大きく勝つために「小さく」考える
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- 2021年4月13日
- トピックス
S&P500は好調な2021年を迎えており、すでに10%ほど上昇している。だが、小型株の方は、さらに好調だ。
本当の意味でのアウトパフォームを実現するには、さらに小さい銘柄、つまりマイクロキャップ銘柄に目を向けたい。
「大きく勝つためには、小さく考えるべきだ」と言える。
これは、S&P 500と、小型株を対象とするiシェアーズ・ラッセル・2000ETF(IWM)、そして時価総額3億ドル以下の銘柄を集めたバスケットを保有するiシェアーズ・マイクロキャップETF(IWC)のパフォーマンスチャートだ。
S&P500は年初来で9.64%上昇していることがわかる。まだ4月であることを考えると、悪くないものだ。小型株は13.46%と健闘している。そして、マイクロキャップは24.22%のリターンを実現している。これはS&P500の2倍以上となり、素晴らしい数字だ。
興味深いことに、歴史的に見ても、これは珍しいことではない。
ダートマス大学のケネス・R・フレンチ教授のデータによると、1920年代半ば以降、時価総額の小さい銘柄のうち、10%が、時価総額の大きい銘柄の10%に年間2.4ポイントの差をつけてきたという。
ところが、この20年間で、その状況は変わってしまった。
過去20年間、時価総額が大きいメガキャップは、小型株のスモールキャップやマイクロキャップを圧倒してきた。
では、今何が起こっているのか?
これは新しい常識からの逸脱なのか、それとも古い常識への回帰なのか。
私の考えご紹介したい。
小型銘柄にある大きな価値
大型銘柄であるアップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL)、テスラ(TSLA)などのバリュエーションを見てみると、信じられないほどのものだ。
つまり、ウォールストリートの資金の多くは、何らかの価値を求めている。伝統的に小型株は価値が高いとされている。
中小企業に有利な米国ブーム
世界各国の中央銀行が成長率の見通しを上方修正した。世界経済はパンデミックによる景気後退から抜け出しつつある。これは朗報だ。より素晴らしい点は、米国が世界全体をリードしているということだ。
確かに、中国とインドも牽引しており、それぞれ8.4%、12.5%の成長が予想されている。
しかし、2021年の成長率が6.4%と予測されている米国は、先進国をリードしている。ユーロ圏は4.4%、カナダは5%、英国は5.3%の成長を見込んでいる。
なぜこれが重要なのかというと、国内の成長は中小企業に有利な傾向があるからだ。また、米国が他の先進国を上回ると予想されていることも、スモールキャップやマイクロキャップの強みとなっている。
成功が投機家を引き寄せる
お金にはお金が集まるものだ。今、マイクロキャップが成功していることで、ウォールストリートの投機家たちがマイクロキャップに注目していることは間違いない。
最近、ウォールストリートにはフリーマネーの海が広がっている。超低金利も続いている。このような状況が続く限り、マイクロキャップを中心とした株式を追いかける資金が増えていくだろう。
以上が、マイクロキャップが2021年もアウトパフォームを続ける可能性のある3つの理由だ。
このトレンドに乗るなら、IWCに注目してみてはいかがだろうか。
小さく考えれば大きく勝てる可能性がある。
あなたの成功を祈って。
ブロドリック
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