インフレの波に乗る方法
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- 2021年6月15日
- トピックス
ウォールストリートがインフレでパニックに陥っている。
住宅や自動車などあらゆるものが値上がりし始めると、投資家は何を買っていいかわからなくなる。
朗報なのは、私は何を買えばいいのか分かっていることだ。
3月の消費者物価指数(CPI)が0.6%上昇したことをお伝えしたが、これは供給面での課題と買い手の需要の抑制が相まって実現したものだ。
4月のインフレ率のデータはさらに悪いものだった。4月のCPIは0.8%上昇し、過去12カ月間で4.2%の変動となった。
経済活動はまだ完全には再開されていないが、ロックダウンで溜まった需要を解消するために、すでに価格が上昇している。さらに、賃金の上昇とサプライチェーンの混乱が加わると、さらに加熱したインフレが発生する。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレは 「一過性のもの」だと述べている。
だが、景気が本格的に回復する前に、消費者の初期支出がこれほどまでに価格に影響を与えるのであれば、景気が本格的に回復したときの影響はどうなるだろうか?
形勢は逆転した!
過去10年以上にわたり、成長株はバリュー投資を上回ってきたが、今年の初めにはインフレ懸念によって大きな逆転現象が起きた。
下の図に示すように、今年は4月末までの時点で、あらゆる時価総額のバリュー株がグロース株を上回っており、この状態はインフレ期間中も続くと思われる。
バイデン政権が過去最大規模の財政支出を行っているため、しばらくは続くだろう。
なぜこのようなことが起こるのか?
それは、インフレだ。将来のキャッシュフローを実質的に切り捨て、そのお金を手に入れるのが未来になればなるほど、現在の価値は下がる。バリュー株の場合、投資家はすぐに資金を回収することができる。
一方、成長株は長期的な資産であり、高いPER(株価収益率)の中で「成長」していく。願わくば、最終的には…。
インフレ率が上がれば上がるほど、成長株の割高感が増す。
だからこそ、投資家が早期に資金を回収できるバリューは、インフレが進む中で輝きを放つ。
そこで新たなアイデアがある。インフレに負けず、もっと上を目指せる投資とは?
頼みの綱は銀行だ!
金融株や銀行株は、通常、PERやPBRが低く、株価は、割安な価格で取引されることがある。インフレ率の上昇に伴ってバリュエーションが下がると、歴史的にこれらの銘柄のパフォーマンスが向上する。
銀行株がインフレ環境下で好調なのは、銀行の借入コストが貸し手としての金利よりも変動が少ないため、純金利マージンが拡大するからだ。
銀行セクターで投資する一つの方法に、バンガード・米国金融セクターETF(VFH)がある。
VFHの運用資産は約107億ドルで、上位の保有銘柄はJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)、バークシャー・ハサウェイ(BRK-B)、そしてバンク・オブ・アメリカ(BAC)となっている。この上場投資信託(ETF)の配当利回りは1.8%で、経費率は0.10%と非常に低いものだ。
VFHの大きな流れを、週足チャートで見てみよう。
素晴らしい上昇トレンドだ。
今年の初めにVFHが上方にブレイクしたことがわかる。そして、さらに高くなる可能性も秘めている。
いずれにしても、せっかく築いた資産がインフレで目減りしないようにしたい。むしろ、より大きな富を築くために利用して欲しい。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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