がんを検出する血液検査で上昇するヘルスケア銘柄
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- 2022年9月20日
- トピックス
研究者たちは、簡単な血液検査でがんを診断できるようになり、大きな進歩を遂げている。これはヘルスケアにおけるゲームチェンジャーであり、投資家にとっても大きなチャンスだ。
先日発表された新しい医学研究の結果によると、研究者は数種類の癌のスクリーニングに99.1%の効果を持つDNA血液検査を開発したという。
つまり、投資家はこのチャンスの波に乗るために、ガーダント・ヘルス(GH)の購入を検討すべきだろう。
かつて、血液検査でがんをスクリーニングすることは、SF世界の出来事だった。いわゆるリキッドバイオプシーが正確であれば、早期診断により何百万人もの命を救い、より良い資源配分により医療費を何十億も削減することが可能となる。
問題は常に正確さだ。 研究者たちは、がんがないのにがんが検出される「偽陽性」を懸念していた。
Pathfinder試験では、50歳以上の成人6621名にリキッドバイオプシーを実施した。その結果、6529名が陰性だった。0.9%に当たる92人の参加者が陽性と判定され、そのうちの38%が、後にがんであることが分かったという結果が、ClinicalTrials.govで発表された。
さらに重要なことは、リキッドバイオプシーが通常であれば生存率が悪い後期段階でしか発見されない卵巣がんや膵臓がんを発見したという点だ。これらのがんを早期に発見することで、最善の治療が可能になる。
ガーダント・ヘルスは、がんの簡単な血液検査を追求している数社のうちの1社だ。カリフォルニア州パロアルトに拠点を置く同社は、最先端のビッグデータ、機械学習、ゲノムシーケンス技術を駆使し、臨床医がより安価で効果的な手法でがんを診断できるよう支援している。
2019年には、注目の新規株式公開を完了した。投資銀行が公募価格を19ドルに引き上げた後も、初取引の日に株価は70%も上昇した。
2019年は成長企業にとってより有利な投資環境となったが、ガーダントは特殊なケースであった。IPO前には7回の資金調達を行い、ソフトバンク、セコイア・キャピタル、ティー・ロウ・プライス、コスラ・ベンチャーズ、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズなどのベンチャーキャピタル大手から5億5千万ドルを調達している。これらの投資家たちは、ガーダントが約束する革新的なヘルスケアの今後を見たのだ。
実際、ヘルミー・エルトゥーヒーCEOは、最終的には、腫瘍医が患者のすべてのゲノム情報を、投与が容易な1回の血液検査で確認できるようにするリキッドバイオプシーを約束した。
この検査では、腫瘍の一部を採取して分析する必要があるため、高価でリスクを伴う。
2018年のCNBCのインタビューで、エルトゥーヒー氏は、典型的な肺がん生検は1万4000ドルで、合併症率は19%だと述べた。 ガーダントの検査では、わずかティ―スプ―ン2杯の血液で、同じ情報を得ることができる。
低コストで手軽なため、頻繁に検査を行い、投薬や治療によって腫瘍がどのように変異しているかを追跡することが可能だ。
ガーダントの秘密は、DNAの塩基配列を決定するプロセスに、デジタル通信アルゴリズムを応用したことだ。組織生検では腫瘍だけを見るのに対して、この方法ではゲノム全体を見ることができる。
また、この科学はすべての癌に有効であることを意味する。さらに、エルトゥーヒー氏は、機械学習とビッグデータ解析の組み合わせにより、1000倍から1万倍のエラー率低減につながると述べている。
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1月に発表された投資家向けプレゼンテーションによると、ガーダントの関係者は、このような驚愕の展開によって800億ドルの市場が開かれると考えている。
過去のガーダント株は高値で推移しており、2021年には180ドルにまで株価が高騰した。しかし、金利の上昇と成長株に対する投資家の警戒感から、4月には30ドルを割り込み、株価は低迷した。その後、株価は2倍となり、これからが本番と言えそうだ。
まだ研究すべきことはあるが、Pathfinderの研究はリキッドバイオプシーの科学を実証するものだ。 これは、ほとんどの投資家が想像もつかないような新しいビジネスモデルにつながるだろう。医療費削減と救命のために、検査が一般的となると見られる。
ガーダントの株式は現在、時価総額59億ドルで、PSRは14.5倍となっている。2021年の売上高は3億7000万ドルを記録しており、現在は利益を出していない。
長期投資家は、200日移動平均線である62.40ドルを超えて上昇した後に、株式の購入を検討するとよいだろう。いつものように、ご自身でデューデリジェンスを行うことを忘れないでいただきたい。
健闘を祈る。
ジョン・D・マークマン
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