ジャンク債でさえ価値を失っている時に収入を得る方法
- 648 Views
- 2021年9月9日
- トピックス
あなたなら、どう考えるか教えて欲しい。
もし自分が銀行で、リスクが高く、信用度の低い企業が融資を求めてきた場合、どのような金利での返済を求めるか?
しかも、彼らはこの要求が承認されると思っているのだ。
では仮に、融資にOKを出したとしよう。返済できないという、非常に起こる可能性の高い状況を考慮した場合、何パーセントくらいが「妥当」になるだろうか?
7パーセント?9パーセント?11パーセント?
4パーセントはどうだろうか?その場合、インフレのカバーすらできず、ましてや信用リスクのカバーなどもってのほかである。
– クレイジーに聞こえるかもしれないが、これが現実であり、今まさに起こっていることなのだ。
この状況は、米連邦準備制度理事会(FRB)と金融当局が経済に送り込んでいる安価な流動性の巨大な波である緩和マネーのために発生しており、あなたが妥当なリスクでそれに見合った収入を得ることの妨げにもなっている。
– 更には、リスクを冒してより高い利回りを得ようとしたとしても、もはやその見返りはそこに存在しないのである。
自分の目で確かめてみて欲しい。
以下のグラフは、ジャンク債の平均利回りを示したものだ。ジャンク債は、負債額が多く、キャッシュフローが不安定で過去に起きた債務不履行など、信用不安を抱える企業が発行している。
出典: セントルイス連邦準備銀行
灰色のバーは、米国経済が縮小していた時期を示している。
パニックや不景気になると、利回りが急上昇しているのがわかるだろう。しかし、そういった特殊な時期を除いたとしても・・・
– 過去数十年間、リスクの高い企業に貸出を行う事で、一桁台半ばから後半の利回りが期待できていた。
現在を除いて、だ。
現時点で、ジャンク債の平均利回りは過去最低水準というだけでなく、現在の消費者物価上昇率である5%台半ばすら下回っているのである。 言い換えると・・・
– インフレ調整後のベースで考えた場合、一般的なジャンク債、およびジャンク債に投資しているファンドを購入すると、実際には損をする事になる。
こうした状況から勘案すると、これまで市場から収入を得るために使われてきた従来の方法の多くが、機能していない、もしくはしっかりと機能していない状態になっているのではないかと分析している。
これを受け投資家達は、インカム投資を強化するためには、今まで以上に抜本的な見直しが必要である、と考え始めているものと見ている。
それではまた。
マイク・ラーソン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。