メタの大幅なAI強化
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- 2023年3月14日
- トピックス
AIが大きなブームになり、どんどん成長しています。
小売企業では在庫管理や品質管理に使われていたり、最近ではイラストを描いたり、分析をしたり様々な用途で使われていますよね。
AIをうまく活用して 株価を大幅上昇させた企業もあります
しかしAI活用はまだ始まったばかり。 今のうちにAIを上手く利用した企業の銘柄をポートフォリオに加えることは懸命な選択になりそうです。では、このAIブームで投資すべき銘柄は何か。
今回はWeiss Ratingsシニアアナリスト、ジョン・マークマン氏による「メタの大幅なAI強化」の分析をお届けします。
各企業は、古いビジネスモデルを破壊するためにAIを利用する新しい方法を常に見つけ出している。あなたの身近な企業も、AIを最大限に活かしているだろう。
英国の有力経済紙である、フィナンシャル・タイムズは先日、メタ・プラットフォームズ(META)がユーザーの追跡データ問題を回避するためにAIを使用していると報じた。この変化はメタの株主にとって数十億ドルもの価値がある。
投資家は、メタの株を弱気局面で買うべきだろう。
この2年間は、メタの経営陣にとって大変なものだった。2021年のアップル(AAPL)のプライバシー変更により、同社のデバイスにおけるアプリ等や広告等でユーザーの行動を追跡する、トラッキング行為が事実上削除されてしまった。
iPhoneやiPadのモバイルOSであるiOS 14.5では、メタがこの重要な個人情報を収集するためには、ユーザーにオプトイン(明示的な許諾)してもらう以外になかった。ユーザーには、プライバシー、個人情報、トラッキングに関する恐怖感を煽る免責事項が提示された。
Flurry Analyticsの調査によるとこの変更が行われた当時のユーザーのうち、データを進んで開示することを選んだのはわずか2%だったというのは、驚きではない。
CNBCの報道によると、2022年2月、メタの経営陣は、iOSの変更により、100億ドルの広告売上が失われると警告した。ステークホルダーにとっては、最終的に3000億ドルの株主価値の喪失、雇用、企業史上初の売上減少につながる大混乱となった。
そこでメタは、AIを使って複数のさまざまな広告を自動作成し、その有効性に動的にアクセスし、さらに最もパフォーマンスのよいものを配信するカタログ広告「Advantage+」に頼ることになった。広告をパーソナライズし、キャンペーンをより効果的にするためのオールインワン・ツールだ。
ツールの効果は数字が証明している。
フィナンシャル・タイムズによると、Advantage+の顧客は、ウェブサイトのコマーシャルキャンペーンに費やした1ドルに対して、およそ7ドルのリターンを得ており、iOS 14.5以前の変化と同等のレベルであったという。
しかし、広告主にとっては、いくつかの注意点がある。
広告バイヤーにとってAdvantage+の大きな魅力は、コスト削減だ。従来のデジタル広告キャンペーンでは、スプリットテスト(2つのバージョンのマーケティング資産を比較し、パフォーマンスの違いを測定するプロセス)と広告クリエイターによる微調整が頻繁に行われていた。この作業は時間とコストがかかるため、効果の低いキャンペーンになってしまうことがある。Advantage+は、このプロセスの大部分を自動化するが、同時にクリエイターからメタにコントロールを委ねることになる。
投資家はこのような懸念から目をそらす必要がある。 AIは世界を席巻し、消費者はその革新性に魅了されている。その過程には興味がない。
OpenAIは、グーグルがAI研究で大きくリードしていた差を縮めるために、2015年にサム・アルトマン氏、イーロン・マスク氏 らによって設立された。マスク氏は、人とコンピュータの関わり方など、AIの未来を切り開くためには競争が必要だと考えていた。
これまでのOpenAIのプロジェクトで最も注目されているのが、AIチャットボットの「ChatGPT」だ。このソフトウェアは、大規模な言語モデルのデータを常に改良することで、ユーザーの問い合わせに対してリアルな会話形式の応答を生成する。ChatGPTの目標は、人間とデータの関わり方を再構築し、インターネット検索エンジンを再考することだ。驚異的な成長を見せている。
ChatGPTは、1月に発売からわずか2ヶ月で月間アクティブユーザー数が1億人に達するなど急成長した。Digital Adoptionは、過去20年間のテクノロジー・プロジェクトの中で最速の立ち上がりであると言われている。インスタグラムはこのマイルストーンを達成するのに36ヶ月、TikTokは9ヶ月を要した。
Advantage+も急成長しそうだ。
このプロジェクトは、それぞれ29億人、12億人のユーザーからなるデータベースを持つフェイスブックとインスタグラムで展開されている。これらのユーザーには、いずれパーソナライズされたデジタル広告が表示され、広告バイヤーはより良いターゲティングの恩恵を受けることができる。
メタは、既存のデジタル広告ビジネスをAIで破壊している。
たとえ当初の予定よりも複雑なプロセスであったとしても、これが成功した企業の本質だ。
アップルは2021年、カリフォルニア州クパチーノに本社を置くiPhoneメーカーが、顧客のインターネット履歴へのアクセスを遮断したことで、メタを大きなダメージを与えた。しかしその後、アップルはデジタル広告事業を拡大させることになり、初期設定でのトラッキングをオンにした。当然のことながら、そのビジネスは急成長を遂げた。
Advantage+はその成長を遅らせるだろう。そして、AIソフトウェアによって、メタは再び成長を始めるだろう。
現在メタの株価は174.94ドルで、PERの15倍、PSRの3.9倍となっている。株価は過去の水準からすると割安であり、今後12ヶ月の間に、現在の水準から31.4%の上昇となる230ドルまで取引される可能性がある。
健闘を祈る。
ジョン・D・マークマン
メタの株価は年初来から、すでに45%上昇しています。
またメタの報告書によればAdvantage+ を上手く活用している広告主は、広告費用対効果が 32% 向上していることもわかりました。株価の上昇要因の一つかもしれません。
このAIツールが成長すれば、さらに株価が上がりそうです。マークマンの言う通り、割安時や弱気局面を狙い投資すれば、大きなリターンが期待できる可能性があります。
AIを上手く活用している企業は、今後も注目していくべき銘柄になりそうです。
そして、AIを活用しているのはハイテク企業だけではありません。
伝統的な農業などの第一次産業の業界でも、AI活用が急速に進んでいます。
月刊Weiss Ratingsの2月号で、Weiss Ratingsのアナリストが
「今月1銘柄にしか投資しないなら、この銘柄を選ぶ」
と評価したBest 1 Stockも、飲料・食品という伝統的な業界で、すでにAI活用を成功させている企業の一つ。
創業120年以上続く老舗企業でありつつ、ある食品部門でシェアが世界で1位になったことなどから
この企業は人々の生活からなくなることは考えにくい製品を提供するという圧倒的安定感と
AI活用というイノベーションによる急成長の両方が狙える投資先だと我々は考えています。
もしあなたがローリスクでAIブームの波に乗りたいなら、この企業がBestな選択肢になるかもしれません。
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2月のベスト1ストック
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