厳しい状況を乗り越え、反発を視野に入れる暗号資産
- 995 Views
- 2022年7月11日
- トピックス
ビットコイン(BTC, 格付け「A-」 )は、先週、最近の急激な売りから反発し、過去5日間のうち4日でプラスの終値を記録し、週では約7%上昇した。
そして水曜日には、ついに6月5日以来初めて21日移動平均線を上回って取引を終えるようになった。この勢いに乗ると良いが、先日の値動きは少し落ち着き、BTCは2万1500ドル以上を維持しながら日中1%下落した。
また、木曜日の取引で下落前に試したレベルである2万2500ドルがさらなる抵抗レベルとなることが予想される。
マーケットリーダーは、暗号資産(仮想通貨)市場の底値を固めようとしている。ビットコインは、最近の下落の程度と一貫性を考慮すると、危機的に売られすぎているため、短期的には反発する可能性がある。
暗号資産(仮想通貨)は、短期的に大きな課題に直面しているため、反発後の見通しが悪くなっているが、市場から過剰なレバレッジが排除されることで、変動時のボラティリティが低下するだろう。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのBTCの推移率である。
イーサリアム(ETH、格付け「A」)も先日は約1%下落したが、過去7日間の取引で市場のリーダーよりも大きな上昇を見せている。前週比14%上昇の1220ドルで、先週は21日移動平均線も上回った。
高値と安値を連続して更新してきたETHが、最近のパターンを覆すことができれば、他のアルトコインにとってポジティブなサインとなるだろう。1250ドルから1300ドルの抵抗レベルを乗り越えることができれば、より大きな動きを見せる可能性がある。しかし、完全に信頼性を回復するには、これまでの強気相場のピークである1400ドルを超えなければならないだろう。
そうなるにはまだ長い道のりがあるが、最近の動きは正しい方向への一歩となった。
再び下落した場合、1000ドル台が重要なサポートとして機能するだろう。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのETHの推移率である。
インデックス一覧
暗号資産(仮想通貨)市場は、長期にわたる低迷期を経て、ほとんどの暗号資産が上昇し、堅調な1週間を記録した。
市場は上昇に転じ、ワイス・50・クリプト・インデックス (W50)は15.37%上昇した。
ワイス・50・Ex-BTC・インデックス (W50X)は15.77%上昇し、ビットコインはほとんど広範な市場のパフォーマンスを反映した。
パフォーマンスを時価総額別に見ると、どれも互いに一致した動きを見せたことがわかる。
大規模コインは2週連続でアウトパフォームしたが、それほど大きな差はなかった。ワイス・ラージキャップ・クリプト・インデックス (WLC)は15.45%急上昇した。
ワイス・ミッドキャップ・クリプト・インデックス(WMC)は15.00%上昇し、中規模コインは中位となった。
小規模コインの上昇率は最も低かったが、それでもワイス・スモールキャップ・クリプト・インデックス (WSC)は12.57%上昇した。
先週の暗号市場の上昇は、最近の売りを目の当たりにしていた投資家にとって歓迎すべきものだった。ほとんどの暗号資産は売られすぎているが、現在のマクロ経済環境は短期的にさらなる課題をもたらす可能性がある。それでも、大規模コインが動きをリードしているのは明るい兆しだ。
今後の推測
暗号資産(仮想通貨)市場はようやく反発しつつあるが、投資家はさらなる弱さの可能性を排除できない。今週のインフレレポートや月末のFRBによる金利政策決定など、マクロ経済要因がリスク資産に対するセンチメントに重要な役割を果たすだろう。
消費者物価が最高値を更新し続ければ、FRBはより積極的な利上げに踏み切らざるを得なくなる。
現在の環境では、市場のセンチメントに左右される不安定な取引が続くと思われるが、暗号資産のファンダメンタルズと長期的な展望は強さを増している。
健闘を祈る。
サム
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。