白熱するホワイトゴールド
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- 2021年4月15日
- トピックス
かつてスペインの征服者たちは、プラチナ(別名「ホワイトゴールド」) には、金よりも30倍の希少価値があるという事実にも関わらず、不純物と見なして廃棄していた。
2018年に世界で採掘された金の量は3332トンで、主に中国、オーストラリア、ロシアで採掘されている。
一方でプラチナは同年、南アフリカとロシアを中心に約190トンしか採掘されなかった。
なぜならプラチナは地球の奥深くに埋もれているため、生産がはるかに難しく、より困難な精製工程を必要とするからだ。
また、プラチナは触媒コンバーターや航空機エンジン、ペースメーカーのような医療機器などに不可欠な素材となっている。
一方で金と同じように、プラチナはジュエリーの中でも高い人気を誇る貴金属でもある。
これだけのことを考慮すれば、金よりもプラチナのコストの方がはるかに高いと思うだろう。
だが実際には違い、私達は今、歴史的な異常事態の真っ只中にいる。
2008年以前、プラチナは一般的に金よりも高い価格で取引されていたが、現在は、金価格が1オンス1700ドル強でプラチナは1オンス1200ドル弱と逆転している。
プラチナは総じて過小評価されていると言ってもよい。
だからこそ、この希少なコモディティに注目することは、投資の可能性として理にかなっている。
実際、世界トップのプラチナ鉱山会社である南アフリカのシバニェ・スティルウォーター(SBSW)は、今後4〜5年間で世界経済が回復し、供給が減少していくにつれ、プラチナ価格は、80%以上上昇する可能性があると述べている。
プラチナはすでに供給停止や触媒コンバーターに使用されている中国の自動車産業の復活を背景に、2020年3月の安値から大きく上昇している。
国際調査機関ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の調査責任者トレバー・レイモンド氏によるとプラチナの需要は、年間30万オンス以上増加する可能性があるという。
また、水素燃料電池の利用が増加していることもプラチナの需要を支えることになる。レイモンド氏は、「COVIDの間に、世界が水素経済を恐らく確実なものとして認識するようになった」と述べた。
貴金属のトップ生産国である南アフリカでは、ワクチン問題でさらに供給が滞る可能性があるとの懸念が高まっていることから、プラチナは需給ギャップの恩恵を受けている。
この結果、プラチナ価格は2021年の年初来高値から2月中旬にかけて22%急騰し、6年ぶりの高値を更新する場面があった。
私たちは、この波に乗り遅れたのか?
とんでもない!
朗報なのは、プラチナ価格が高値を更新した後に短期的な調整局面から横ばい推移へと変わっていることから、押し目を拾うチャンスが生まれているタイミングにあるということだ。
プラチナは、長期的視点で手掛けていきたいコモディティー商品として位置付けていきたいと考えている。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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