暗号通貨は落ち着いた動き
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- 2021年7月5日
- トピックス
– ビットコイン(BTC、格付け「A-」 )は、先週はほぼ完全に横ばいで推移し、3万4500ドル付近となっている。
– イーサリアム(ETH、格付け「A-」)も基本的には変わらず、2300ドル付近で推移している。
– ビットコインの暗号市場における優位性は1ポイント低下して46.2%となったが、これは主に小型の暗号通貨が最近の安値からより大きく跳ね上がったためだ。
ビットコインは直近で2万9000ドル弱の安値をつけた後に何とか反発し、先週の取引で3万ドルが新たな下値サポートレベルとして確立された。だが、このサポートを将来的に試すこともあり得る。
暗号通貨の王様であるビットコインが前回の強気のラリーを再開するには、まだまだ長い道のりが必要であろう。ラリーを確認するためには、3万9900ドル付近の200日指数移動平均線と4万1000ドル付近の21週移動平均線の両方を上回らなければならない。
これらは通常、長期的な強気相場のサポートレベルであり、これを下回っている間はかなりのハードルとなる可能性がある。
ビットコインは一時的に3万6000ドル付近の21日移動平均線を超えたものの、短期的な抵抗レベルに屈した格好となっている。これを上回れば短期的には強気のシグナルとなるが、今のところ、ビットコインは長期的な調整局面に直面し続けている。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのBTCの推移率である。
イーサリアムは、新たに確立された1700ドルの安値を何とか跳ね返した。
しかし、ビットコインのように確立された取引レンジを維持しながら堅調に推移するためには、再びサポートを試し、1700ドルレベル以上を維持する必要がある。
また、時価総額2位の暗号通貨であるイーサリアムは、一時的に21日移動平均線を超えた後、下落した。現在はこのレベルに近い状態が続いており、この短期的な抵抗レベルを持続的に上抜けすることができれば、喜ばしい兆候となる。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのETHの推移率である。
インデックス一覧
では、7月1日までの1週間を振り返りましょう。
ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は6.45%の上昇となり、ほとんどの暗号市場がプラスとなった。
ワイス・50・Ex-BTC・クリプト・インデックス (W50X)は12.18%上昇した。アルトコインが、直近でビットコインに追いついたことが分かる。
パフォーマンスを時価総額別に見てみると、中小型のコインがより良い動きを見せたことが分かる。
ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は3.92%上昇したが、その反発は他のインデックスに比べると僅かなものだった。
中型コインは、ここ数週間の厳しい状況から立ち直り、ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)は20.99%上昇した。
小型のコインは、最近の厳しい展開を経て、ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は24.54%急騰し、最も素晴らしいパフォーマンスとなった。
中小型コインのアウトパフォームの値動きは、その他のコインにとってポジティブなものであり、多くの暗号通貨が新たな安値をつけた後、わずかに反発したのは心強い。
これらのあまり知られていないコインは、過去2、3カ月間、大きく苦しんだが、今回の反発は売られすぎによるものだろう。
とはいえ、それはまだアルトシーズンの継続を意味するものではない。ビットコインが前述の長期サポートレベルを越え、そのレベルを維持するまでは、調整局面やレンジ取引が続く可能性が非常に高いと思われる。
今後の推測
今のところ、定着したコインが持続的なラリーを再開するまで、アルトシーズンは保留となる。短期的には不安定な動きとなり、サポートレベルへの回帰が見られるかもしれない。これらのサポートがしっかりと維持されていることを一貫して確認できない限り、弱気に転じる可能性もあり得る。
市場全体の値動きがよりエキサイティングなものとなる前に、ビットコインが再び上昇トレンドを確立するのを待つ必要があるだろう。
健闘を祈る。
サム
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