悪意あるAIの台頭によって利益を得るアルファベット
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- 2022年10月17日
- トピックス
ミュージシャンは、広告への使用のために楽曲の権利を販売することがよくある。また、俳優が声や肖像権を売却することもできる。しかし、悪意あるAIが生み出したディープフェイク(AIが生み出した偽情報)につけ込まれる懸念がある。
ブルース・ウィリス氏の代理人は先週、ディープフェイク技術を使う企業へ肖像権を売却したという報道を否定した。ハリウッドスターで初めてのことであり、投資家にとって新しい時代の幕開けだ。
投資家は、アルファベット(GOOGL)の購入を検討すると良いだろう。
詳しくご説明したい。
典型的なディープフェイクでは、有名人の肖像をデジタルで挿入し、視聴者にフェイク動画を提供する。
ディープフェイクは、人工知能を使って継続的に改善する敵対的生成ネットワーク(GAN)の加速により、本物の動画とほとんど見分けがつかなくなり、その結果、衝撃的な効果を発揮している。
2020年に投稿されたディズニーの研究機関ディズニー・リサーチ・スタジオのYouTube動画では、ターゲットとする俳優のためにフォトリアリスティック(写真のようにリアルな合成)な画像をその場で作成する様子が紹介されている。
Deepcakeのような企業は、GANのさらなる推進を試みている。そのデジタルツイン技術は、ハリウッドの一流俳優たちが、メイクアップやセリフ覚え、撮影現場にいなくても自分の肖像を現金化できる機会として売り込まれている。つまり、Deepcakeのサービスを使えば、セリフを覚えることも、撮影に関わることもなく、セリフを覚え撮影したかのような映像を作り出すことができるのだ。
Deepcakeの広報担当者はThe Hollywood Reporterに、ブルース・ウィリス氏が2021年にロシアで放送された無線電話企業のCM作成に関わったと述べている。
ウィリス氏は、言葉を理解したり表現したりすることができない失語症と診断され、俳優業を引退している(しかしDeepcakeを使えば、ウィリス氏が以前のように演技した映像を生み出すことができる)。
Deepfake反対派は、なりすましによるメッセージ発信を懸念している。
イリュージョンを執拗に用いることで、何が現実で何が現実でないかの境界線が曖昧になる。 国民が真実に対する不信感を抱きやすくなるという、いわゆる「嘘の弊害」が発生する。
特に動画は大きな懸念だ。人は、読んだり聞いたりした言葉よりも、目にした映像を信じる傾向がある。
今、世界に必要なのは・・・
不正なディープフェイクに対抗する技術
このソフトウェアは、偽物を素早く見分けることができる信頼できる情報源となるだろう。しかし残念ながら、投資家たちは、悪化する経済状況によって開発ができなくなることを懸念している。
「必要」は発明の母だ。
モルガン・スタンレー(MS)のアナリストは、マクロ経済の悪化が技術の飛躍的進歩を加速させることが多いことを指摘した。破壊的技術に関する91ページの投資調査報告書「ムーンショット」の中で、アナリストは、景気後退期に企業はより厳しい規律を強いられると明らかにしている。企業顧客の難題を現在と未来のために解決する。
アメリカン航空グループ(AAL)とユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス(UAL)は、ともに世界が大恐慌に突入したときに設立された。2008年の金融危機の際、ベンチャーキャピタルはエアビーアンドビー(ABNB)やウーバー・テクノロジーズ(UBER)に資金を投入した。
モルガン・スタンレーの研究者達は、ディープフェイクにおいて最も優れた投資先は、非上場企業のDeepMediaであると考えている。カリフォルニア州オークランドに拠点を置く同社は、「Dub Sync」技術によりディープフェイクを製造・検出している。
そして、アルファベット(Google親会社)のAI部門であるディープマインド・テクノロジーズは、その分野で最も重要な企業のひとつとされている。
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ネイチャー誌によると、2020年、このアルファベットのロンドン子会社のデータサイエンティスト達は、AIを使って、生物学者が50年間成し遂げられなかった、タンパク質の折り畳み予測に成功した。
タンパク質の機能は、その3次元構造によって決定される。
理論的には、ディープマインドのソリューションは、製薬会社、材料科学者、環境科学者のためのカンニングペーパーとなるものだ。同社は7月に2億個のタンパク質の構造をオンラインデータベースに公開したが、これは基本的に植物、バクテリア、動物、その他多くの生物の予測される構造のすべてである。
これまでディープマインドAIは、Googleマップの交通予測を改善し、Androidの推奨機能を向上させ、さらにはGoogleのデータセンターで冷却コストを40%削減した。
ディープフェイクを打ち負かす力は十分にある。 その多くは、姉妹会社である世界最大の独立系映像コンテンツ配信会社「YouTube」に投稿されている。
ディープマインドはムーンショット的なビジネスで、アルファベットの中に潜んでいる。
今年に入ってから、アルファベットには非常に大きな売り圧力がかかっている。ビッグ・テックは、世界の政策立案者達から競争制限的であると認識されている。その通りであり、成功する企業は、競争優位性を活用するものだ。
ディープフェイクは、技術界の聡明な人間達の洞察を必要とする大きな問題だ。必要は発明の母だが、長期的に見れば、株価は「必要」が現金化されていることの反映だと言える。つまり、必要は株価の母だと言えるかもしれない(「必要」とされるから「発明」がある。必要とされるサービスを発明した企業の株価はどうなるだろうか?)。
健闘を祈る。
ジョン・D・マークマン
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