市場が崖っぷちの際に、どこに隠れるか?
- 961 Views
- 2022年6月20日
- トピックス
このところ、連日のように「不況に向かっている」という予測が発表され、誰もが市場を懸念している。
では、どのような買い方を検討すればよいのだろうか?
その答えはバリュー株であり、百聞は一見にしかずで、チャートをお見せしたい。
バリュー株とは、定義上、企業の収益、配当、利益、キャッシュフローと比較して割安に見える銘柄のことを指す。そのため、成長株とは痛みのシーソーの反対側に位置することになる。
成長株はファンダメンタルズに比べて割高に見え、ファンダメンタルズを「成長」させるという考え方だ。
最も高騰しているハイテク株の多くは成長株である。一方、エネルギー、素材、金融などのセクターにおいては、バリュー株が(常にではないが)よく見られる。
そして、年初来、それぞれのセクターの年間累計パフォーマンスは、成長からバリューへの脱却を実証するものだ。
S&P500のハイテク部門は、年初来で28%以上値下がりしている一方で、エネルギー部門は 50%以上も上昇している。
私は1月以降、このことについて何度も述べ、市場に大きな変化が起きていることを説明してきた。
そして今、バリュー株がブレイクし始め、成長株を大きく上回っている。
iシェアーズ・ラッセル1000バリューETF(IWD) のiシェアーズ・ラッセル1000グロースETF (IWF) に対するパフォーマンス比率を表すチャートを見てみよう。
IWDは昨年10月からIWFをアウトパフォームしただけでなく、この比率もパンデミックの高値を突破したところだ。
確かに、これは相対的なパフォーマンスではある。そして、多くのバリュー株は、最近の市場の急落で、全体市場とともに叩き売られた。だが、バリュー株は成長株ほど大きな打撃を受けておらず、年初来で成長株が 28.7%下落したのに対し、12.5%の下落にとどまっている。
もちろん上昇した方がいいに決まっているが、それはいずれ起こることだ。
今は損失を抑えて資金を守りたい。そのため、平均を上回るような個別銘柄を購入するとよい。
そうすることで、市場が崖っぷちの状況でも、実際にお金を稼ぐことができる。
では、なぜバリュー株が成長株を上回っているのかというと、金利が上昇しているからだ。成長株は借りたお金で事業を運営する傾向があり、その借りたお金のコストが毎月上昇している。
一方、バリュー株はキャッシュを生み出す機械となる傾向がある。まさに、高金利の環境下で好調となる企業だ。
今、株が売られすぎているのも事実だ。コンパウンド・キャピタル・アドバイザーズの創設者兼CEOであるチャーリー・ビレロ氏によると、最近、S&P500の銘柄のうち、50日移動平均線を上回る終値をつけたのは5%未満だったという。
これは過去のデータポイントの99%よりも低い。単なる売られ過ぎというよりは、極端な売られ過ぎだ。そこから反発が始まる。
そして私は、成長株は短期的な反発でうまくいくと予想している。なぜなら、経験豊富な投資家達は成長株をショートしており、ショートカバーを入れる(売りポジションを買い戻す)からだ。
だが長期的には、大きな流れが変わった。バリュー株は新しいトレンドだ。
推奨するファンドとしては、インベスコS&P 500ピュア・バリュー(RPV)を紹介したい。
このETFは、株価が低倍率のセクターに優先的に投資しており、これらの保有銘柄はインフレや金利上昇の影響を受けにくい。
組入れ銘柄には、バークシャー・ハサウェイ(BRKB)、フォード(F)、メットライフ(MET)、CVSヘルス(CVS)、バレロ・エナジー(VLO)などの企業が含まれている。
このETFは、金融サービス29%以上、ヘルスケア13%近く、エネルギー10%以上のセクターがウェイトを占めており、12月以降、RPVは直近の市場大混乱で階段から蹴落とされながらも、わずかながら利益を上げている。これは、同じ期間に16%以上下落したS&P500よりもはるかに良い数字だ。
市場は崖っぷちに立たされている。次の急落は、とんでもない規模かもしれないという声も多い。
もしそうなら、RPVは同等の成長株ファンドよりも受けるダメージは少ないだろう。そして、次のラリーの際には、RPVが成長株を大きく上回ることになると考えている。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。