信用取引を使うべきでしょうか?
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- 2022年8月25日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanの安居です。
今日は「信用取引」について質問いただいたので僕なりの考えを書きたいと思いますが、その前に、、、
先週から米国株の上昇も一服した感じがありますね。
メルマガをご覧いただいている方ならご存知と思いますが、僕は6月からの急激な上昇について
「なんで上がってんの?」「この上昇は危なくない?」
と考えているので、引き続き指し値注文をして待ち構えています ^^)
今の相場は僕のような高配当投資家にとってよだれがたまらない状況です ^^;
画像:tradingviewより
こちらはSPYG(オレンジ)とSPYD(青)の6月後半からの値動きです。
SPYGの「G」は「グロース」で、エヌビディアやグーグルといったグロース株が中心になったETF
SPYDの「D」は「ディビデンド(配当)」でエクソンモービルなど高配当銘柄が中心のETFです。
6月後半からの上昇はグロース株が牽引していたことがわかりますね。
投資家の関心がグロース株に移ったことで一部の高配当銘柄からどんどん資金が抜けています。
例えばこちらは以前のメルマガでも取り上げたことがあるベライゾン・コミュニケーション。
画像:tradingviewより
株価がどんどん下がっていますが、株価が下がるということは配当利回りが上昇するということ。
配当利回り推移を見ると、過去3年で最も高く6%に届きそうな勢いです ^^)
とはいえ、ベライゾンの格付けは現在「Cランク」
配当狙いの長期投資とはいえ、積極的に投資したい水準ではありません。
画像:Weiss Ratings
2万3千銘柄以上ある米国株の中には、もっと高評価で、かつ高配当な銘柄もあります。
「最高ランク米国株25銘柄」には高配当&Aランクの銘柄もあるのでぜひご覧ください ^^)
↓
Weiss Ratingsのシニアアナリストマイク・ラーソン氏が「キャッシュの雨」と呼んだ銘柄も見逃せません。
高配当企業といっても年4回配当が一般的ですが、この銘柄は今年に入ってからすでに5回も配当を支払っています。
業績がものすごく良かった時に出す「特別配当」を実施しているからですね。
ちなみに、また次の特別配当の実施が決まり権利落日は9月14日です。
今年に入って3回目の特別配当なので何が特別なのかよくわからないですがまさに「キャッシュの雨」です ^^;
今投資すればこの特別配当が受け取る権利があるので、ぜひチェックしてみてください↓
ということで今日の本題。こんな質問をいただきました。
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(下落した時に投資することについて)確かにそのとおりだと思うのですが、下がった時に買うための現金が必要です。私は実行できるだけの現金を持っていません。信用取引をしてでも株を買うべきでしょうか?
やまちゃん 様
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やまちゃん様、ありがとうございます。
今がチャンスだとわかってるんだけど、投資するための現金がない…
僕もなんども同じような状況がありましたし、今まさにそういう状況にある方も少なくないと思います。
「これが正解」というわけではありませんが僕なりの考えをお伝えしたいと思います ^^)
画像:SBI証券より
7月にSBI証券や楽天証券で米国株の信用取引サービスがスタートしました。
信用取引をざっくり言うと証券会社からお金または株式を借りて株を売買すること。
これによって・資金の数倍の株を買ったり・信用売りで下落でも利益を狙うといったことが可能になります。
適切に使えば、確かに便利なサービスです。
・資金にレバレッジをかけて大きく儲けたり…
・信用売りで下落局面で利益を出したり…
・ロングとショートを組み合わせてペアトレードをおこなったり…
・保有資産のヘッジをおこなったり…
いろいろなことができると思います。
しかし、、、、
やまちゃん様がおっしゃるように「資金がないから」という理由で信用取引を使うのはあまりお勧めしません…
ここからは僕が信用取引をおすすめしない2つの理由と
信用取引を使わず下落をチャンスに変える3つの方法について書きたいと思います ^^)
◉信用取引はリスク許容度が高い人向け
資金量はリスク許容度に直結します。
1億円持っていたらギャンブル的な投資で100万円失っても痛くも痒くもないですが、100万円しか持っていなかったらもう再スタートできないですよね。
もう一度100万円を貯めるのに何年もかかってしまう…
年齢や経済状況によっては2度と取り戻せないかもしれません。
信用取引は借金をして投資するので基本的にはリスクが上がってしまいます。
なので、信用取引は資金がない時、つまりリスク許容度が低い時に活用するものではなく資金が十分にあって失ってもいいお金でハイリターンを狙いにいくものだと考えています。
ちなみに、信用取引には「追証」が発生することがあります。
信用取引は借金のようなものなので当然、担保が必要になりますよね。
担保割れしたら追加で担保を用意しろというのが追証です。
その追証が発生して、翌日までに追加の担保が用意できなかったら
画像:SBI証券
反対売買という形で強制決済つまり強制的に損失が確定されます。
この点でもやっぱり、信用取引は資金に余裕がある時に使うべきだと言えますね。
◉長期投資では金利がデカすぎる
もう一つの理由が金利です。
僕がこのメルマガで「下落したら買いたい」という場合、長期投資を前提としています。(短期投資の話はほとんどしたことがありません)
つまり、何年も持ち続けることを想定していますが、信用取引では保有日数に応じた金利が発生します。借金をしているので当然ですね。
SBI証券では年率4.5%楽天証券では基準金利+3.5%となっていました。
画像:SBI証券
画像:楽天証券
基準金利は楽天証券が市場動向をみて決めるようです。SBI証券の金利も「適宜変更します」と書かれています。
固定金利ではなく変動金利なのですでに借りている分の金利もこれに合わせて変動します。
つまり実際いくらになるのかはわからないということですね ^^;
仮に年率4.5%の金利だとして…長期投資ではとんでもないダメージです。
なのでそもそも信用取引は長期投資を前提としていません。短期投資で使うものです。
この2つの理由から、
「長期的に強い企業が下落したらどんどん買おう!」に対して
「信用取引をやってでも買うべき?」と頂いた質問には
「完全にNo!」とお答えさせていただきます ^^;
※安居個人の意見です
とはいえ、これでは質問いただいたやまちゃん様の課題が残ったままなので、最後に「じゃあ、どうすればいいの?」
という部分を少し書きたいと思います。
◉キャッシュポジションは超重要
僕も過去、余剰資金をどんどん投資して余剰資金がほとんどなかった時、
何度も、何度も、何度もチャンスをとり逃しました。
「ああ、今お金を残しておいたら…」と思った回数は数知れません。
そうした反省から、僕は・資産全体の2割の現金を別口座に・証券口座には2ヶ月分の投資資金を用意するようにしています。
2段階のキャッシュポジションです ^^)
これがあるので、大きく下落した時証券口座にある投資資金からすぐに投資する。
さらに下落が続きチャンスがやってきた時には別口座から資金を移して投資する。
ということができるようになりました。
下落をチャンスと捉えることができるので下落が怖いという感情も無くなり、精神衛生上も良かったと思います。
ちなみに、現金を使ってチャンスを掴んだ後はキャッシュポジションが元に戻るまでしばらく株を買うのはストップ。
できるだけ常に一定のキャッシュポジションがあるようにしています。
割合や比率にはさまざまな考え方がありますが「現金」を一つの投資先「キャッシュポジション」と考えてみてください。
下落をチャンスに掴む現金がない…に対する一番シンプルな解決策は
そもそも現金が無くならない投資戦略を取り入れることです ^^)
◉結局、配当
僕は現役世代で毎月の給料があるので上記のような戦略をとることができます。
そうではない場合に有効なのが、高配当投資です。
高配当投資は給料や年金とは別のもう一つの収入源になるので、それを貯めておきましょう。
僕も高配当投資が好きですが、もう少し配当金が増えてきたらキャッシュポジションを減らそうと考えています。
チャンスが来るまで配当金を貯めておけばいいチャンスがきたら配当金で買い増せばいいからです。
配当金より株価上昇の方がリターンが大きいと考え成長株がメインの方も多いと思いますが、配当金でより成長株を買うって考えたら、それがベストな気がしませんか ^^)
◉鉄則に倣い損切り
上の2つは今日はじめて明日できるタイプのものではありません。
キャッシュポジションを準備するにはかなりの時間がかかりますし、高配当投資でキャッシュを貯めるにもかなりの時間か大きな資金が必要です。
そもそも投資で資産を築くには時間がかかるものなのでこればかりはどうしようもありません ^^;
そうも言っていられない今のチャンスを掴みたいという場合は、
損切りして現金を確保するのも手段です。
もちろん利確で現金を確保してもいいのですがあえて損切りと書きました ^^;
その理由はシンプルで、投資の鉄則の一つは「利益は長く、損失は短く」だからです。
利益が出る銘柄はでできるだけ長く持ってできるだけ大きく資産を増やしてほしい。損失が出る銘柄はできるだけ早く手放してできるだけ小さな損で終わらせたい。
言葉にすると当たり前ですが、多くの投資家が利益が出た銘柄を早く売り損失が出ている銘柄を持ち続けるようです。
これは「損失を確定させたくない」「早く利益を確定させて安心したい」という感情的な理由が大きいと思います。
なので「チャンスを掴む現金を用意するため」と割り切って損切りすれば、
もちろん現金は手に入るし、投資の鉄則も実践できるし、一石二鳥です ^^)
ということで今回は
下落をチャンスに変えるために信用取引を使わない方がいい2つの理由
・資金に余裕がある時に使うものだから
・基本的には短期投資で使うものだから
と、下落をチャンスに変えるために
・現金が無くならない投資戦略を取り入れる
・配当金を貯めておく
・鉄則に倣い損切りする
といったことを紹介しました。
日本でも米国株の信用取引がスタートしたのは投資家として嬉しいことです。
とはいえ、個人的に信用取引が活用できる人は少ないんじゃないかな、と思います。
仕組みの複雑さや金利などの手数料追証など通常の株投資には存在しないリスク…
少なくとも僕は、こんな不利な条件で投資したいと思いません ^^;
かなり長い内容になってしましたが、参考になれば幸いです。
P.Sセーフマネーレポートは・常にキャッシュポジションを用意し・高配当銘柄を資産の土台に置き・適切なタイミングで利確、損切りすることで相場の変動や新しいチャンスに柔軟に対応する投資戦略です。
また、7月に加わったある銘柄は「キャッシュの雨」と呼ばれるほど通常配当・特別配当を出しており次の配当の権利落日は9月14日です。
今ならまだこの特別配当が受け取る権利があるので、ぜひチェックしてみてください↓
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https://jp.surveymonkey.com/r/LPCBWNK
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