投資家のためのゲームチェンジャーとなるアップルの新型ノートパソコン
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- 2020年11月25日
- トピックス
テック評論家は現在、独自のプロセッサを搭載しているアップル(AAPL、格付け「B」)の最新コンピュータについて、非常に高く評価しているため、ライバル企業は、後に続くことを余儀なくされるだろう。
アップルは、テスラ (TSLA、格付け「 C」)が自動車に対して行っていることを、より速く、より広い意味でパーソナルコンピュータに対して行っており、 投資家は、先手を打つ必要がある。
要約すると、アップルは、コンピュータ用のインテル(INTC、格付け「 C」)チップから、iPhoneやiPadに電力を供給するのと同じアーキテクチャであるARMホールディングスの設計に基づく独自のユニットに移行しているということだ。その1番のメリットは消費電力が少ないことだが、アップルの新しい独自設計CPU「M1」は、パフォーマンスにも飛躍的な変化をもたらす。
これまでは、電力効率の向上と性能の良さを同時に得ることは難しいと考えられていた。ゆえに消費者は、電力効率の良い製品は性能が弱いと考えていたが、もうこれからは違う。
トヨタ自動車(TM、格付け「C +」)が、プリウスを製造したとき、消費者は地球を気候変動から救うことよりも、安全性や性能に対して否定的な反応を示した。しかし、テスラによる画期的な発電装置が誕生したことで、消費者の不安が解消され、電気自動車の未来は軌道修正された。
世界の主要な自動車メーカーは、10年後のEV化に向かっているため、それほど遠くない将来、車両から冷却用のラジエーターや動力を伝達するためのトランスミッション、内燃エンジンが消え去ることになる。
自動車業界にとって画期的な出来事であったように、アップルの「M1」はパソコンにとっても同じような大きな変化をもたらすのだ。160億個のトランジスタとそれに対応する8コアCPUとマルチコアのGPUを備えた「M1」は、システム全体を1つのチップにまとめることで、従来の設計を覆すことに成功。処理能力は、毎秒11兆回という驚異的な数字を叩き出す。
アップルが、約20時間のバッテリー寿命に加えて、CPUとGPUに比べ、はるかに優れたパフォーマンスを発表したとき、テック記者は当然のことながら懐疑的だった。しかし、 Verge、Cnet、Wiredなどのテック系メディアによる最新のレビューによると、新しい「M1」を搭載したMacBookコンピュータは、誇大宣伝を裏切らないクオリティーのようである。
YouTubeの人気テックレビュアー、マーカス・ブラウンリー氏は、「エントリーレベルのM1コンピュータは、従来のどのインテルベースのMacコンピュータよりもCPU性能が優れている」と述べており、GPUのスコアは、最も高価なMacBookパソコンでさえも上回っていた。
このコンピュータ用カスタムSoCシリコンへの移行は、明らかに何か大きな重要なことの始まりであり、 レノボ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HP、格付け「C-」)、デル(DELL、格付け「C」)などのライバル企業は、この後に続く以外、選択の余地はほとんど残されていない。
投資家は、これが何を意味するのかを正しく理解する必要があることから、より分かりやすく説明するためにテスラの例に戻ると、全世界の自動車がEV化に向かっている中、ラジエーター、トランスミッション、燃焼エンジンを製造している企業への長期的な投資が賢明ではないのと同様に、マイクロン・テクノロジ(MU、格付け「C」)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD、格付け「B」)など、GPUやCPU等の個別のメモリモジュールを製造している会社への投資も賢明ではないということだ。
一方で、これから急成長する会社もある。
世界最大の半導体製造ファウンドリである台湾積体電路製造(TSM、格付け「B-」)は、「M1」でAppleエンジニアと協力することに加えて、Androidデバイスで実行されるほとんどのSoCのサプライヤであるクアルコム(QCOM、格付け「B-」)用のARMベースのプロセッサを製造している。
注目すべきは、クアルコムとマイクロソフト(MSFT、格付け「B」)が2019年10月、ARMチップをWindows OSに搭載するために提携したが、常時接続されているPCは、バッテリー駆動時間は非常に長がったにもかかわらず性能が原因で比較的悪い評価を受けていたことだ。
要するに、アップルの新チップは、現在のエコシステムを劇的に縮小させ、パーソナル・コンピューティングにおいて非常に大きな変化が進行中だということだ。変化を楽しみ、受け入れることに長けている投資家にとって、新たなチャンスがあることは間違いないだろう。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン