アマゾン株、買い推奨に復活か!?
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- 2023年5月9日
- トピックス
勢いがどんどん増すAI市場。
AIの市場規模はたった7年で8.8倍にもなるという予測をデータ会社のstatistaが公開しています。
データが示す通り、各社AIの開発に勤しんでおり、今後、企業がどんなAIを扱っているのかが、投資を行う上で大きな指標になるかもしれません。
そんな中、アマゾンも新しくAI商品を発表しました。
生成AIの開発に特化したクラウドサービスやその他にも様々なAI商品を展開しています。
Microsoftが発表したBingや
GoogleのBardなどのAI製品の陰に隠れ
AI関連であまり目立たず、Weiss Ratingsの格付けでも
Dランクと低い評価のアマゾンですが、
Weiss Ratingsのシニアアナリスト、ジョン・マークマンは
アマゾンのAI事業を分析することで「買い」と評価しました。
MicrosoftやGoogleなど
AIに強い企業は他にも沢山ある中で
なぜ今、アマゾンに注目すべきなのか。
今回はジョン・マークマン氏の分析をお届けします。
アマゾン・ドット・コム(AMZN)の株主にとっては悲惨な2年間だったが、この状況をAIがすべてを変えようとしている。
先週、CEOのアンディ・ジャッシーは株主へのレターの中で、アマゾン・ドット・コムにAIを注入する計画を打ち出した。また、コアのビジネス・モデルに戻る戦略でもある。
そしてそれは、投資家は今すぐアマゾン・ドット・コムを買うべきだということを意味する。
説明していこう。
アマゾン・ドット・コムの共同創設者、取締役会長である
ジェフ・ベゾスは1994年、シアトル郊外にアマゾン・ドット・コムを創業した。ベゾスは当時、インターネットが次世代の商業の基盤であることを理解していた。そこで、拡張性のあるオンラインストアを丁寧に作り込んでいった。
将来の成長に対応するため、2002年にはコンピュータ処理、ストレージ、ソフトウェア・サービスに多額の投資を開始した。そのサポート事業がアマゾン・ウェブ・サービス(以下AWS)となった。
それから30年、AWSは世界最大のクラウド・サービス企業となった。世界的な大企業のほとんどのデジタル・ホームとして活躍している。2020年のホワイトペーパー(技術情報記事)によると、フォーチュン100社の90%以上が同社のAWSパートナー・ソリューションを利用している。
AWSの年換算収益ランレートは850億ドルという驚異的な数字で、毎年29%の成長率を誇っている。ベゾスはアマゾン・ドット・コムを補強するためにAWSを始めたが、このビジネスはエンタープライズ業界のデジタル変革の基礎となった。
それらの企業は再び、今度はAIによって変貌を遂げようとしている。物理的なものがデジタルになったとき、ソフトウェアが世界を食ったというのは有名な話だが・・・。
今度はAIがソフトウェアを食い荒らす
AIとは、ソフトウェア・コードを知的に生成することができる特殊なコンピュータの科学である。AIが組み込まれたソフトウェアは、物質科学や生物科学の進歩という形をとるかもしれないし、世界を席巻したクールなチャットボット「ChatGPT」の次世代版かもしれない。 AIは、1万曲をiPodに入れることよりもずっと大きな存在だ。
しかし、そこに至るには、AIを民主化する必要がある。大規模な言語モデルを解析するのは、現状では非常にコストがかかる。OpenAIの共同創業者であるサム・アルトマンは、12月に「ChatGPTのデータコストだけでも目が飛び出るほどだ」とツイートしている。
これは、ジャッシーにとって大きなチャンスだ。そして、彼には勝利が必要なのだ、非常に。
AWSの開発で重要な役割を果たしたジャッシーだが、アマゾン・ドット・コムのチーフの地位でつまずいている。フルフィルメントセンターの設置面積を倍増させるという大失敗案件の取りまとめをしていたのだ。そして、2022年の従業員数は、2019年の79万8000人から154万1000人へと急増した。パンデミック(世界的大流行)時には、このような戦略もありだと思われたが、その後1万人以上の人員削減を行ったのだから、無責任としか言いようがない。
そのため、この失敗を補うためにも、AIのチャンスを逃すわけにはいかなかった。
そんなジャッシーは先週の株主への年次レターの中で、AIがアマゾン・ドット・コムの最適化に大きな役割を果たすと書き記した。
アマゾン・ドット・コムにとって歓迎すべきニュース
ベゾスの脚本の1ページでもあるが、アマゾン・ドット・コムのための基盤サービスを構築し、余剰キャパシティを他の企業に販売する。
アマゾン・ドット・コムの再生は、大規模な言語モデル、そしてAWSでの生成的なAIプロジェクトから始まるだろう。
Amazon Bedrockは、パートナーであるAI21 Labs、Anthropic、Stability AIからテキストや画像のLLMを提供する新しいサービスだ。Titan Foundationは、AWSの自社開発による2つのLLMで構成されている。そして、CodeWhispererは、開発者を支援するAI支援ツールである。これらを合わせると、AIの戦略を積極的に押し進めることになる。
ただ、アマゾン・ドット・コムは信頼できるAIプレーヤーとしては見られず、投資家からほとんど無視されてきた。AWSのクラウドコンピューティング市場シェアはかなりのものだが、マイクロソフト(MSFT)、さらにはアルファベット(GOOGL)は、それぞれOpenAIやDeepMindとの連携でより多くのAI称賛の声を集めている。
しかし、アマゾン・ドット・コムの株主へのレターや、コスト削減やAIへの投資について金融新聞でリークされたいくつかの話は、大きな変化が起こることを強く示唆するものだ。
本稿執筆時点の株価は102.51ドルである。アマゾン・ドット・コムの株価は、将来利益40.9倍、売上高2倍で取引されている。さらに重要なのは、株価チャートが大きな丸みを帯びたベースパターンを構築しており、98.30ドルの50日移動平均線が目先のサポートとして機能していることだ。
アマゾン・ドット・コムの3年価格チャート
トレーダーは、目先の目標を114ドルに設定し、9月のギャップを埋める133.70ドルを第二の指標とすることができる。 後者の水準まで上昇すれば、現在の水準から30.4%の上昇を意味する。
取引に参加する前に、いつも通り、ご自身のデューデリジェンスをお忘れなく。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
P.S
アマゾンは4月27日に2023年1〜3月期決算を発表。
売上高は前年比9%増の1,274億ドル、営業利益は30%増の48億ドルで市場予想を上回る、良い決算発表となりました。
冒頭で話したような、AIを搭載したソフトウェアの開発やコストの削減等にアマゾンは注力しており、
第二四半期以降も市場予想を上回る
良い決算を迎える可能性もあります。
その場合、株価は現在(2023/05/08)約105ドルですが、
マークマンが分析した通り114ドルまで上昇した後、
約30%以上の133.70ドルまでの上昇も考えられます。
先行きが不透明な今
30%以上も上昇可能性があるので
今後注目の銘柄になりそうですね。
とはいえ、
景気後退が今後予想されている中でハイテク株などの企業に投資するよりもあなたがしっかりした土台の元で投資したいと考えるのであれば
AIお菓子メーカーへの投資がおすすめです。
この企業は生活必需品セクターに分類されるため、
景気動向に左右されにくいという特徴があります。
「AIブームに乗るディフェンシブ銘柄」と呼べる、そんな企業です。
ハイテク株のGAFAMや
安定株のP&GやS&P500などに比べても
景気動向によるダメージが少ない傾向があるのも
この企業の強みです。
また、AIへの投資も積極的に行っており
広告や、商品の作成など様々な業務にAIを取り入れています。
今後のAIブームにもしっかり乗りながら
景気動向にも比較的安心できるので
この企業に投資すれば、例え景気後退が来ても
きっと安心して眠れるような心強い銘柄になりうると
我々は考えています。
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。