中国は米国に秘密兵器を振りかざすのか?
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- 2021年4月5日
- トピックス
ここ最近の慌ただしいニュースのせいで、中国がレアアースの輸出制限を検討しているというニュースを見逃した方もいるだろう。
言い換えれば、中国は米国の軍事力と新しい「グリーン」経済を難航させる力を持っており、その力を行使するかもしれない。
このニュースは、英フィナンシャル・タイムズ紙が報じたものだ。中国は、軍事的な理由で米国へのレアアース輸出の制限を検討していることを即座に否定したが、制限を行う理由は他にもある。
レアアースとは何か?
THE GOLD会員にはすでに特別レポートをご案内しているが、簡単に説明すると「レアアース」は、それほど珍しいものではなく、銅と同じくらい一般的なものだ。
だが、経済的に生産できるレアアース鉱床は少ない。
レアアースとは、17種類の銀白色の光沢を持っている希少価値の高い金属で、それぞれが様々な性質を持つため、あらゆるものに欠かせない存在となっている。
ネオジム(Nd)とプレアセオジム(Pr)は「耐熱・耐食性に優れた磁石用」レアアースで、携帯電話や電気自動車、風力発電機などに使用される高性能磁石として欠かせないものだ。
その一つがF-35戦闘機だ。実際、1基作るのに400キロ以上のレアアースが必要とされており、国防総省はそれを懸念している。
中国市場の優位性
既知のレアアース埋蔵量の約70%は中国にある。中国の代表的なレアアース鉱山は、内モンゴル自治区バイユン・オボ鉱山で、世界最大のレアアース鉱床として知られている。
中国は何年もの間、世界のレアアース市場を席巻し続けており、競合相手を潰すために価格をヨーヨーのように操っている。
その結果、米国のような場所にある精製処理場は閉鎖に追い込まれ、中国は世界の市場の約9割を支配するようになった。米国はレアアースの8割を中国から輸入している。
これで米国が中国に何の弱みを握られているのかお分かりだろう。中国はそれを利用するだろうし、過去にも利用した。
2010年9月、中国は尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を巡り、日本に対する措置として、レアアースの輸出枠を4割削減した。最近では、トランプ大統領が米国の高速コンピューターチップの中国への輸出を制限し、中国製品の関税を引き上げたことを受け、対米輸出を制限することを公言している。
これを危惧したホワイトハウスと国防総省は、トランプ大統領が昨年、国内のレアアースの自給を拡大するために大統領令に署名し、国防総省はレアアース磁石の生産を強化する。
米国にはとっては長い道のりだ。米国は単純に精製能力が欠けているため、国内で生産されたレアアースは、加工のために中国に出荷される。
これは時間の経過とともに変わるだろう。米国は自給を拡大し、オーストラリアやカナダなどの友好国に生産量の増加を促す。
一方、中国のレアアースの輸出は減少しており、12月には前年比33%減となっている。これ自体に悪意はない。中国は独自のハイテク産業を持っており、米国同様レアアースを必要としている。しかし、明らかに中国以外の国におけるレアアースの開発に時間をかけている猶予はない。
だが、これは私達にとって恐怖の対象ではなく、実際には素晴らしい投資機会だ。
結局のところ、中国の潜在的な輸出規制は別として、世界のレアアース産業は2018年の81億ドルから2025年には144億ドルへとほぼ倍増すると予想されている。それは、EVや携帯電話、マイクロチップの需要が高まっているからだ。
それに加え、国防総省はレアアース産業への資金提供を行っていることを考えれば、当然投資対象として注目すべきだろう。
これはほんの始まりに過ぎず、まだまだこれからだろう。
どの銘柄を買えばいいのかを知るだけでなく、いつ買えばいいのかも重要だ。
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自分自身で取引を行っている方は、気をつけてきちんと調べ物を行って頂きたい。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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