値幅を縮小させているプラチナ
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- 2023年1月4日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanです。
「三角保ち合い」という言葉をご存じでしょうか?
チャートの値幅が三角形の形に狭まっていき三角形の頂点付近で上昇・下落に大きく動く傾向のことを言います。
有名なチャートパターンなのでご存知の方も多いかもしれません。発見できれば高確率で勝てる美味しいシグナルだという人もいます。
そんな「三角保ち合い」が最近ある貴金属に対して発生しました。
今回はWeiss Ratingsに所属する資源株投資のスペシャリスト、ショーン・ブロドリック氏が発見した2023年最初の投資チャンスをお届けします。
プラチナは、間違いなく大きな動きに向かっているように見える。私はそれが、上方へのブレイクアウトだと考えている。
今回は、その理由と、どのように行動すべきかを説明したい。
まず、プラチナの週足チャートから見てみよう。
ロシアがウクライナに侵攻した2月にプラチナが急騰しているのがわかる。それは、世界のプラチナ採掘量の11%をロシアが占めているからだ。
しかし、すぐに急落した。
その後、ロンドン金属取引所がロシア産プラチナの取引を停止すると、プラチナは再び持ち直した。その後、再び売られ、強気派は徹底的に嫌気された。当然だろう。
しかし、9月以降、プラチナはより高いギアにシフトし始めた。最初の急上昇後、調節し、三角もちあいのようなパターンを形成し、値幅を縮小している。
ウォール・ストリートには、「フラッグは半旗の位置ではばたく(訳注:直近のトレンドを再び継続させ、そのトレンドと同じ値幅分伸びる可能性を秘めていること)」という古い格言がある。 この三角もちあいがうまく機能すれば、最初の上値目標は1,352ドルとなる。35%ほどの上昇だ。素晴らしい。
年明けの強気要因
何がその動きを後押しするのか?
11月に発表された世界プラチナ投資委員会の2023年予測によると、世界の需要が19%増加するのに対し、供給は2%の増加であるため、市場は2年間の大幅な黒字から赤字に転じるという。
来年の需要を後押しするのは、全体の34%を占める産業用需要で、来年は10%増加すると予測されている。
また、プラチナは自動車触媒としての需要もあり、全体の38%を占めている。これは、今年12%、来年11%の成長が見込まれている。第3四半期には需要が25%も急増した。
バーやコインの形で投資対象としてのプラチナの需要もある。来年は49%増加し、3年ぶりの高水準に達すると予測されている。
中国はちょっとしたワイルドカードであり、同国ではプラチナの需要が急増している。
生産面では、世界のプラチナの70%を生産する南アフリカが送電網の問題でもたついている。その古い鉱山のメンテナンスも問題だ。その結果、2023年には南アフリカのプラチナ採掘にさらなる混乱が生じるだろう。
上記を総合すると、2023年にプラチナが上方にブレイクアウトすると予想されるだけでなく、1,352ドルは単に価格上昇の道しるべに過ぎないかもしれない。
どのように行動するべきか。
現物としてプラチナを購入することもおすすめだ。
だが、アバディーン・フィジカル・プラチナ・シェアーズETF(PPLT)のように、プラチナ現物を所有するファンドを購入することも可能だ。純資産の100%をプラチナ地金で保有し、経費率は0.6%、流動性もかなり高いため、簡単に売買ができる。このファンドは、ロンドンとチューリッヒにある安全な金庫に保管されているプラチナ現物によって成り立っている。
PPLTとS&P500の過去3ヶ月のパフォーマンスを比較した日足チャートを見てみよう。
この3ヶ月で、S&P500は下げている一方、PPLTは高値からは下げたものの、約7%の上昇と好調な動きを見せている。2023年、このファンドは更に上昇するだろう。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
ブロドリック氏が分析したプラチナの三角保ち合いですが、昨年末に上にブレイクアウトし大きく上昇し始めています。
※ブレイクアウト=テクニカル的なラインを超えて動くこと
この波に乗るのはもう遅いでしょうか?
いえ、ブロドリック氏が分析したブレイク後の最初の目標価格は1,352ドル。現在の価格から24%も上昇の余地があります。
テクニカル面だけでなく需要などのファンダメンタル的な要因もあるため、このまま高値に向かって上昇を続けるかもしれません。
短期・中期・長期それぞれの目線で判断は変わると思いますが、ぜひ2023年最初の投資チャンスを掴んでみてください。
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。