オイルパーティーは終わらない
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- 2024年3月11日
- トピックス
2週間ほど前、石油地帯の利益パーティーに参加するようお勧めした。
石油会社が非常にキャッシュが潤沢を使い、中小のエネルギー会社をバーゲン価格で買収していること。
石油需要は増え続ける一方で生産が減少していることなどを理由に、エネルギー・セレクトSPDRファンド(XLE)をお勧めした。
Weiss Ratingsの格付けは「B-」で、経費率はわずか0.09%、配当利回りは3.57%である。
XLEを取り上げた後のチャートがこちらだ。
XLEの価格チャート
悪くない値動きだ。抵抗線を超えた後、順調に上昇している。私は、原油価格が昨年9月の水準である93ドル以上に戻りつつあると考えているため、さらに上昇すると考えている。
その理由は…
OPEC+は増産を急いでいない
サウジアラビアを中心とするOPEC+は最近、日量220万バレルの自主削減をさらに3ヶ月延長した。この削減は3月末で期限切れとなる予定だったが、6月末まで減産状態が続くことになった。
私はOPEC+が再び延長すると考えている。
簡単なことだ。OPEC+は原油価格の上昇を望んでいる。掘り出しすぎて余るよりは少し足りないくらいがちょうどいい。ベンチマークにもよるが、今回の減産により原油価格は6%から8%上昇している。米国の石油指標であるウェスト・テキサス・インターミディエイトの価格は、先週末に11月7日以来の高値をつけた。
サウジアラビアの生産量は、2022年10月に比べて日量200万バレル減少している。1月には、2027年までに生産能力を拡大する計画を取り下げ、方針を大きく転換した。
ムハンマド・ビン・サルマーン・アール・サウード皇太子の野心的な経済改革に資金を供給するために、同国は1バレルあたり100ドルに近い原油価格を必要としているのだ。
つまり、サウジアラビアが原油価格の上昇を望んでおり、消費者は多少高くても買うしか選択肢がない。米国では賃金上昇や数年続いたインフレにより、原油価格が多少上昇しても驚かなくなってきている人も多い。
しかし、それだけではない。
高まる需要
国際エネルギー機関(IEA)は、今年の石油需要は日量120万バレル増加すると予測している。OPECは、需要はさらに増加し、日量220万バレルと見ている。
世界経済の先行きに不透明性はあるものの、現状を見ると、私はIEAよりもOPECの予測の方が正しいと考えている。需要が増えれば価格も上がる傾向にある。
そして世界経済といえば・・・
中国での石油需要の増加に期待
今週開かれた会議で、中国は年間成長率目標を約5%に設定した。消費マインドが底を突き、住宅バブルが崩壊しているときに、それは難しい目標だ。
この目標からは、中国がさらなる景気刺激策を打ち出し、信頼感を高めて経済の歯車を再び回転させようという強い意志が読み取れる。
昨年は中国にとって良い年ではなかったが、石油需要は6.6%増加した。今年の石油需要の伸びは3.1%と予想されている。
成長率目標が達成できる確率は高くないだろうが、中国が目標に向けて景気刺激策に乗り出せば、石油需要もギアが上がるだろう。
原油価格を押し下げる要因
一方で原油価格を押し下げる要因もある。
一つは中国経済が想像以上に悪くなることだが、最大の要因は米国にある。
エネルギー情報局が発表した12月の米原油生産量は日量平均1330万バレルであった。これは過去最高で、サウジアラビアが減らした分、米国は増やし続けているのだ。
米国は油田数が減少しているにもかかわらず、新しい技術が生産性を高め、生産量を増やしている。
しかし原油価格が大幅に上昇しない限り、米国の石油生産量がこれ以上増えることはないだろう。1バレルあたり10~20ドルほど上昇すれば、米国はさらに生産量を増やせる可能性がある。
逆に言えば、その程度の水準までは順調に上昇していくだろうということだ。
私の1バレルあたり93ドルを原油価格目標に設定しているが、これは現在の水準から+10ドルほどであり、OPECの方針転換や景気の急速な鈍化など不測の事態がない限り、十分現実的な水準だと考えている。
XLEはこの上昇から利益を狙う最もオーソドックスな投資だ。
しかし今日は追加でもう一つ紹介した。
インベスコS&P小型株エネルギーETF (PSCE)だ。ワイスの格付けは「C+」、経費率は0.29%、配当利回りは2.65%である。
欠点は、PSCEの1日平均出来高が2万8880株しかないことだ。私が取り扱うには小さすぎるが、個人投資家ならトレードするには問題ないだろう。
XLEの組み入れ上位には、エクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)、コノコフィリップス(COP)など著名な石油企業がならんで並んでいる。
一方、PSCEの組み入れ上位はSMエナジーやヘルマリックアンドベインなど、一般投資家には聞き馴染みがない銘柄だ。
こうした小型のエネルギー株に投資しているのは、個人投資家ではなくエクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)のような大手エネルギー企業だ。
前回の記事で述べたように、彼らは潤沢なキャッシュを使って中小のエネルギー会社を買収している。
つまり、PSCEに組み入れられているのは、大手エネルギー企業による買収で株価を急騰させる可能性のある企業だということだ。買収が活発化すれば、PSCEも大きな動きを見せる可能性がある。
あるいは、XLEとPSCEを掘り下げて、そこに含まれる最高の銘柄を買うこともできる。 個別銘柄はリスクが高いが、その分、大化けする可能性がある。
いずれにせよ、石油業界は非常にリスクリターンのバランスが良い状態だ。パーティーに参加してほしい。
また次回。
ショーン
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