今年の感謝祭で市場がハッピーな理由
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- 2020年11月26日
- トピックス
今年の感謝祭の1週間は、これまでとは確実に違うと感じている。きっと多くの人が同じように思っているのではなかろうか。
同時に株式市場はバイデン次期政権への政権移行が落ち着くにつれ、公約(または再公約)と思しきものでお祭り気分になっている。つまり、市場の望み通り、イエレン財務長官が「もうすぐ大幅な追加財政刺激策を行うだろう」ということだ。
恐らくそれもダウ平均が感謝祭に向けて3万ドルの大台に乗せた一因となっている。そして、今年の感謝祭は、我々の知る限りこれまでになく我慢の強いられる休日となるだろう。
旅行を先送りにしてズームで集まる人々がいる。他方で非常に多くの人々は「また次の機会に」と言い続けている。それでも、家族や友人との楽しい食事をたくさん準備するのではない。我々は、猛威を振るうパンデミックの脅威をやり過ごすために分かる限りの最善の方法で生活することに慣れてきている。そして、それでいいのだ。
一方で感謝祭当日の11月26日(木)に、警戒感や恐怖感さえ感じるのも当然のことだ。米国でコロナウイルスの感染者数は、1日20万件に迫っている。25万人以上の米国人がこのウイルスで死亡している。最近の入院患者数は8万人を突破し、かなりまずい状況となっている。
多くの人々は、今までに個人的な知り合いの中でコロナウイルスに感染した(もしくは現在感染している)人がいる。残念ながら、知人をコロナウイルスで亡くした人たちもいることだろう。
しかし、それでもこの苦難の時代に、特にこの感謝祭の時期に我々には希望を持てる理由がある。我々は、前途により良い日々が来ることを楽しみにすることができるし、希望を持つべきだ。
それは米国の医療従事者のおかげだ。毒性と伝染力の強い敵に最前線で立ち向かった彼らの勇気に、我々は深く感謝してもしきれない。来年には安全で効果的なワクチンが米国内外に広く流通する見込みなので、暗いトンネルの先に明るい光が見えてきた。
これらは感謝できる理由となる。今年はこれまでの米国の歴史とは全く異なる一年となった。そして、我々は、過去そうだったようにコロナウイルスをめぐる一連の試練をくぐり抜けてより強くなることだろう。
今年の感謝祭は今までとは異なり、歴史に残るストレスフルなものとなりそうだが、株式市場のこととなるとあまり大きな影響はなさそうだ。
バイデン氏は次期大統領になるだろうが、ジョージア州の決戦投票で民主党が上院をひっくり返すことができるかどうかはまだわからない。もし民主党が勝てば、新年には途方もなく大きい追加財政支援策が通るだろう。もしそうならなかったとしても、FRBは紙幣を刷り続け、リスク資産を下支えし続けることだろう。
この冬は、コロナ関連の新たな店舗閉鎖や行動規制で景気は低迷すると考えられる。しかし、市場は、来年以降がより良い時代になると期待して、乗り越えるために最善を尽くすだろう。
つまり、慎重で実績のある「セーフマネー」戦略が富を生み出し保護するための最善策であるということだ。
では、皆さんが幸せな感謝祭を過ごされるように願っている。
それではまた。
マイク・ラーソン