シュレーディンガーが創薬における大躍進をリード
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- 2020年12月30日
- トピックス
米国株式市場でヘルスケア関連銘柄に大きな動きをもたらした要因は、ロンドンのコンピューターラボから始まった。
ディープマインドは、アルファベット(GOOGL)が所有する人工知能企業で、同社のアルゴリズムが先週、50年間研究者を困惑させてきた生物学の謎である「タンパク質折りたたみ問題」をついに解き明かしたため、ヘルスケア銘柄への投資リスクは今後異なった展開となる。
つまり、多くのヘルスケア企業の株価が過小評価されているということだ。
現代の薬物療法のほとんどは、科学者がアミノ酸を操作してタンパク質を作ることに基づいており、タンパク質が発達すると、その機能を定義する極めて特異的な形状に折りたたまれる。
ディープマインドのアルゴリズムであるAlphaFoldが、生物学の謎である「タンパク質折りたたみ問題」を解明する以前は、これらのタンパク質が折りたたまる際にどのような3次元形状を形成するかを予測する方法はなかったため、バイオテクノロジーへの投資は非常にリスクが高かった。
さらに計算を進めれば、製薬会社やバイオテクノロジー企業の研究者は、特定の機能を持つタンパク質を確実に開発できるようになり、より速く、安価で、そしてリスクの少ない創薬が期待できる。
早い話が、投資においてタンパク質の折りたたみ問題を解決、実証したディープマインドのAlphaFoldは、創薬の状況を、根本的に変えるゲームチェンジャーとなるのである。
AlphaFoldが、医薬品開発の高額すぎるコストや長期の遅延を改善することにより、シュレーディンガー(SDGR) のような最先端のAIと物理学に基づいた予測分析プラットフォームを構築したファシリテーターは、今や大きな優位性を持つ。コンピューターシミュレーションを利用して、企業が創薬のコストを削減できるようにすることが約束されているのだ。
特に最先端のAIと物理学に基づいた予測分析プラットフォームを構築したファシリテーターであるシュレーディンガーのソフトウェアは、世界中の1250の学術機関で使用されている。また、シュレーディンガーは、製薬業界で売上高トップ20の企業を顧客に持っている非常に有望な企業だ。
AlphaFoldのニュースは、これら企業の薬や他の多くの薬を市場に出す確率が急激に上がること意味しており、コロナ渦で暗いニュースが続いた2020年で最も明るいニュースだと言えよう。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン