次の上昇局面に向けて準備する暗号資産
- 1080 Views
- 2023年2月14日
- トピックス
ビットコイン(BTC、格付け「A-」)をはじめとする暗号資産は、年初からの猛烈な上昇を経て、ようやく下落局面を迎えている。
市場は、サイクルが終わりに近づいているという楽観的な見方にもかかわらず、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げへの動きに反応し続けている。
今のところ、ビットコインは2万1,000ドルのサポートより上で推移しているが、調整が続けば、さらに下落する可能性がある。
ビットコインが勢いを失って21日移動平均線を割り込んだことは驚きではなく、相場が一進一退する中、大きな展開にはなっていない。
ビットコインの暗号資産(仮想通貨)市場支配率は、1月初めから43%前後で推移している。この1年間はほぼ39%から48%の間で推移しているが、次の上昇局面が始まると上昇する可能性がある。
一般的に、初期段階ではビットコインや他の大規模な暗号資産に資金が流れ、最終的には中規模や小規模の暗号資産へ流入する。価格変動が激しくなると、投資家は通常、中小規模コインでのアウトパフォームを狙う。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのBTCの推移率である。
一方、イーサリアム(ETH、格付け「B」)は、1,500ドル以上を維持しようとする中、現在はやや下げて取引されている。先週は下落したが、年初来では27%の上昇を記録している。
イーサリアムは11月にFTX破綻前の取引水準を持続的に突破することはできなかったが、弱気市場の安値である880ドルを大きく上回っている。この下落は、時価総額第2位の暗号資産を引き下げ続ける可能性があるが、安値更新の危険はないだろう。
ビットコインと同様に、イーサリアムも21日移動平均の約1,615ドルを割り込んだ。このまま下げに向かうと他のアルトコインも下がる可能性が高い。
それでも、手数料の削減と拡張性の向上に役立つネットワークのアップグレードを展開することで、投資家は今年、多くが期待できるだろう。
以下の図がコインベース(COIN)上でのドル建てのETHの推移率である。
今後の推測
暗号資産(仮想通貨)市場は、決定的な上昇の動きを見せてきたため、下落は予想できた。価格が一直線に上昇することはなく、暗号資産の歴史的リターンと潜在的リターンを考慮すると、ボラティリティは避けられない。
FRBの金利政策をめぐる期待が変化する中、暗号資産も反応するだろう。インフレ率の低下が続けば、中央銀行が政策の方向転換させて物価を上昇させようとする可能性がある。
これだけ労働市場が好調であれば当然ではあるものの、投資家が大きな景気後退のないソフトランディングを期待する中、景気は底堅く推移しているように見受けられる。
どちらにせよ、より多くの個人、機関、政府が暗号資産へのアクセスを求め、暗号資産のファンダメンタルズは改善され続けている。マクロ環境は今のところ不透明だが、暗号資産は次の大きな流れに向けた舞台を整え続けている。
健闘を祈る。
サム
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。