【減配決定】ハイリスクな高配当銘柄
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- 2021年10月27日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanの安居です。
前回は「Weissだから発見!? 意外なAランク銘柄」というタイトルで、企業名を聞いてもピンとこないでも米国株投資をしているなら絶対関わっている高評価3銘柄を紹介しました。
Weiss Ratingsの格付けで見つけた銘柄を深堀りしたので、
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Weissの情報を基に、それをどう深堀していくのかという事を例示した非常に良い記事だったと思います。情報過多の中、このような記事を望みます。参考になりました。tetsuro 様
私のような素人にも分かりやすく、しかも内容のある安居さんの分析で感動しました。今後も特定の銘柄に焦点を当てて時々お願いします。Weissの会員に入ってよかったと思っています。狐 様
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といったコメントをいただきました ^^)
Weiss Ratingsの情報を1人でも多くの人に届けるため、日本ではなかなか手に入らない米国の情報を届けるためこのメルマガを書いているので、こうしたコメントは励みになります。
これからもWeiss Ratingsの情報を中心に
「こんな銘柄あったんだ!」「この株こんなにすごかったんだ!」
といった情報から
「格付けを資産形成に活用すると何が良いのか?」「日本人だと入手しにくい米国株の秘密・予測」
といった情報をお届けしていきたいと思います。
前回のメルマガの感想では「この銘柄ついて教えて欲しい」「この銘柄に投資しようと思うのですがどうですか?」といったコメントも多くいただきました。
なので、今日はその中から日本で大人気の有名銘柄をピックアップしてWeiss Ratingsの評価を中心にお届けしたいと思います。
と、その前に。
一つ質問をいただきました。
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Alphabet株の購入を検討するべく当銘柄検索すると、クラスAとクラスCの2種類が出てきます。これはどう理解すればよいのか、どちらを買うべきなのか、教えていただけるとありがたいです。
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以前メルマガでAlphabet(グーグル)について取り上げました。それで興味を示していただけたなら答えないわけにはいきませんね ^^)
といっても僕も「GOOGL」と「GOOG」2種類のグーグル株があることは知っていましたがちゃんと調べたことはありませんでした。
質問いただいた 餡子 様、ありがとうございます。僕自身、知らずに放置していたことを勉強するきっかけになりました ^^)
SBI証券を見ると、両方トップ10にランクイン。クラスAの「GOOGL」のほうが少し人気のようです。<br>次に過去の株価を見てみましょう。
青色がクラスAの「GOOGL」黄色がクラスCの「GOOG」です。
当然同じ企業の株なのでほとんど連動していますね。ですが過去一年で見ると、クラスC「GOOG」のほうが高い時があります。
100ドル以上離れているときもあるので、決して小さな差ではありません。
そもそもクラスAとクラスCの違いは議決権の有無にあります。
普通に投資していると忘れがちですが、そもそも株主になるということは、企業のオーナーになるということ。
なので株主は株主総会に出席して経営者の方針について「異議あり!」と言ったりする権利(議決権)があるのですが、クラスCの「GOOG」にはこれがないんです。
「グーグルの経営に口を出したいから株を買う」という人は少ないでしょうから、多くの人にとってはどちらでもいいと思います。
それに実際は上場していない「クラスB」というのがあってこの株が圧倒的な議決権を持っているので、クラスAの株を買い集めてもグーグルの経営に影響を与えることはほとんどできないそうです ^^)
でも感覚としては、議決権のある「GOOGL」より議決権のない「GOOG」の株価が高いのは違和感がありますね。
使うつもりはないけど、どうせならグーグルの経営者に文句を言う権利があると嬉しいのが人情です(笑)
その理由を調べてみると、どうやら自社株買いにあるようです。
こちらはグーグルの2021年4月決算の自社株買いに関する項目です。
ここを見ると
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取締役会は、クラスC株式を500億ドルまで買い戻すことを承認しました。
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と言ったことが書かれています。
自社株買いは株価にプラス材料なので、それで決算後しばらく、クラスC「GOOG」が高くなっていたようです。
でも2021年7月の決算では
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取締役会は、クラスAとクラスCの両方を買い戻すプログラムの修正を承認しました。
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とあります。
それで、上の画像の赤い部分のように、一時は
「え、クラスCだけ自社株買いするの!?だったらクラスCの方が良いじゃん!」
と株価が上がっていたのが
「あ、クラスAも自社株買いするのね。だったらどっちでもいいや」
と株価はまた同じ水準になった、という感じだと思います。
長々と書いてきましたが、僕の個人的な結論として
・長期的な株価はほぼ同じなので、ほとんどの投資家にとってはどっちでもいい
・自社株買いなどで上下することもあるので、短期売買目的なら決算書を確認する
という感じです。
質問いただいた 餡子 様、グーグルに投資しようと考えていたけれどクラスAとクラスCで悩んでいた方の参考になれば幸いです。
おまたせしました。ようやく本題です(笑)
リクエストいただいた銘柄の中で取り上げるのは…
AT&Tです。
減配決定の人気銘柄「AT&T」
AT&Tは 扇の舞 さんからリクエストいただきました。
SBI証券の保有人数ランキングで4位
楽天証券の米国株デビュー銘柄で5位
米国株初心者からベテランまで大人気の銘柄それが「AT&T」です。
通信業界で世界シェア・売上ともにNo.15G通信など最先端技術でも存在感を発揮し、CNNやワーナー・ブラザースといったメディア事業を展開…
そして何より…
36年連続増配、配当利回り8%超えの高配当銘柄です。
さて、そんなAT&T、今投資すべきでしょうか?
まずはWeiss Ratingsの評価を見てみましょう。
総合評価は「C-」保有してもいいけど、あえて今買うべきではないという評価です。
ちなみにWeiss Ratingsの格付けには「+」や「-」がついていることがあります。
目安としては、同じランクの中でも上位3分の1は「+」下位3分の1には「-」がついています。
つまり、AT&Tは「C」ランクの中でも評価が低い下位3分の1にあるということです。
競合として比較されるベライゾン(VZ)も見てみましょう。
こちらがベライゾンの評価です。
総合評価は「C」ですが「-」がついていないのでAT&Tよりは高く評価されています。
どちらも過去の投資リターンを評価した「Total Return」と株価の変動性を評価した「Volatility」が低く出ていますね。
AT&Tもベライゾンも、多くは配当目当ての投資だと思います。
であれば、株価成長や短期の株価変動、成長性はそこまで意識しなくていいかもしれません。
むしろ注目すべきは事業の効率性を評価した「Efficiency」と財務状況を評価した「Solvency」です。
配当目当てということは数年、数十年と保有し続けるわけですから、ちゃんと利益を出し続けられるか?財務的に健全でキャッシュを保有しているか?が大切です。
たとえ今高配当でも、5年、10年後も高配当を続けられるかは事業が利益を出せるか、キャッシュを蓄えられるかがキモになるからです。
AT&Tはこの2つの評価がベライゾンより低いので、長期で投資するのは少し不安が残ります…
それともう一つ、AT&Tで無視できないニュースが事業売却によって減配が決定していることです。
今年5月、AT&Tはワーナーメディア事業を売却し同じメディア企業のディスカバリーと合併することを発表しました。
このときの発表では
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Attractive dividend – resized to account for the distribution of WarnerMedia to AT&T shareholders. After close and subject to AT&T Board approval, AT&T expects an annual dividend payout ratio of 40% to 43% on anticipated free cash flow1 of $20 billion plus.
https://about.att.com/story/2021/warnermedia_discovery.html
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いろいろ書かれていますが、要約すると配当性向を40%〜43%にするということが書かれています。
こうした情報をもとに計算すると…
2020年に2.08ドルだった年間の1株配当は1.19ドルに半減
現在8%を超える配当利回りは4.6%程度まで下がることになります。それでも十分高いのですが… ^^)
また、今AT&Tの株を持っている人はワーナーメディアが切り離された後、合併先のディスカバリーの株を手に入れることができます。
ですが、ディスカバリーは現在配当を出していません。
なので、配当を目当てにAT&Tに今投資するのは、あまりいい選択ではないかもしれません。
事業売却すればその分企業価値が下がる(株価も下がる)はずなので、その後であれば、半分程度になった配当金でも十分な配当利回りが期待できるかもしれません。
しかし、もともとワーナーメディアは通信事業の成長鈍化を補うため2018年に買収したばかりの事業です。
それをたった3年で切り離してしまったAT&Tが今後も利益を出し、配当を出し続けられるのか…
確かなことはわかりませんが、Weiss Ratingsがリスク評価を「D」としているようにハイリスクな投資になる可能性があります。
ということで今回は、メルマガの感想としていただいた
・グーグル株のクラスAとクラスCって何?
・日本で人気のAT&Tは今買い?
という2つのテーマでお届けしました。
僕のメルマガはもちろん、Weiss Ratingsの格付けも投資判断材料の1つでしかありません。
もしAT&Tに投資している、投資を考えているという方はいろいろ調べて総合的に投資判断をしてみてください。
P.S.
Weiss Ratingsは1万銘柄以上ある全ての米国株を日々評価しています。
格付け情報のほか、アメリカ人アナリストの記事もたくさんあるので、ぜひご覧くださいhttps://weissratings.jp/
P.P.S
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