FRBが現状維持を続ける理由
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- 2021年6月18日
- トピックス
そろそろ、政府は米国債などの買い控えを検討したり、バイデン政権の1期目中に利上げすべきだ、と思われるだろうか。
市場もFRBの出す答えを待ちわびていた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は16日(水)に、2日間の協議を終え、パウエルFRB議長が記者会見の壇上で指針を示した。
FRBの金融政策手法が大きな悩みの種になっていることは、これまでにもお伝えしてきた通りだ。不動産市場は手に負えない状況になり、資産インフレがあちこちで起き、生産者物価や消費者物価も上昇している上、市場では無謀な借り入れと貸し出しが行われている。
今週初め、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は、FRBが煽った企業の負債バブルについて、再び意見を述べた。これは私も特に注目している話題の一つだ。
“Pandemic Hangover: $11 Trillion in Corporate Debt”(意味:パンデミックの二日酔い:社債に注ぎ込まれた11兆ドル)と題したこの記事では、米企業が低利資金をどのように大量消費したかがリストアップされている。そのようにして米企業は収支をめちゃくちゃにして、将来的に深刻な問題を引き起こす下地を作ってしまっている。
しかし、これはある程度FRBが望んでいたことだ。結局、FRBが無責任な行動を堂々と取っているのだ。非常に安易な政策を長期で維持すると公言している。
そして、市場を異常に気にしており、10%程度でも引き戻しがあれば、金融業界が終わるかのように振る舞っている。
FRB当局は、自らの取り組みが経済にとって正しいもので、自分たちは責任ある行動を取っていると考えている。それによってどれだけ副作用が増えようと、それほど気にならないと繰り返し述べている。
それなのに、パウエル議長は180度方向転換することがあるだろうか?FRBが根本的に方向転換するというサインを見せただろうか?
そんな非論理的なことは起きていない。今後も同じことの繰り返しで、現状方針を維持し、政策を非常に緩く保つのみ、リスクに関してはいくつか無味乾燥で平凡な言葉だけが語られた。
FRBが何をどうすべきか我々が考えても全く関係ないのだ。
投資家として我々ができることは、この政策のアプローチを利用することだ。市場が将来のトラブルを無視して豪遊している間に、今富を育てよう。
しかし、「セーフマネー」戦略で富を育てるようにしよう。そうすれば、今後の市場環境の変化に備えることができる。そして間違いなく、市場環境は変化することになる。私はそう確信している。
それではまた
マイク・ラーソン
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