「パウエル議長の方向転換」の影響が急速に消えた理由とは?
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- 2021年7月13日
- トピックス
FRBの最近の動きについて話したことを覚えていらっしゃるだろうか?
市場はすぐにそのことは忘れてしまったようだ。
6月のFOMC直後に下落したニューヨーク株式市場は、すぐに立ち直り、ダウ平均とS&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数が過去最高値を更新した。
さらに、FRBが長期金利を安定させる立場を取ったため、私のお気に入りの「セーフマネー」の銘柄の多くが上昇した。私のアドバイスに従い、高い格付け・高収益な銘柄に集中して投資していた方々にとっては朗報である。
それでも、インフレは深刻な問題であるし、 住宅市場、金融市場、さらには自動車市場でもインフレ傾向が顕著になっている。
私がこれまで所有してきた車はずっと、減価償却する資産、つまり時間とともに価値が下がる資産だった。しかし、ここ1年ほどで、中古車は思いのほか正反対の値動きをして、値上がりしている。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によると、このような自動車ブームの影響で、一部の新車ディーラーはメーカー希望小売価格よりも高い価格で販売しているという。このようなことは前代未聞で、少なくとも一般的な自動車やトラック、SUVで生じていることなのだ。
FRBがインフレを抑えようとせず、低金利の資金を垂れ流し続ける限り、その動きに逆行する立場を取るのは得策ではない。このような状況下が続く限り、セーフマネー戦略を用いて利益を得るのが得策だ。
では、この状況を変えるものはあるのだろうか?資産市場の暴走を止め得るものとして、私は何に注目しているだろうか?
それは、金利だ。
具体的にいうと、インフレ懸念がもっと強まったり、インフレがさらに悪化したというデータが出る場合、金利は再び大幅な上昇を見せる可能性がある。
しかし、名目金利はもう上がっておらず、横ばいで推移している。さらに、「実質」金利(インフレ調整後の金利)は、どのインフレ指標を見ても、大幅なマイナスとなっている。
つまり、ずっと金利は低い状態が続いているし、今後もその状況がしばらく続くと見られる。これまでにFRBが行ったことや述べたことでエッジの効いたものはなく、この先数カ月間も緩い言行が続くと考える。
この先、どこかの時点で変わるとは思うが、その際には最善を尽くして皆さんにお知らせするのでご安心いただきたい。
今は、私もあなたも早まった動きは取らずに、利益を出し続けることに集中しよう。
それではまた
マイク・ラーソン
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