堅調なインフレ結果を受け上昇を続ける暗号通貨
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- 2023年1月16日
- トピックス
ビットコイン(BTC、格付け「A-」)と幅広い暗号資産(仮想通貨)市場は、12月の前年同月比のインフレ上昇率が6.5%という結果を受け、最近の上昇を拡大している。
この結果はエコノミストの予想と一致しており、FRBによる金利政策の方向転換の可能性がより高いことを示唆している。
FRBの次回の利上げ決定は2月1日でまだ先だが、利上げ幅が縮小される確率は先週の61%から93%に急上昇している。
現在、市場は25ベーシスポイントの引き上げに向け、さらなる減速のより高い可能性を織り込んでいる。
これは暗号通貨を含め、年初から上昇を続けているテクノロジー株やその他のリスク資産にとって朗報だ。
実際、イーサリアム(ETH、格付け「B」)は、年初来で19%の上昇を記録している。現在は小幅に下げているが、1400ドルを奪回した際に重要なトレンドラインを越えた。
上のチャートの青い線はETHの21日移動平均線を表しており、1月3日に奪回されて以来、試されていないサポートレベルだ。
金曜日の取引をプラスで終えることができれば、ETHは6日連続のプラスとなる。
そして、イーサリアムの強さは、その値動きに密接に追随する他のアルトコインにとって良い兆候であることを覚えておこう。
時価総額2位のこの暗号通貨は、2022年夏に弱気市場における安値880ドルを確立して以来、従来の市場リーダーであるビットコイン(BTC、格付け「A-」)よりも良い印象を与えている。ETHは押し目買いされ、現在はブレイクアウトを確立しそうな勢いだ。
一方、BTCは現在の弱気相場における安値をつけたのが2022年11月とかなり遅く、何度も安値を再び試すところまできた。
だが、遅れをとるということは、ダウン・アンド・アウト(資産の消滅)とは異なる。ビットコインもまた、現在、年初来で17%の上昇率となっており、小さな上昇を見せている。さらに、1万8400ドルの抵抗線を、たちまち突破し、1万9000ドルの重要なレベルを取り戻した。
ビットコインは現在約2%上昇し、このままの値動きが維持されれば、6日連続でプラスを記録することになる。
BTCは、1月4日に21日移動平均線を奪還して以来、終値は一貫してその上方となっている。
現在、BTCは弱気市場における安値である1万5500ドルを超え、余地を広げつつある。この資産が勢いを増し続ければ、暗号資産の冬は間もなく過去のものとなるかもしれない。
しかし、さらなる弱さを排除できるほど上昇していないことには留意する必要があり、ビットコインの動向を注視していきたい。
今後の推測
暗号資産の冬が終わりを告げ、暗号資産(仮想通貨)市場の雪解けが始まっているが、昨年に引き続き、投資家はFRBの声明文と金利政策の決定に注視している。インフレが落ち着きを見せる中、FRBはそろそろ政策を転換して景気後退の深刻化を防ごうとする可能性がある。
そして、このシフトは私たちが考えるより早く訪れるかもしれない。
銀行の収益は、より広範な経済の健全性を示す指標として使用されることがあるが、その状況はあまり良くはない。先日、大手銀行4行の決算発表が行われたが、その結果は、景気後退を避けたいと願う投資家をほとんど安心させるものではなかった。
経済が悪化した場合、FRBはその影響を和らげる検討を行う可能性がある。
全体として、インフレと景気後退の可能性という短期的なマクロ課題は、値動きにとって短期的に逆風であり続ける可能性がある。
暗号通貨の普及と機関投資家の需要が、暗号通貨の強力なファンダメンタルズを改善し続けていることは、希望の兆しだ。
健闘を祈る。
サム
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