急落後、落ち着きつつあるビットコイン
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- 2022年6月20日
- トピックス
ビットコイン(BTC、 格付け「A-」)と広範な暗号資産(仮想通貨)市場は、先週は荒れた展開となった。この市場リーダーは現在のところ1%上昇し、2万500ドルとなっているが、過去7取引日の32%の損失に比べれば、その動きはわずかなものだ。
投資家が大幅な経済引き締めに直面する中、ほとんどの暗号資産が苦戦している。米連邦準備制度理事会(FRB)は1994年以来最大の利上げを実施し、バランスシート削減プログラムによって金融市場から流動性が失われ始めている。
このため、暗号資産(仮想通貨)と伝統的な株式市場の両方で、リスク資産の間で急激な売りが発生した。
ビットコインは2万8000ドルから3万2000ドルの狭いレンジで弾力的に取引されていたが、ネガティブなニュースやポジションの決済が相次ぎ、相場が大きく引き下げられ、その動きは崩れてしまった。
また、調整前は先週急落する前の21日移動平均線のすぐ近くで推移していた。現在の環境下では、BTCがこの短期モメンタム指標を超えることはないと思われる。
最近の価格動向は暗号資産にとって厳しい道のりを示唆している。アルトコインは、勢いを取り戻すためにビットコインに頼ることになりそうだが、その市場支配力は前週から2ポイント以上低下し45%となった。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのBTCの推移率である。
もう一つの市場リーダーであるイーサリアム(ETH、格付け「A」)は、先週初め、前回の強気相場のピークである1400ドルを下回る急落を見せた。そこから、1100ドルを割り込み、より広い暗号資産(仮想通貨)市場とともに勢いを失った。
1000ドルは重要な心理的レベルとして機能するだろう。ETHが下方にブレイクした場合、さらなる弱さのシグナルとなる可能性が高い。
イーサリアムは、高値と安値を切り下げるパターンが続いており、その結果、21日移動平均の1625ドルを大幅に下回る水準で取引されている。現在のセンチメントを考慮すると、このレベルを超える動きは難しい。より現実的でポジティブな展開としては、ETHが安定し、新しい足場を確立することだ。
ETHは、プルーフ・オブ・ステーク・コンセンサスへの移行により、ポジティブなきっかけとなる可能性を秘めている。テストネット「Ropsten(ロプステン)」での移行は、メインネットの移行する前に必要なテストランの1つで、ひっそりと移行を成功させた。
早ければ8月にも完全移行される可能性がある。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのETHの推移率である。
インデックス一覧
暗号資産(仮想通貨)市場全体で、7日間の厳しい取引週となった。すべての時価総額が影響を受け、打撃を免れたコインはほとんどなかった。
広範な市場が強い売りに直面する中、ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は29.64%下落した。
ワイス50 Ex-BTCインデックス(W50X)は31.16%下落し、ビットコインが市場の動きを若干下回ったことが分かる。
パフォーマンスを時価総額別に見ると、それぞれの時価総額が同様の影響を受けていることが分かる。
先週は大規模コインが最も下落し、ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は33.03%下落した。
中規模コインは、ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)が30.73%下落し、中位となった。
小規模コインは、わずかな差で最も損失が少なかったが、それでも大きなダメージを受け、ワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は30.73%下落した。
暗号資産(仮想通貨)市場は、5月初旬から一貫して下落を続けている。最近は勢いがないため、新しい足場を確立することが重要だろう。そうなれば、大規模コインがリードすることになる。
今後の推測
40年来の高いインフレ率によって消費者物価を高騰していることを考えると、先週水曜日に75ベーシスポイントの利上げを行ったFRBがすぐにペースを落とすことはないだろう。労働市場が好調であるため、FRBはインフレに進展が見られるまで、金融市場への影響にかかわらず、利上げに踏み切ることができる。
暗号資産(仮想通貨)の冬に向かうにつれ、市場は引き続きFRBの経済政策とオーバーレバレッジの暗号資産トレーダーによるポジション解消の波による強い逆風に直面することになるだろう。
しかし、暗号資産価格の短期的な見通しは厳しいものの、導入は一貫して進んでいる。状況が落ち着けば、この業界は急速な進歩を遂げるだろう。
健闘を祈る。
サム
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