GAFAMへの規制から利益を得る
- 1207 Views
- 2023年10月10日
- トピックス
2023年9月6日、EUでは新たにデジタル市場法(DMA)施行されました。
GAFAMを始めとするプラットフォームが持つ支配力を弱めることが狙いだそうです。
GAFAMのような巨大プラットフォーマーにさまざまな規制を設け、
もし違反した場合は全売上の最大10%もの罰金を課す…というもの。
巨大プラットフォーマー等はこの規制に対応しないといけませんし、もし全売上の10%もの罰金を課されたら、大ダメージです。
アマゾンの純利益率は、最新の決算で5%ほどです。つまり、もしこの罰金を課されたら、全ての利益が吹き飛んで赤字になってしまう…
それほど厳しい罰金なんです。
これはかなり大きな負担となるので、プラットフォームを持つビックテック各社は、対策しないといけませんね。
しかし、
Weiss Ratings Japanのシニアアナリスト、ジョン・マークマン氏はこの法律によって、GAFAMといったビックテックにはむしろ利益があると言っています。
なぜ、GAFAMといったプラットフォームを規制するこのデジタル市場法が利益となるのでしょうか。
その理由は続きをご覧ください。
規制当局がビッグテックに迫っている。しかし当局の思惑通りとはいかないだろう。これは投資家が知るべきことだ。
9月7日、欧州の規制当局は、6社の技術ゲートキーパーによる反競争的行為を抑制するための枠組みであるデジタル市場法(DMA)の利点を説明した。
ここでいうゲートキーパーとは、EU内で大規模に事業を行っており、影響力も大きいIT企業のことだ。
DMAは、ビッグ・テックのプラットフォームに実際には利益をもたらす。
規制当局は、アップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォーム(META)、ティック・トック、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)といった巨大テック・プラットフォームが台頭してきていると感じている。
これらのゲートキーパーは、私たちが接続を維持するための機器、私たちが見つけるオンラインコンテンツ、さらにはどのような製品が購入可能であるかについてのルールを設定する。
そのルールに適さない者は、実質的にビジネスができなくなってしまう可能性もあるのだ。
だから、欧州の規制当局は、大規模なプラットフォームを抑制しようと躍起になっている。
DMAは、ゲートキーパーが個々のユーザーについて収集したデータを収益化することを禁止することで、ビッグテックとの競争を激化させることを目的としている。また、各プラットフォームは、地図、メッセージング、デジタルウォレットといった重要なアプリケーションへの支配を解かなければならない。
これはすべて、規制当局の殺し文句のようだろう。欧州連合(EU)のティエリー・ブルトン委員は、この法案を「大手ハイテク企業にとってのD-Day(戦略上重要な攻撃を示す軍事用語)」とまで呼んだ。
DMAは実際にはそうではない。全然違う。
この段階でビッグテックを規制することの問題は、ゲートキーパーがすでに勝利していることだ。その理由を説明しよう。
新規参入の障壁
マネタイズに新たなルールを設けることは、新規参入の障壁となる。
駆け出しの企業が、広告を伴わない、グーグルマップに代わるものを作るのは難しいだろう。消費者はサブスクリプションでこれらのサービスにお金を払うことに消極的だ。
そして、消費者は大規模なテクノロジー・プラットフォームを好むという不都合な真実がある。
アップルはフォーチュン誌の「今年最も賞賛される企業」のトップに輝いた。アマゾン、マイクロソフト、アルファベットがトップ9に入った。
これらの企業は、顧客が実際に好む製品やサービスを作っている。消費者被害に関する主張は、よく言っても疑わしい。
しかしメタは、フォーチュン誌の調査ではそれほど上位にランクされていない。これはチャンスかもしれない。
一連の不祥事によって、ソーシャルメディアの巨人は規制当局の餌食になり得る。不運なことに規制当局にとって、メタの大きなプラットフォームであるフェイスブック、インスタグラム、WhatsAppは非常に粘着性が強い。
会員たちは、親会社に対する感情とは無関係に、本当に退会しようという意志を示していない。友人や家族が引き続き登録しているからだ。 これらのプラットフォームは、彼らのデジタル世界における居場所となっている。
メタの幹部は7月、月間アクティブ会員数が初めて30億人を超え、前年比3%増になったと報告した。これは驚くべき数字だ。 世界の全オンライン人口は52億人にすぎない。60%近くがメタのアカウントを持っている。
カリフォルニア州メンローに本拠を置くメタの領域は強大だが、同社にはもう1枚のエースカードがある。
AIの利点
規制当局は、広告主から個人データを保護することについてよく詩的に語ることがある。この感情的な議論は通常、プライバシーを中心に語られている。しかし、個人データは広告主にはほとんど関係ない。
メタは広告バイヤーにキャンペーンテストのための人口統計情報を提供している。同社のAIの進歩は、こうしたキャンペーンがこれまで以上に効果的であることを意味する。
幹部は6月、AIを使って大規模なキャンペーンテストを自動化するアドテク・プラットフォーム、「メタ・アドバンテージ」によって、広告主が記録的な成果を上げることができたと言及した。アドバンテージは、継続的にキャンペーンを改善することで、より良い結果をもたらしている。通常では見つけることが不可能なパターンをデータから探し出すのだ。
規制当局の難問の一部だ。議員たちは、ユーザーデータのような古い争いを心配している。メタは前進した。新しいルールは、より高度なツールを持たない競合他社を苦しめるだけだ。
規制当局の無用な行い
規制当局の無用な行いは、2023年末に法制化されるカナダのオンラインニュース法(ONA)が最もよく示している。
ONAは、グーグルとメタに対し、カナダのメディアコンテンツへのリンクがグーグル検索に表示されたり、メタのソーシャルプラットフォームでシェアされたりした場合、手数料を支払うよう求めている。
メタの幹部は支払いを拒否し、カナダのニュースへのリンクをすべて削除し始めた。出版社への影響は壊滅的だ。読者はフェイスブックを使ってコンテンツを発見する。
要するに、ビッグテックのプラットフォームは絶大な力を持ち、定着しているということだ。逆説的だが、規制は競合他社に参入障壁を築き、ビックテックをさらに強くする。
今回の個人情報への「攻撃」によってメタの株価が下がれば、チャンスになるかもしれない。
300ドル以上ではまだ少し割高だが、255ドルへの下落は絶好のエントリー・ポイントとなるだろう。
どのような展開になるかはメタをご覧あれ。
健闘を祈って。
ジョン・D・マークマン
いかがでしたか。
マークマン氏はGAFAの支配を弱めようとするデジタル市場法(DMA)は、あまり効果がないと予測しているようですね。
デジタル市場法を施行しても、すでにGAFAMの力は圧倒的に強く、新規参入できる企業はいない。
そして、消費者も新規参入する企業よりもGAFAMを好んでいるようですね。
実際、
フォーチュン誌の「今年最も賞賛される企業」にアップルはトップに選ばれ、アマゾン、マイクロソフト、アルファベットがトップ9に入りました。
しかし、GAFAMのフェイスブック、現在のメタだけは上位にランクインされていません。
ここにマークマン氏は注目しているようですね。
メタはこれまで通り、高いユーザー数を誇り、
大きな収入源である広告事業がAIの活用により、さらに大きな成果を上げています。
なので、
デジタル市場法により、メタの株価が下落した際には、投資するチャンスがあると言えそうです。
マークマン氏はメタについて300ドル以上なら割高だが、255ドルに下落したら絶好の買いチャンス
と分析しています。
メタの株価は現在303ドルと、マークマン氏が割高と判断している水準なので、ベストな投資タイミングはまだ訪れていないと言えます。
ただ、もしあなたが、今ベストな投資タイミングな銘柄が知りたいなら、この動画で紹介しているAI銘柄がおすすめです。
この企業は対話型AIにも欠かせない技術を持っており、いくつもの特許でライバルが参入できない仕組みを築き上げています。
つまり、この企業なしにどんなAI企業も成長は難しい、そう言える銘柄です。
↓↓
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。