ロクがストリーミング戦争のヒーローとなった理由
- 1633 Views
- 2020年10月5日
- トピックス
デジタル技術は、テレビの視聴を含めあらゆるものを変貌させている。
オープンメディアのストリーミングプラットフォームである ロク(ROKU、格付け「D」) は、次に来るものを支配する立場にある。
数か月に及ぶ争議の末の金曜日、NBCユニバーサルとロクはついに動画配信契約を発表した。より大手のコムキャスト(CMCSA、格付け 「B-」)のアフィリエイトがアクセスを必要としたため、ロクが優勢であった。
ロクの株主にとって大きな勝利であり、今後も多くのことが期待される。
ロクの経営者たちは、ネットフリックス(NFLX、格付け「C」の元幹部であるアンソニー・ウッドがチームを結成してストリーミングメディアボックスを構築した2008年のコード・カッティング革命の真っ只中で参入し、ウッドの前職の会社から600万ドルの初期資金を得て、カリフォルニア州ロスガトスのネットフリックスと並ぶオフィススペースまで確保した。
インターネットベースの Roku プラットフォームは、既存のケーブルネットワーク上にコンテンツをストリーム配信する戦略の初期段階にあった ネットフリックスにとって自然に適合していた。
ケーブル会社が提供する高価なパッケージからの脱却を目指す消費者にとって、OTTは完璧なソリューションのように思われ、ロクは消費者に無制限のオンデマンドコンテンツを提供し、膨大な数のいわゆるチャンネルにより視聴体験を真にカスタマイズする能力を持つプラットフォームという最高の製品をもっていた。
これらのチャンネルは、ロク専用に開発されたソフトウェアアプリケーションで、NFLやNBAなどの主要なスポーツリーグから、スポティファイ・テクノロジー(SPOT、格付け「 D」)などの音楽プロバイダー、大手ビデオストリーミングサービスのアマゾン(AMZN、格付け「B-」)プライムビデオ、 グーグルのYouTube、Hulu、 HBO Go、またアップル.(AAPL、格付け「 B-」)AppleTV +やNBCユニバーサル(どちらの会社もコムキャストが所有)のケーブルテレビの仲間であるXfinityまで、あらゆるものを含む。
ロクの経営者はOTTの台頭を正確に予想していて、コンテンツプロバイダーをおびき寄せるために使いやすいプラットフォームを構築し、その後広告によるユーザーエンゲージメントのマネタイズを開始した。
8月までに4,600社のパブリッシャーから19,500のチャンネルが配信されロクのユーザー数は前年比41%の急増となる4,300万人に達し、さらに146億時間ものコンテンツをストリーミングしたことで65%も増加した。
ビジネスエンドも活況を呈している。
ロクの第2四半期の売上高は3億5600万ドルで前年同期比42%増となり、プラットフォーム部門の収益は、オンデマンド・サブスクリプション事業と広告販売の継続的な強化により、47%増の2億4500万ドルとなった。
従来のテレビのように怪しいと思うかもしれないが…
違いはRokuプラットフォームのデジタル性質で、同社はユーザーのことをよく知っているということだ。ソフトウェアはクリックを追跡し、開いているアプリと閉じているアプリにはタイムスタンプが付いており、そのすべてをリアルタイムでデータを採掘し、アルゴリズムを介して供給することで、マーケターにとってより価値のある情報にすることができるのである。
しかしながら、このケーブルの利点にも問題はある。
例えば、広告データはNBCユニバーサルとの争いの中心にあり、 Varietyの報告によると、ロクの経営者たちはNBCユニバーサルがかなりの広告在庫の取り分を放棄しなかったため、同社の新しいストリーミング メディア アプリである Peacockの掲載を拒否した。
階層型ストリーミングネットワークのPeacockは、7月に2万本のオンデマンドテレビ番組や映画の配信を開始したが、巨大なライブラリにもかかわらず、広告無料版の無料から9.95ドルまでのサービスは1500万人のユーザーを集めるにとどまっている。Peacockがより大きく、より速いペースで成長するためには、ロクが必要なのだ。
ロクはデジタル接続されたテレビのオペレーティングシステムとなっており、広告費が従来のリニアテレビから離れていく中で、大きなトレンドになりそうだ。関
Ad Ageによると、2019年の従来のリニアTV広告支出は700億ドルであった。
Rosenblatt Securitiesのアナリストであるマーク・ズグトウィッツは、リニアテレビからのシフトが今起きているとクライアントに対して述べており、ブルームバーグの報告によると彼の調査で、大手広告代理店5社は今後の広告支出の測定可能なアプローチを模索する中で、OTT/CTVインベントリのボリュームコミットメントを交渉していることが示唆されている。
ロクはハードウェアの面でアップル、アルファベット(GOOGL、格付け「B-」)、アマゾンと競合しているが、主要なストリーミングサービスをすべて見つけることができる唯一の場所であり、多くの人にとって優先アクセスポイントであるRokuプラットフォームはロクに接続されている4,000万世帯からバックアップされている。
ロクの株式は現在、185ドル近くの史上最高値を記録しており、時価総額は230億ドルに達しているが、同社がリニアTV広告費市場の大部分を獲得するために十分な位置を占めていることを考えると、この評価額は安いと思われる。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン