エネルギー株、次の強気相場
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- 2022年12月19日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanです。
2022年、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、3ヶ月ほどの間におよそ2倍に急騰した原油価格。
しかし、その後の増産や制裁の実効性、景気後退懸念などからズルズルと下落。年初の価格にまで戻ってきました。
一方、原油株ETFのVDEは年初来で50%程度のプラスで推移。上下はあるものの、高値付近をキープしています。
2022年はあらゆるセクターが下落した中、唯一上昇しているのがエネルギーセクター。
2022年はエネルギー株に投資していたかどうかで投資成績が大きく左右されたとおと思いますが、この上昇は2023年も続くのでしょうか?
それとも来年は新しいトレンドが生まれるのでしょうか?
今回は資源株投資のスペシャリスト、ショーン・ブロドリック氏の最新記事をお届けします。
2021年、2022年に最も成績が良かったセクターは「エネルギー」だった。そのため、ウォールストリートの多くの人間は、このセクターの強気相場は終わり、2023年にはアンダーパフォームに転じると考えている。
そして案の定、悪いニュースを予期していたのか、原油は2022年初頭のピークから40%以上下落した。その急落に引きずられるように、エネルギー株も軒並み下落した。
だが、落胆してはいけない。最近の弱気な見通しにもかかわらず、このセクターは来年も素晴らしい年になると思われる。そして、次の上昇局面で非常に良い成績を上げる可能性のあるETFをご紹介したい。
来年も素晴らしい年になると考える理由のひとつは、中国がゼロコロナ政策で長い間行っていたロックダウンを緩和することだ。罹患する人が増える一方で、ロックダウンは経済活動を窒息させてきた。
中国が再び鎖国状態に入らない限り、中国経済は活性化し、それに伴って中国の石油需要も増加するだろう。
また、米国の戦略石油備蓄は2022年を通してなんと1億8000万バレルも売られた。次のチャートを見てみよう。
これらの原油の販売は、価格を押し下げた。しかし今、SPRは売り手から買い手へと変わろうとしている。
バイデン大統領政権は10月、エネルギー省(DOE)が、1984年のレーガン政権以来最低の水準にあるSPRを補充するために、1バレルあたり67ドルから72ドルの範囲で固定価格で石油を購入する可能性がある計画の概要を発表した。
12月初旬、バイデン大統領のエネルギー安全保障アドバイザーであるエイモス・ホックスタイン氏は、DOEは、原油価格が70ドル前後で「一貫して」取引されている際に、買い付けるだろうと付け加えた。
原油価格には色々あるが、一貫性はない。それでも、これだけ価格が安く、DOEが高値で売った量以上の原油を買うことができることを考えると、米政府は買わなければと感じるだろう。
また、需要が落ち込むという悲観的な警告も実現しなかった。実際、国際エネルギー機関(IEA)は最近、2022年の石油需要の伸び率予測を日量14万バレル引き上げ、230万バレルとした。
2023年については、IEAは再び需要の伸び率予測を日量10万バレル引き上げ、170万バレルとしている。
消費者物価指数によって予測されるインフレの緩和など、石油に強気になる理由は多くある。FRBが利上げに積極的でなくなれば、景気の悪化による影響が緩和され、石油需要も増加する可能性がある。
しかし、結局のところ、ファンダメンタルズはあまり変わっておらず、石油も石油・ガス株もこのところ大きく売られている。つまり、買い場なのだ。
2023年の原油の波にどう乗るか
原油の次の強気相場への分散投資のために検討したいETFの1つは、バンガード・エネルギー・インデックスETF(VDE)だ。エネルギー価格の下落にもかかわらず、すでに20%も上昇している。
このファンドは、エネルギー・セクターの銘柄のパフォーマンスを反映しており、石油、天然ガス、石炭の探鉱・生産に携わる企業を保有している。
VDEの組み入れ上位3銘柄は、エクソン・モービル(XOM)、シェブロン(CVX)、コノコフィリップス(COP)だ。ファンドの運用資産110億ドルの約46%を占めている。
VDEの経費率は0.10%とわずかな一方で、直近の配当利回りは3.1%となっている。一日の平均出来高は約81万8000株。
VDEの週足チャートを見ると、原油の下落にもかかわらず、かなりの強さを見せていることがわかる。
中国が金融引き締めを緩和し、FRBがアクセルから足を離したことで、石油需要は底堅く推移すると思われる。このETFは、原油価格の回復に伴い、引き続き市場全体をアウトパフォームするだろう。
私は、VDEが9月に1株あたり100ドルのサポートラインで反発すると予想したが、その波に乗って年初来高値を更新した。その後、原油価格が下落したため調整されましたが、目先の抵抗線を再び試せば可能性は無限だ。
ポジションを取る前に、必ず自分自身でデューデリジェンスを行う必要があるが、価格が下がっているうちにエネルギーを蓄える絶好の機会かもしれない。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。