消えたバフェットのパートナー
- 3468 Views
- 2022年1月19日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanの安居です。
前回のメルマガは
「株を買った時に考えること」という件名で、
日々投資をする中で意識してほしい
マインドセットをお伝えしたのですが…
====
投資マインドは非常に重要だと考えます、相場の原理原則をわかりやすく記事にしていて初心者でも読み易い内容だと思いました。
H.Y様
なぜ相手はその時に売ろう、買おうと思ったのかを意識しながら株の売買をすること。なるほどな~と思わされました。これからも是非メールをお願いいたします。
ほっこりじっちゃん様
====
他にもたくさんの感想をいただいています。
ありがとうございます ^^)
前回のメルマガはこちらからご覧いただけます。
↓
株を買った時に考えること
それにしても、、、
今年に入ってから株式市場は不調ですね…
特にハイテク株中心のナスダック100は
12月の高値から10%近い下落です。
話題のテスラは今年に入って12%ほど下落
マイクロソフトのようにしっかり利益を出し
「米国最高格付の株式ランキング」にも選ばれた
高評価銘柄でさえ7%もの下落です。
もちろん、後から振り返ればこの下落が
いい買い場になるのかも知れませんが、
将来のことは誰にもわかりません。
こうした時に大胆に投資することも大切ですが
何もしないという投資判断も同じくらい大切です。
投資判断というと、
銘柄を選ぶ、買う、売るなどをイメージしますが
「何もしない」という決断も大切な投資判断です。
もし今の下落で、
不安になって売りそうになったり
焦って買いそうになったりしているなら、
しばらく株価・チャートから
離れることも大事だと思います ^^)
と言うことで、今日もマインドセット系の話。
市場が不安定な時こそ意識したい
大切な教訓が学べるエピソードを
紹介したいと思います。
ぜひ最後まで読んでくださいね ^^)
世界一の投資家といえば、、、
やっぱりウォーレン・バフェットですよね。
投資スタイルの好みは様々ですし
最近は市場平均に負けてるとか
いろいろ言われることもありますが、
10歳で投資を始め、
12兆円以上の資産を築いた実績は
他の投資家とは比較にもなりません。
そんな彼のパートナーといえば、、、
チャーリー・マンガー
バフェットが経営する投資会社
バークシャー・ハザウェイの副会長で、
「バフェットの右腕」「バフェットの頭脳」
なんて呼ばれる伝説の投資家です。
ウォーレン・バフェットと
チャーリー・マンガー
言わずと知れた世界一有名な投資家コンビです^^)
彼について書かれた本もたくさんあるので
ご存知の方も多いと思います。
では、、、
もう一人のパートナーがいることを知っていますか?
正確には、もう一人”いた”ですね ^^;
彼の名前を知る人はほとんどいないと思います。
40年以上前、
彼はバフェットとマンガーと一緒に仕事をしていました。
世界一有名な投資家コンビは、
実はトリオで始まったんです ^^)
彼の名はリック・ゲリン。
でも彼は投資で”稼ぐ”ことにおいて
ものすごい能力を持っていました。
彼は1965~1983年の18年間で
2万2200%ものリターンを記録したそうです。
もし1965年に10万円投資したら
1983年には2220万円にもなっています。
20年足らずで資産が200倍以上になっているんです。
ものすごい成績ですよね ^^;
同期間のS&P500の70倍以上なので
リック・ゲリン氏の稼ぐ力は疑いようもありません。
でも、彼のことを知っている人は少ない、、、
なぜでしょうか?
その理由を、ウォーレン・バフェット自身の言葉で紹介します。
===============
マンガーと私は、このままいけば莫大な資産を築けると強く信じていた。だが、我々は裕福になることを急いでいなかった。いつかそうなると確信していただけだ。ゲリンも、私たちと同じように投資の能力は高かった。だが、彼は急いでいた。
–サイコロジー・オブ・マネーより引用
===============
そう、リック・ゲリンは急いでしまったんです…
具体的には、レバレッジをかけて
バークシャー・ハザウェイの株を買い集めていました。
レバレッジをかければ、好調な時は物凄いスピードで資産が増えます。
でも不況が訪れると…
今度は物凄いスピードで資産が減っていきます。
信用取引を使っているなら、
安値で強制決済されてしまうこともあるでしょう。
リック・ゲリンがそうでした。
彼はレバレッジを集めて大量に買い集めた株式を
手放すしかない状況に陥ったのです。
そして彼は、ウォーレン・バフェットに
下落して割安になった株を売り渡しました。
その後、リック・ゲリンがどうしているのかはわかりません…
元ウォーレン・バフェットのパートナーということで
どこかで活躍しているのかも知れませんが
調べても情報はほとんど出てきませんでした。
教訓のある話だと思いませんか?
資産形成を急ぎ、レバレッジをかけたリック・ゲリンは資産を失い、
急いでいなかったウォーレン・バフェットは彼から割安の株を大量に買い、
世界一の投資家にまで上り詰めました。
買い取った株がどの程度の量なのかわかりませんが、
ウォーレン・バフェットの資産のほとんどは
バークシャー・ハザウェイの株です。
つまり、もしこの時リック・ゲリンから株を買っていなければ
ウォーレン・バフェットは世界一の投資家と
呼ばれなかったかもしれませんし
12兆円を超える資産を築くこともなかったかもしれないんです。
リック・ゲリンはレバレッジで資産を失いました。
以前、「S&P500より人気ETFの危険な事実」というメルマガで
レバレッジETFの3つの危険性について紹介しているので
興味がある方はぜひ読んでみてください。
かなり反響をいただいた内容です ^^;
↓↓
S&P500より人気ETFの危険な事実
でも、資産を失う危険性があるのは
レバレッジだけではありません。
例えば、余剰資金の全てを株式に投資してしまうケース。
ここ数年、好調するぎる米国株をみて
「現金で置いておくなんてもったい無い!」
と考える人も多いと思います。
僕も基本的には同意ですが、
余剰資金の全てを投資に回すことはおすすめしません。
現金が必要になる予測できない機会が訪れた時、
全部を投資に回していたら株を手放すしかないからです。
家族が入院したり、家の修繕が必要になったり、給料が減ったり…
現金が必要になる予測できない機会はたくさんあります。
例えば、昨年3月のコロナショック。
もしかしたらこんな人がいたかもしれません…
=========
コロナショックで株式が30%も下がる
↓
仕事がコロナで打撃を受け
給料が大幅に減った/仕事がなくなった
↓
余剰資金の全てを投資に回していたため
このまま持ち続けるべきだとわかっていたけれど
生活費のために暴落した株式を手放すしかなかった
=========
「持ち続けるべきだとわかっていたけれど」
という部分がポイントですよ ^^;
リック・ゲリンはバークシャー・ハザウェイの株を
売りたくて売ったわけではありません。
仕方なく売ったんです。
車の運転と同じ。
急いでスピードを出しすぎると
止まろうと思っても止まれないから、
曲がろうと思っても曲がれないから、
悲惨な事故が起こるんです。
ということで今回は「急ぎ過ぎてしまった」故に
失敗したウォーレン・バフェットの元パートナーの
話を紹介しました。
暗い話をしましたが、
僕は今年も株式市場にポジティブですよ ^^)
余剰資金をしっかり用意して、
Weiss Ratingsが高く評価する強い企業や
米国アナリストがおすすめする素晴らしい企業が
下落した時には、ゆっくり買い増していくつもりです。
株式市場が不安定になっている今こそ、
自分が「急ぎ過ぎていないか」
考えてみてください ^^)
P.S.
Weiss Ratingsは1万銘柄以上ある
全ての米国株を日々評価しています。
格付け情報のほか、アメリカ人アナリストの記事も
たくさんあるので、ぜひご覧ください
https://weissratings.jp/
P.P.S
今日のメルマガはいかがでしたか?
ご感想ご意見をお待ちしております
↓↓
https://jp.surveymonkey.com/r/LPCBWNK
この銘柄について紹介してほしい!
というコメントもお待ちしております。
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。