今、金相場で最も重要なチャート
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- 2021年6月23日
- トピックス
先日、貴金属は一斉に値を下げた。
先週開かれたFRBの会合で、2023年までに2回の利上げを示唆したことから、金と銀市場が大きく反応したものだ。
これは短期的なノイズだ。金価格と実質金利の関係を示すこのチャートに注目して頂きたい。
実質金利利回りは、インフレ調整済みの米国10年債利回りを使って計算される。
ご存知のように、インフレは加速している。5月は、4月の4.2%から5%に上昇した。
チャートを見ればわかるように、実質的な利回りはマイナス3.5%近くだ。
なぜこれが重要なのかというと、これまでにも米国10年債利回りの低下はあったが、特に昨年のパンデミック危機の際にはその傾向が顕著だった。しかし、これほどまでにインフレが激しいときに、これほどまでに低い利回りは見たことがない。
金が否定的に見られる大きな理由の1つは、金利を生まないことにある。実質利回りがマイナスになったことで、国債の優位性は崖から転げ落ちている。そのような状況下では、金は輝きを増す傾向にある。
実際、歴史を振り返ると、実質利回りが下がれば金は上がり、実質利回りが上がれば金は下がる。上のチャートでも見ることができる。
しかし、最近は実質利回りが急落している。そして、それは、これから金の価格に反映されるだろう。
私は、金の大きな価格調整の局面が近い将来にあると見ており、上記は一つの要因だ。もう一つの長期的な要因は、長年にわたって金の探査が抑制されてきたため、需給が逼迫していることだ。
さらに、アジアでの新しい、そして抑制されてきた消費者需要の要因もある。インドや中国の人々は、金に対する文化的な親近感を持っている。彼らは昨年、家に閉じこもっていたため、金の購入ができなかった。そのような消費者が金市場に戻ってくることで、爆発的に急騰する可能性がある。
だが、最も重要な要因は、上にご紹介したチャートだろう。
注視していきたい。
金は短期的な市場のノイズに振り回され、ジグザグに動くかもしれない。だが、今年中に金価格が2000ドル以上に押し上げられる大きな要因が重なっている。
準備をしておいて欲しい。大きな動きとなりそうだ。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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