違うタイプのインフレショックの可能性
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- 2022年8月8日
- トピックス
インフレ率は依然として40年来の高水準にある。インフレレポートは毎回ウォール・ストリートに衝撃を与え、ハイブランドの靴を履いたトレーダー達は震え上がっている。彼らは悪材料を予想し、次の打撃に備え始めている。
もし、次のインフレ率の数字が、違うタイプのショック、つまり低下サプライズをもたらすとしたらどうだろうか。
7月13日に発表された最新のデータでは、ヘッドライン消費者インフレ率が9.1%に上昇し、予想の8.8%を上回ったことを考えると、あなたは私がどうかしているとお考えかもしれない。
だが、このデータは回顧的なものだ。朗報なのは、過去1年間における最大のインフレ要因のうち3つが落ち着いてきている点だ。それは、食料、石油、住宅だ。
食料、石油、住宅
世界の食料価格は5月の高値から下がったが、その主な原因は肉、乳製品、砂糖、植物油、穀物価格の下落にある。
国連食糧農業機関の食糧価格指数は、6月に2.3%減の154.3となった後、7月には8.7%減の140.9となった。
以下のチャートは、7月に世界の食料価格が急落したことを示しており、これはアメリカ合衆国労働統計局による7月の消費者物価報告に反映されるだろう。
消費者は、依然としてサプライチェーンの混乱、肥料コストの上昇、悪天候などによる将来の価格不安に直面するが、7月の価格下落が当面の救いになるだろう。
原油は、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)が5月に1バレル130ドル超のピークを迎えて以来、大きく値を下げている。現在、1バレル89ドルで、原油は年初の高値から30%下落している。
6月の原油価格の平均は1バレル114.85ドルだった。7月には1バレルあたり101.62ドルまで下がり、このことが月全体のインフレ率を押し下げるのに役立つと考えられる。
原油が下がれば、ガソリン価格はどうなるのかというと、 先週の金曜日まで50日間連続で下落した。
以前のメルマガでは、原油を今後上昇させるいくつかの要因について述べた。それらは、長期的に見ると依然として残っているが、7月の低価格化は否定できない。
また、金利上昇と在庫の増加により、住宅価格も落ち着いてきている。
30年固定型住宅ローンの平均金利は6月に6%を超えてピークを迎え、その後5%に近い水準まで下がってはいるものの、年初の3%台と比べるとまだ高い水準にあることが分かる。
セントルイス連銀の下のチャートは、住宅価格が過去最速のペースで下落していることを示している。
ブラックナイト・データ・アナリティクスのベン・グラボスケ社長は、金利引き上げの住宅価格への影響を完全に確認するには通常5カ月程度かかると主張している。市場が前回の利上げを消化し続ける中、7月の消費者物価指数に反映されるだろう。
つまり、すべてを足し合わせると、今週発表されるインフレレポートでは低下が見られる可能性がある。
確かに、インフレには他の要因もあるが、しかし、市場は最悪の事態を覚悟しているようだ。つまり、低下サプライズに有利なチャンスかもしれない。ポジティブなショックだ。
どのように投資するか
プロシェアーズS&P 500ディビデンド・アリストクラッツETF(NOBL)というファンドを検討してみると良いかもしれない。NOBLは、市場全体と連動して上昇するはずだが、質の高い配当増額を実現することで、下落局面におけるプロテクションも提供する。
この上場ファンドは、最低25年間連続で増配している企業のみを保有し、安定した収益、良好なファンダメンタルズ、そして長期にわたる堅実な成長を維持していることを条件としている。
NOBLは流動性が高く、1日の平均取引量は65万株以上だ。このファンドは約96億ドルの純資産を運用し、経費率は0.35%と管理しやすい水準にある。また、直近の配当利回りは約2%となっている。
NOBLのチャートを見ると、6月中旬以降、ファンドが上昇していることがわかる。
このチャートでいくつか指摘しておきたい点がある。
- 下降トレンド(赤の点線)は先月突破されており、
- 一方で、6月に始まった上昇トレンドは維持されている。
- 短期トレンドを表す20日移動平均線(薄い緑線)が50日移動平均線(薄い青線)を上抜いてクロスしたばかりで、これも強気を示すサインだ。
NOBLは間違いなく高値に向かっているように見える。経済のポジティブサプライズがあれば、追い風になる可能性がある。ショックは大きいだろうが、ポジティブなものだ。
もし私が誤っていたとしても、あなたは上昇を待つ間2%の配当金を手にできる。
ご自身で調べることをお忘れなく。しかし、増配会社は長いアウトパフォームの歴史を持っている。
あなたの成功を願って。
ブロドリック