デルタ株に足を引っ張られないために
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- 2021年8月20日
- トピックス
「ゴッドファーザー」シリーズのファンの方は、第3作でマイケル・コルレオーネが述べたこの有名なセリフをご存知だろう。
「抜けたと思ったら、また引き戻される」
これはマフィアについて述べたセリフだが、多くの投資家がCOVID-19のパンデミックについて同様の印象を受けている。
我々は皆、最悪の状況を脱したと思っていた。しかし、デルタ株だけでなく、デルタプラス、ラムダなど、ギリシャ語名で呼ばれる変異株が増え続け、徐々に期待も打ち砕かれつつある。
今回は、昨年の3月や4月にあったような企業活動の停止や経済や市場が崩壊の危機に面することなどは起きないだろうが、一部地域では感染者数がピーク時と同じレベルに戻っているため、懸念も高まっている。
しかし、市場は史上最高値を更新し続けている。
この状況はいつまで続くのだろうか?さらに重要なこととして、あなたは次の波に耐えられる適切な投資を行っているだろうか?
上がるものは必ず下がる。
今最も優れたタイムリーな情報源の一つに、米国運輸保安局(TSA)が提供する空港のセキュリティ・チェックのデータがある。米国でセキュリティ・チェックを受ける旅行者が増えれば増えるほど、COVID-19の(投資)リスクに対する懸念は減ることが推察される。
8月9日月曜日にTSAは202万人の乗客のセキュリティ・チェックを行った。1年前の約76万1900人からは大きく改善したが、2019年8月の257万人にはまだ及ばない。そして、2年前と比べた際の今年の夏のアクティビティの変化率は悪化し始めている兆候が見られている。
また、レストラン予約のオープン・テーブルは、予約状況を追跡調査しており、消費者行動の変化を知る上で参考となる。
2020年春のアクティビティが2019年に比べて大きく落ち込んだ後、2020年後半になって徐々に回復していることがわかる。また、今年6月にはアクティビティが2019年当時を一時的に上回っていることがわかる。
しかし、その上昇トレンドは一時的で、再び下落し始めている。それが、デルタ株関連で感染者数が再び増加していることに起因していることは明らかだ。
消費者がどこでお金を使うのか、あるいは使わないのかがわかる3つ目の場所は、ウォール街だ。
以下、3つの上場投資信託(ETF)は、スマートマネーが短期的に何を見ているかを物語っている。
– U.S.グローバル・ジェッツETF(U.S.Global Jets ETF:JETS)は、航空関連企業に投資するETFだが、この1カ月で約7%の損失を出した。
– インベスコ・ダイナミック・レジャー・アンド・エンターテイメントETF(Invesco Dynamic Leisure and Entertainment ETF:PEJ)は、レストラン、映画、カジノ、旅行などの銘柄を保有するETFで、4%の下落となっている。
– 新しく、まだ取引の出来高の薄いETF、例えばアドバイザーシェアーズ・ホテルETF(AdvisorShares Hotel ETF:BEDZ)は、ホテルやカジノの株式を保有するETFだが、数パーセント下落している。
これらを見ると憂鬱な気分になるが、我々には元気になれる理由がたくさんある。
ここからが朗報だ。
忘れてはならないのが、昨年の春、投資家が心配していたのは、企業業績や売上の伸びが数パーセント落ちるようなことだけではなかった。これらの企業の多くが債務不履行に陥るのではないか、あるいは倒産してしまうのではないかと心配していた。
今では、大半の企業がパンデミックの期間中の運営方法を分かっている。また、2020年初頭に見られたようなロックダウンに対処する必要がないというのも利点だ。
さらに、医療従事者は1年前よりも、COVID-19について多くの知識を持っている上、当時は0人だったワクチン接種者が、現在では数千万人に達している。つまり、全体としては成果が上がっているということだ。
静かに進行している “足を引っ張るデルタ株”はこのままの状況が続くかもしれない
デルタ株が急増していることは、皆がっかりしているし、とても残念なことだ。 特に当時はなかった効果の高いワクチンがある今、入院者数や死亡者数はもう増えないで欲しいと皆が願っている。
しかし、純粋にマーケットに焦点を当てて考える場合、流行の初期の頃よりも現在の方がリスクは低くなっている。 だから、全部を売って現金化するような極端な方法をとるより、「セーフマネー」の投資戦略を取ろう。
既にこのブログやセーフマネーレポートをご覧になってきた方は、「セーフマネー」の投資戦略がどんなものかをご存知のことだろう。
– ゼロ金利でも配当収益を得るため、より利回りの高い、高格付けのETFや株式に注目しよう。
– 金、銀、貴金属の投資という形で「カオスの際の保険」を維持しよう。
– 多少の現金を準備しておこう。
– また、利益が出ておらず、長期的な展望もないが勢いだけはある「ゴミ」銘柄を追い求めないようにしよう。
このようなアプローチを取るなら、あなたはポートフォリオをデルタ株の危機の中も無傷で維持し、そして成長させていくことができると確信している。
それではまた
マイク・ラーソン
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