1974年の再来に向けて
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- 2021年5月21日
- トピックス
肩パッド入りのジャケットスーツを探し出しておこう。
株式市場における1974年の再来が近づいている。つまり、オイルショックと市場の乱高下、そして多くの投資家にとっての最大の懸念事項である「インフレ」だ。
オイルショックについては、先日、ロシアによるサイバー攻撃を受けたコロニアル・パイプラインが操業停止した状況を見れば明らかだ。私の住むフロリダ州では、突然、ガソリンスタンドに行列ができた。
一方、市場は方向感を失い、時には上昇と下落両方を同時に試しているようにも見える。これは基本的に、ウォールストリートで次々と発表される酷いインフレ率が背景にある。
先日発表されたデータは、最悪のインフレ懸念を裏付けるものとなった。
米国のインフレ率は4月に急上昇し、13年ぶりの高水準に達している。前年同期比のインフレ率は4.2%となり、これは、3月の2.6%から大幅に上昇し、ウォールストリートの予測を大幅に上回っている。また、12ヶ月間では2008年夏以来の高水準となった。
食料品やエネルギーは変動が大きいため、これらを除いた「コア」消費者物価指数は、前年同期比3%のペースで上昇した。これまでの1.6%からの大きな上昇だ。
私達がインフレ率に着目する理由は2つある。
1つ目は、私たちが買うすべてのものの価格に影響を与える点。以前にも述べたように、インフレは物価が上昇していく中、毎月、密かにあなたのお金を奪っていく。
2つ目は、投資家がFRBの反応を懸念している点。もしFRBがインフレが大幅に進んでいると判断すれば、政策金利を引き上げるかもしれない。その場合は、現在ウォールストリートが楽しんでいる資金のばら撒きパーティにも歯止めがかかるだろう。
だが、まだその心配をする必要はない。
米国の中央銀行は、今回のインフレ率の上昇は「一過性のもの」であり、来年には長期目標である2%に向けて弱まっていくと見ている。
FRBのクラリダ副議長は、「FRBはインフレの加速が持続するとは考えておらず、どちらにせよ中央銀行は経済により焦点を当てている」と述べた。
さらに、インフレ率は「2022年と2023年には長期目標である2%に戻るか、あるいはそれをやや上回る水準になるだろう」と述べた。
だが、それを信じるのは、とんでもない賭けだ。
なぜなら、FRBが動かなかった場合のことも心配しなければならないからだ。その場合は、1970年代のようにインフレが急進する可能性がある。
失業率と物価インフレ率を加え合わせたmisery index= 窮状指数をご存知だろうか?
そのチャートをご覧頂きたい。
「窮状指数」が生まれたのは、1970年代の高いインフレ率と高い失業率という特異な組み合わせからだ。つまり、高いインフレ率にもかかわらず、経済は停滞していた。年率換算のインフレ率は1974年に11.04%でピークに達した。
今はスタグフレーション(「stagnation(停滞)」と「inflation(インフレーション)」の合成語)ではないのでまだよい。経済は好調で、直近では年率6.4%の成長を遂げている。
また、COVID-19パンデミック以前の水準を下回っているものの、雇用も豊富にある。
実際、多くの企業が「採用する人材が足りない」と言っている。求人数は3月に最高を記録した。その結果、賃金が上昇する可能性がある。これは何を意味するのかお分かりだろうか?
インフレだ。
市場は今、1970年代のような過去の大きな状況の変化を経験している。賢い投資家は、新しい音楽のリズムに合わせるだろう。
掴むことのできる利益はまだ多くある。そして、インフレがあなたの懐を圧迫する中、行動を取ることがこれまで以上に重要になる。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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