SVBの破綻によって、上昇する金
- 1334 Views
- 2023年3月22日
- トピックス
3月10日、シリコンバレー銀行(SVB)が破綻しました。
この報道を受けて
2023年には後3回ほど利上げが行われる予想が多かったのに対し
SVB破綻直後、2023年の金利予想は利下げがメインと予想されました。
これほど急激に見通しが変わった理由は、
景気後退のリスクが想像以上に大きいことを示唆しています。
年初にはノーランディング(景気後退せずにインフレが落ち着く)という見通しまであったのに、
今ではハードランディング(深刻な景気後退)の懸念が高まっています
今、インフレがまだ歴史的な高水準にあるにも関わらず、
銀行破綻などによって景気後退リスクも高まっている、、
そんな中、急上昇する資源があります。
今回はWeiss Ratingsのアナリスト、ショーン・ブロドリック氏の分析をお届けします。
(この記事はFOMCで0.25%の利上げが確定する前にアメリカで公開されたものです。利上げ見通しとそこから利益を狙う方法について価値ある内容と判断したため、公開時の内容でお届けしています。)
最近の市場は、なんという激変ぶりだろうか。
つい最近まで、約60%の債券トレーダーが、FRBが次回3月21-22日の会合で基準金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げることに賭けていた。
現在、この賭けは逆転し、市場の大半が25ベーシスポイントの引き上げに賭けている。 中には利下げという声も見られる!
銀行セクターの危機は悪化の一途をたどるという予想で一致している。だが、強気な市場は常にあり、この銀行危機は代替資産に火をつけている。先日、暗号資産(仮想通貨)市場の大きな動きでそれを目の当たりにしたが、それは金の強気相場の次の上昇局面を後押しするものでもある。
現在、金を上昇させている3つの要因について見てみよう。
銀行危機は終わっていない
カリフォルニアのハイテク企業のお気に入りであるSVBフィナンシャルとシグネチャーバンクが、預金者離れによって破綻した。これは、暗号資産トレーダーを対象としていたシルバーゲート銀行(シルバーゲート・キャピタル(SI)傘下)の崩壊に続くものだ。
何が起こったのだろうか?2008年の金融危機の後、米議会はドッド・フランク法(金融取引の規制を強化し、金融機関の肥大化を防止するための法)を通じて金融システムにルールを課した。た。これは、危機の再発を防ぐため、銀行融資の制限を打ち出したものだ。
しかし2018年、資産額2500億ドル以下の銀行はドッド・フランク法の対象外となった。最近では、SVBフィナンシャルやシグネチャーバンクなどが、多くが驚くほど悪い賭けを行った結果、大口預金者が退避し、取付騒動が始まった。
FRBは銀行の預金保証に迅速に動き、それが当面の危機を食い止めたかもしれないが、しかし、もっと多くの銀行が後に控えているかもしれない。
例えば、メトロポリタン・バンク・ホールディング(MCB)、カスタマーズ・バンコープ(CUBI)、キーコープ(KEY)、ファースト・リパブリック・バンク(FRC)、UMBファイナンシャル(UMBF)、ザイオンズ・バンコープ(ZION)、ウェスタン・アライアンス・バンコーポレーション(WAL)、パックウエスト・バンコープ(PACW)、コメリカ(CMA)といった地方銀行だ。
最近までFRBの監視を逃れていた地方銀行が17行もある。これらの銀行は、銀行危機が再燃した先週月曜日、いずれも大きく売られた。その後、FRBの預金者救済策が功を奏したようで、同じ銀行株が火曜日に反発した。
問題は、一切解決していない。預金者は、破綻した銀行と同じ問題に直面しているかもしれないと考え、これらの中小銀行から逃げ出したままだ。
この銀行危機は、金が安全な避難先であることから、金を後押ししている。だが、もう一つ理由がある。
難しくなるFRBの利上げ
1週間のうちに、FRBの利上げに対するウォールストリートの賭けが大きく変化した。 ゴールドマン・サックス(GS)は、利上げが全く行われないと予想している。グローバル金融サービスグループの野村證券(NMR)は、FRBが3月21-22日の会合で利下げを行うという大胆な予想を行った。これは先々週までは一切可能性がないと思われていたことだ。
FRBが会合で利上げしたとしても、利上げを継続する意義を失いつつある。それは、FRBの利上げが、そもそも銀行危機を煽った一因だからだ。
現在、FRBのベンチマークは4.5%から4.75%の範囲にあり、1年前のゼロ付近から上昇している。比較的短時間での大きな動きだ。
これは、2つの意味で銀行を苦しめた。銀行が保有する長期の国債の価値を下げ、銀行の顧客である、生き残るために安い資金を必要とする無収益なハイテク企業などの借入コストを引き上げた。
よって、今度は以前の予想よりも利上げ回数が減ることになる。そして、市場は予想ゲームであるため、これは米ドルのサポートを減らしている。
ドルで取引されているものには何があるか?金と銀だ。ドルが下落するにつれ、貴金属は次の強気相場への足がかりを見つけるだろう。
そして、
金はすでにサイクル的な強気相場に入っている
チャートを見てみよう。金はすでにサイクル的な強気相場に入っている。
金が上昇トレンドからすぐに反発したことがわかる。最も可能性があるのは、来年中に2931ドルを目指して上昇することだ。この銀行危機は、すでに起こっていた金の上昇の動きに拍車をかけた。
どのように行動するべきか。
SPDRゴールド・シェア(GLD)で追跡される金、ヴァンエック・ゴールド・マイナーETF(GDX)で追跡される金鉱業株、そしてS&P500の過去2週間の値動きを見てみよう。
銀行危機のニュースが流れると、金が急騰し始めたことがわかる。しかし、本当にアウトパフォームしているのは金鉱業株の方だ。それは鉱業株が原資である金にレバレッジをかけているからだ。
価格が上がれば上がるほど、彼らの利幅はどんどん大きくなっていく。一方、S&P500は圧迫されている。
多くの人が金融システムを懸念する中、他に良い投資先がある。例えば、ビットコイン(BTC)は桁外れの利益を積み上げている。そして、ドル安がビットコインをさらに後押しすることになりそうだ。
米国がこの銀行危機を乗り越える間、逃げ隠れをせず、チャンスつかむ勇気のある人には、素晴らしい投資先がある。金は輝いており、金鉱業株はさらに輝くだろう。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
3/22に開催されたFOMCでは0.25%ポイントの利上げが決定されました。
ブロドリックの分析の通りFOMCでは、銀行危機の懸念により、
利上げが難しくなるとも示唆されています。
逃げ隠れをせず、チャンスつかむ勇気のある人には、
金が素晴らしい投資先になるという分析も
その通りになりそうですね。
ぜひ、この混乱の時期に訪れた投資チャンスを掴んでみてください。
ただ、もしあなたが
・金以上のリターンを狙っていきたい
・このような混乱を気にせず長期投資したい
と思うのならば
月刊Weiss Ratings2月号のベストワンストックとして選ばれた
AIお菓子メーカーがおすすめかもしれません。
この企業は、リーマンショックや昨年のインフレ時など、様々な不況下でも
GAFAMやS&P500などの銘柄よりも総合的にダメージが少なく
AI活用というイノベーションによる急成長の両方が狙える投資先だと我々は考えています。
またこの企業は最新の決算で2022年数々の企業が落ち込む中、利益が2桁という素晴らしい数字を発表しましたが、
SBV破綻などのマーケットの混乱もあり、決算発表後の株価はほとんど横ばい。
横ばいの間に仕込んでおけば、今後大きいリターンが狙える可能性があると我々は考えています。
↓
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。