今年利益を得るための処方箋
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- 2023年1月10日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanです。
2022年は大きな下落で終わり、2023年もまだ方向性がはっきりしない相場が続いています。
昨年強かったエネルギーセクターは2023年も大きな利益を産んでくれるでしょうか?
それとも、昨年大きく下落したハイテク株の復活を狙うべきでしょうか?
今回はWeiss Ratingsのアナリスト、ショーン・ブロドリック氏による2023年中期の見通しと今最も注目すべきセクターについての記事をお届けします。
2022年、市場は2008年以来最悪の年を記録し、ダウ平均は8.8%、S&P500は19.4%、ナスダック指数は33.1%下落した。
インフレ、金利上昇、景気後退への懸念がトップニュースを占め、2022年1月に始まった苦難は1年を通じて続いた。以下のチャートは、ベンチマークインデックス別にパフォーマンスを比較したものだ。
もちろん、すべてのセクターが痛手を受けたわけではない。一般に、バリュー志向の投資は市場の混乱期に持ちこたえやすい。
これは、グロース株のキャッシュフローが遠い未来に予測されるのに対し、バリュー株は現在のキャッシュフローに基づいていることが大きな理由だ。インフレや金利上昇により割引率が大きくなると、格差が広がる。
高騰していた成長株が下がってきたため、主要株価指数の中でハイテク株比率の高いナスダック指数が最も大きな打撃を受けた。投資家が景気後退に備える中、この傾向は新年に入っても続く可能性がある。
以下のチャートは、2022年のセクター別の市場パフォーマンスを示している。
原油価格の高騰を受け、エネルギー関連銘柄が大きな勝利を収めた。しかし、公益事業、消費者関連株、ヘルスケア株は、それぞれ年初の水準から2%以内の水準で年を越した。
市場全体では、消費者関連、通信サービス、テクノロジー、不動産などのセクターがそれぞれ少なくとも26%下落し、大きな重荷となった。
パウエルFRB議長がインフレ対策のために、熱心に景気後退を後押ししているように見えることを考えると、今後さらにボラティリティが高まることが予想される。FRBが金利を高く維持する姿勢を示していることから、昨年からの有力セクターが引き続きアウトパフォームすると見られる。
不況時には、需要が安定している企業でポートフォリオを組むことが有効だ。「エネルギー株、次の強気相場」では、エネルギーが次の強気相場入りする可能性について書いたが、投資家が最悪の事態に備える中で、別のセクターが利益を享受することになるだろう。
ヘルスケア企業の製品やサービスは、消費者が最も節約を後回しにするものの一つであるため、恩恵を受けるはずだ。
多くの人にとって、健康は最優先事項であり、他で妥協することになる。また、米国は先進国の中で最も医療費が多いことも追い風になるだろう。
エクスポージャーを高めるには
ヘルスケア・セクターは、投資家が景気後退への抵抗力を狙って資金流入する可能性が高く、ヘルスケア・セレクト・セクターSPDRファンド(XLV)は検討すべきETFの1つだ。
このファンドは、S&P500のヘルスケア銘柄のパフォーマンスを反映しており、機器・消耗品、プロバイダー・サービス、医薬品、バイオテクノロジーなどのサブ産業に焦点を当てている。
XLVの組み入れ上位3銘柄は、ヘルスケア大手のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)、イーライリリー・アンド・カンパニー(LLY)となっている。これらを合わせると、419億ドルの運用資産の約4分の1を占める。
直近の配当利回りが年1.4%であるのに対し、当ファンドの経費率は0.10%と低水準だ。XLVの1日の平均出来高は約800万株。
XLVのチャートを見ると、9月末から力強い上昇を遂げていることがわかる。
XLVは上昇後に調整しているが、一旦140ドル過ぎの目先の抵抗線を再び試すことを視野に入れるだろう。
XLVが保有する企業は、商品やサービスに対する需要が非弾力的であるため、不況下でも柔軟な取引を続けるはずだ。
ポジションを持つ前には、必ず自分自身でデューデリジェンスを行う必要があるが、通常は、勢いのあるセクターにポートフォリオを置くことが有効だ。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
こちらはブロドリック氏が紹介したヘルスケアセクターETF XLVのチャート
アップダウンはあれど高値圏をキープしていることがわかります。
ヘルスケアセクターは歴史的に成長力・安全性の両方を兼ね備えており、技術革新や高齢化、人口増加という世界的なビッグトレンドに乗る投資先です。
もしあなたがヘルスケアセクターへの投資を増やしたいなら、XLVは素晴らしい選択肢の一つになるでしょう。
しかし、もしあなたがXLVに含まれる優良ヘルスケア企業の中で、特に力強い上昇を見せる個別銘柄で資産を加速度的に増やしたいなら、以前、ジョン・マークマン氏が推奨した「ヘルスケアの巨人」がおすすめです。
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。