ここから2倍!?暗号資産の相場予測
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- 2024年3月11日
- トピックス
ビットコイン(BTC、格付け「A」)が史上最高値を突破した時、「これが天井か?」「手放すべきか?」という質問が大量に届いた。
最近の値動きを見れば、多くの人々がそう考えるのも無理はない。
3月4日、ビットコインは史上最高値を更新した数分後、激しい売りに押し戻され翌日には6%以上下落した。不安に思った投資家も少なくないだろう。
しかしその後すぐに復活し、最高値を更新している。
信じられないような上昇は少しも終わっていないのだ。
第一に、最高値を更新した翌日に売られた背後にある力を認識することが重要だ。
機関投資家がビットコインを投資対象として考え直したのではない。個人投資家が利益を確定させたわけでもない。
この下げ圧力は、レバレッジを効かせ下落に賭けた投資家の10億ドルに及ぶデリバティブ取引が精算されたことによるものだ。
つまり、最高値を更新した翌日に下落したのはある種必然で、一時的なものだ。下落要因が一時的なものであるのに対し、ビットコインを押し上げそうな要因には、長期にわたり続くであろうものが数多くある。
第二に、この上昇には目を見張るものがあるが、過去の強気相場が示したような力強さはまだ見られない。
例えば、前回の強気相場は2018年12月に始まり、ビットコインは4000ドル弱から、6万9000ドルまで上昇した。
実に17倍もの上昇だ。
前回の強気相場で、前々回の強気相場の高値である2万ドルに近づいた時、ツイッター(現X=エックス)やYoutubeには、「バブルだ!」と叫ぶ専門家や評論家が多数登場した。
もちろん、彼らは間違っていた。ビットコインは批判を無視し、その後12ヶ月でさらに250%上昇した。
さらに前の強気相場も見てみよう。2017年だ。ビットコインは150ドル付近で上昇を始めた。2017年12月には2万ドルに迫る勢いだった。
ここでもまた、おかしなことが起こった。ビットコインが1000ドル(そのさらに前の強気相場、2013年11月の最高値)に近づくと、自称専門家が飛び出してきて、ビットコインバブルを宣言した。
しかしこの時も批判を無視してビットコインは20倍に上昇し、翌年12月には最高値の2万ドル近くまで上昇した。
要するにビットコインは、前回の高値を更新した時に批判に晒される運命にあり、その運命を乗り越えて上昇し続けてきたということだ。最近ビットコインに関心を持ち始めた方の中には、ビットコインが1000ドルに近づいた時に「高すぎる!」と批判されていたことを知って驚いたかもしれない。
相場にたらればは存在しないが、1000ドルでビットコインに投資できるなら誰でも投資したいだろう
そして今年、ビットコインが史上最高値となる6万9210ドルにタッチしたことで、短期間ではあるが猛烈な売りが出たことからも、同様のパターンが見て取れる。
覚えておいてほしい。この強気相場が終わる頃には、ビットコインは現在の水準を少なくとも2倍は上回るだろう。
この上昇の最低目標は15万ドルだ。それ以上に上昇する可能性もある。
過去の強気相場を振り返れば、現在の上昇が特別スピーディーで大きなものではないことに気づけるはずだ。
もちろんリスクは存在する。これほど浸透し、一般投資家のアセットクラスで重要な役割を占める暗号資産が大きく規制される可能性は低いだろうが、ゼロではない。極端な規制は暗号資産市場全体を冷やすだろうが、そもそも暗号資産は土台となる技術からして、政府など特定の団体が規制できるものではない。
そのため、私は今回の強気相場でビットコイン価格が現在の水準から少なくとも2倍上昇すると考えているからといって、資産の大部分を暗号資産に振り向けるように推奨することはない。
また、今となってはビットコインの力強い上昇をさらに超えるリターンが狙える投資先も数多く存在している。
大きな利益を得るためには、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号)に目を向けることも必要だ。
以下は、暗号資産におけるビットコインが占める割合を表したものだ。下に行くほどビットコインが占める割合が小さくなる、つまりビットコイン以外が大きく上昇していることを表している。
暗号通貨時価総額に占めるBTCの割合
3つの矢印を見てみよう。最初の赤い矢印は、2016年7月から2018年1月にかけての急激な落ち込みを示している。
この期間、ビットコインの価格は16倍以上に上昇した。つまりビットコインの証紙が悪かったわけではない。
それにもかかわらず、暗号資産全体におけるビットコインの割合が低下している。どういうことか?それを遥かに上回るスピードでビットコイン以外の暗号資産が上昇したのだ。
トレーダーはしばしばこのような時期を「アルトコイン・シーズン」と呼ぶ。アルトコイン・シーズンが到来すれば、ビットコインが上昇すると同時に、ビットコイン以外の暗号資産がさらに力強く上昇する。
そして2022年11月の弱気相場の安値以降、ビットコインは暗号資産のリーダーとして比重を押し上げている。
つまり今、アルトコイン・シーズンではない。過去の強気相場では、ビットコインの上昇が本格化するとともにアルトコイン・シーズンに突入していった。つまりまだ本格的な強気相場ではないということだ。
このグラフを見て「イーサリアム(ETH、格付け「B」)が好調だっただけだ」という人がいる。
しかし、それは真実ではない。以下は、イーサリアムを除くアルトコインの時価総額を、データプロバイダーで可能な限り遡って、ビットコインに対してプロットしたチャートである。
BTC vs.アルトコイン
このチャートでも同じ3本の矢印を強調した。
この場合、アルトコインがビットコインをアウトパフォームすればチャートは上に行き、逆だと下に行く。
赤い矢印は2016年から2017年にかけての強気相場を強調している。繰り返すがこの間、ビットコインは大幅な上昇を見せた。しかしイーサリアムを除くアルトコインはそれを桁違いに上回っている。
2019年から2021年にかけても同じことが起こった。ビットコインが6万ドルを突破しビットコインに楽観的な投資家でさえ少し不安になる程の勢いがあったは、アルトコインの上昇は同じ期間のビットコインを遥かに上回っている。
そして青い矢印は、今の上昇相場においてこのサイクルでまだ起こっていないことを指している。しかしこれから起こると、私は確信を持っている。
サイクルはそれぞれ異なるが(歴史は繰り返さないが、しばしば韻を踏む)、概ね一貫した4年サイクルが存在する。そして過去のサイクルから学べることは次のとおりだ。
- ビットコインは、以前の強気からの史上最高値で止まらない。それをはるかに上回る。
- 強気相場のある時点で、トレーダーや投資家はアルトコインに関心を移し始める。そうなってからのリターンは、ビットコインを大きく上回る。
どちらもまだ起きていない。私は過去この場で取り上げてきたファンダメンタルズと、こうした歴史的サイクルの両方から、ビットコインは天井にはほど遠いと考えている。
そしてこれからそれ以上の投資チャンスが、アルトコインに訪れるだろう。
もちろん投資に絶対はないため、私は下落要因にも目を光らせている。しかし今のところ、過去のサイクルを否定する要因は見つかっていない。
また来週。
ジュアン
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