバーとロシアを含む関連国が、1月に日量50万バレルの増産に踏み切ることで合意したという「悪いニュース」があった。
これに対する市場の反応は、価格の上昇だ。
さらに悪いニュースもあった。米エネルギー省(EIA)によると、12月4日の在庫量は先週末比で1518.9万バレルも増加した。これは、米国の原油在庫において史上最大の積み増しに近いものだ!
確かに、原油在庫は今年初めの最高値を大幅に下回ってはいるが、それでも週単位では大幅な上昇だ。これに対する市場の反応は、お察しのとおり、価格の上昇だ。
悪いニュースに直面しても価格が上昇するとき、それは強気相場だ。
上記が、これから原油価格が上昇する私の3つの理由だ。悪いニュースが悪いニュースとして市場に反映され始めれば、下がるかもしれない。
一方で、原油価格は節目を超えており、石油の影響を受けやすい株は、この流れに乗って上昇している。
私がお勧めするETFは、エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLE)だ。
このファンドには、シェブロン(CVX)や エクソンモービル(XOM)、 フィリップス66(PSX)などの大手が含まれている。非常に流動性が高く、経費率は0.13%。
XLEは、10月後半に30ドル割れとなったあと、直近では、40ドル台を回復する場面があった。本題はここからだ。
これは、まだ本格的な動きではない。
私のXLEの目標株価は、66ドルだ。
状況は変わるかもしれない。メルマガで随時お知らせする。ご自身で取引を行う場合は、気をつけて、調べ物を行い、そして投資して頂きたい。
あなたの成功を願って。
ブロドリック