クラウドから利益を得よう
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- 2022年2月20日
- トピックス
スケーラブルなコンピューター処理とデータストレージへの需要はかつてないほど高まっており、10-12月期の大規模な財務報告は、投資家がこのトレンドを利用する時期に来ていることを証明している。
直近でメタ・プラットフォームズ(FB)の株価は、同社がメタバースの基盤構築に力を注いでいるため、将来の収益性が期待通りにならないと幹部が語った後、急落した。
投資家たちが、バーチャルリアリティ(VR)をマネーピットだと考えていることは、短期的には間違ってはいない。
しかし、利益はクラウドからもたらされるため、長期的な機会に注目すべきだ。
アマゾン・ドット・コム(AMZN)のようなデジタルインフラ企業が大きな勝利を収めようとしている。
10-12月期はインフラ投資が話題になっているが、クラウドは決して新しいものではない。
アマゾン・ドット・コムが所有する先駆的な企業であるAmazon Web Services(AWS)は2007年に登場し、歴史的な成功を収めている。
15年の間に、コンセプトの証明から、年間710億ドルという驚異的な規模の活気あるビジネスに成長した。
AWSは、余ったコンピューターの処理能力やデータストレージを企業に従量制で販売するという、天才的なアイデアによって誕生した。
同社は、オンサイトのデータセンターを維持するために必要なコストや手間を、シンプルな変動料金に置き換えることができた。新しいハードウェアを購入したり、情報技術者を雇ったりする必要はなくなり、すべてをリモートでコントロールすることができるようになった。
インフラをクラウドで運用することが競争力の源泉となり、水門が開いた。
そして今、メタ・プラットフォームズがメタバースへの記念すべき移行プロセスを開始するにあたり、同様の水門が開かれようとしている。
CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、メタバースはメンバーが仕事をしたり、遊んだり、取引をしたりするデジタルリアリティになると語っている。彼らは、現実世界のアイテムと、メタバースの中にしか存在しないアイテムを購入するようになる。
悲観的な人々は、メタバースは実現せず、代替となるデジタル世界には需要がないと主張しているが、完全に間違っている。
メタバースは繁栄し、最終的にはメタ・プラットフォームズの巨大な収益源となるだろう。
フェイスブックは創設以来、あらゆる種類のバーチャルミーティングの場として定着しているため、この傾向はパンデミックの中で加速し、今後も上昇していくと考えられる。
同社は全世界で2億件のリスティングを行っており、バーチャルリアリティ(VR)ヘッドセット事業「Oculus」を含むフェイスブックのユニットであるReality Labsの10-12月期の売上高は8億7700万ドルとなった。
メタバースは、それらの事業を論理的に進化させたものだ。
そのために、デジタルインフラに大きな投資をする必要があるとザッカーバーグ氏は考えている。そして、メタ・プラットフォームズの最近のガイダンスは、彼の野心が等しく一致していることを証明している。
議事録によると、同氏は決算発表後に行われたアナリストとの電話会議で、投資額を2022年に100億ドルとし、さらに数年間は毎年50億ドルとする案を否定しなかった。
これは多額の投資であり、非常に野心的な計画だが、私は長い目で見れば価値のあるものになると思う。
しかしその間、皆さんは他の勝者に投資することでトレンドに乗ることができる。
話しをアマゾンに戻しましょう。
最新の財務諸表によると、AWSは、10-12月期の同社の収益の13%を占め、急成長している部門でもあった。
売上高は、前年同期比40%増の178億ドルに達し、利益は同時期に48%増の53億ドルに急増した。
さらに重要なのは、クラウドの子会社が、メタ・プラットフォームズのような大企業から新しいビジネスの潮流を引き寄せていることだ。
米国証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、AWSがメタ・プラットフォームズの長期的なクラウドプロバイダーの戦略的パートナーとなったことが明らかになった。
同社は、新しいアプリケーションのための人工知能(AI)システムを開発しており、それは、今後数年間のインフラ支出を意味している。
また、AWSは同四半期にベストバイ (BBY)、ゴールドマン・サックス (GS)、ファイザー (PFE)、ナスダック (NDAQ)とも同様の取引を獲得した。
ナスダックの幹部は2021年11月、同社のエンジニアがAWSと協力して、ナスダック証券取引所を動かすエンジンをクラウドに移行すると述べた。
この複数年にわたる契約により、より高いスケーラビリティ、超低遅延、そして新たなビジネスチャンスがもたらされるだろう。
そして、それは投資家が見落としている部分の典型的な例である。
多くの企業にとってクラウドは、デジタル時代に既存のビジネスをより効率的にすると同時に、新たな収益の柱を育てるための手段だ。そのためのインフラには飽くなき需要がある。
メタ・プラットフォームズとザッカーバーグ氏の野心的なアイデアを馬鹿にしてはいけない。いずれ、大きな利益を生み出すようになるだろう。
10-12月期決算でアマゾン・ドット・コム、マイクロソフト (MSFT)、アルファベット (GOOGL)の3社は、いずれも予想をはるかに上回るクラウド・コンピューティングの収益を計上した。
メタバースであろうと他の何であろうと、企業のデジタルインフラへの投資は急速に進んでいるが、今は、アマゾンがその大きな恩恵を受けており、今後もマーケット・リーダーとしての地位を維持し続けるのではないかと分析している。
長期投資家は、目先の下落を利用してアマゾン株の購入を検討していただきたい。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
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