資産の土台にふさわしい銘柄の見つけ方
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- 2023年2月28日
- トピックス
こんにちは。Weis Ratings Japanの安居です。
前回は「ChatGPTに”投資”について教えてもらいました」という件名で、最近話題のChatGPTに投資の原則を教えてもらいました。半導体やAI関連銘柄の話も少ししましたが、この分野はまだまだ投資チャンスがたくさん眠っているので引き続きリサーチしていきたいと思います ^^)
前回のメルマガはこちらからご覧ください
↓
ChatGPTに”投資”について教えてもらいました
このメルマガの感想で一つ質問をいただいたので、今回はそれにお答えしたいと思います。
話題になっているChatGPTを投資に活用する事例として、参考になるメルマガをありがとうございます。毎月Weiss Raitngs最高ランク25銘柄を見て購入の参考にしているのですが、連続して25銘柄にランクインしている企業もあれば、番号が若いにもかかわらず、翌月には25銘柄に入っていない企業もあります。まずはポートフォリオの土台を固めたいと思っているので、ディフェンシブかつ配当も見込まれる銘柄に投資したいのですが、やはり連続でランクインする銘柄というのはほとんどないのでしょうか。
hiro 様
Weiss Ratingsの格付けは日々の値動きや決算などを受けて日々更新されます。評価が非常に厳しく、Bランク以上(買い推奨)は米国株全体の5%ほどしかありません。「最高ランク米国株25銘柄」はその中でもさらに上位、トップ0.2%の銘柄だけを載せています。評価が非常に厳しいので、確かに連続して掲載され続ける銘柄は決して多くありません。
「今投資してリターンが得られるか?」という基準で常に上位0.2%に選ばれ続けるなんて、ただ事じゃありませんよね ^^;
でも決してゼロじゃありません。例えば2023年3月号で1位にランクインしている「Weis Markets, Inc.(ワイス・マーケッツ:以下WMK)」は2022年7月号から9ヶ月連続で掲載されています。現在6位の「 General Mills, Inc. (ゼネラルミルズ)」は2022年9月号から7ヶ月連続です。
毎月のレポートを見て、このように連続して掲載される銘柄にだけ投資する、というのも一つの戦略としてはありでしょう。でも銘柄数が少ない上、連続して掲載されていると言っても1年未満です。もし「連続してランクインする銘柄にだけ投資する」という戦略を取るなら、長期的な資産の土台にしてはせわしないですよね ^^;
なのでおすすめは今の評価ではなく、評価の推移や評価の内訳に注目することです。
こちらは9ヶ月連続で掲載されているWMKの評価です。同じものを「最高ランク米国株25銘柄最新号(リンク)」から見ることができます。hiro 様は「ポートフォリオの土台を固めたいと思っているので、ディフェンシブかつ配当も見込まれる銘柄に投資したい」と言われています。
ということは、必ずしも「Reward(利益性)」や「Total Return(過去のリターン)」が高評価でなくてもいいはずです。
それより、「Risk(危険性)」「Growth(事業の成長性)」や「Efficiency(利益の効率性)」「Solvency(財務の健全性)」、「Dividend(配当評価)」の方が重要でしょう。
そこで、WMKの最新の評価を見てみましょう。普通は月に1度しか更新していないのですが、今回特別に僕が手動で最新の評価を取得しました ^^)
それがこちらです。
Aランク以上をキープしていたWMKですが、現在B+に下がってしまいました。まだまだ高評価ですが、もしかしたら次月号の「最高ランク米国株25銘柄」には載らないかもしれません。
ということは、この銘柄は資産の土台としてふさわしくないのでしょうか?
いえ、そうとも言えません。先ほど長期の資産形成の土台として重要だと言った「Risk(危険性)」「Growth(事業の成長性)」や「Efficiency(利益の効率性)」「Solvency(財務の健全性)」、「Dividend(配当評価)」の評価は変わっていないからです。
下がっているのは「Reward(利益性)」と「Total Return(過去のリターン)」です。
こちらはWMKの2020年ごろからの株価チャート。2022年、相場全体が下がる中、Weis Markets, Inc.はおよそ30%も上昇しました。しかし直近では高値から少し下落しています。
これが「Reward(利益性)」や「Total Return(過去のリターン)」の低下につながっていると考えられます。
事業の成長性、利益の効率性、財務の健全性など、資産の土台として重要な事業基盤は依然として最高評価。が、若干の株価下落でランクダウンしている…
WMKを資産形成の土台として投資するなら、このランクダウンは手放すサインではなく、むしろ買い増すチャンスと考えられます。
このように、今の格付けだけでなく、その詳細な内訳や推移を投資目的と照らし合わせて考えると、必ずしも最高評価の銘柄だけに投資する必要はないと言えます。
hiro 様の質問にお答えすると、、、
・確かに連続して「最高ランク米国株25銘柄」に掲載される銘柄はほとんどないが、ゼロではない
・しかしそもそも資産の土台を「今投資してリターンが得られるか?」という基準で上位0.2%に選ばれ続ける銘柄だけにする必要があるかというと、そんなことはない
・それよりも長期投資にふさわしい評価内容に注目して、推移や内訳を見た方がいい
と考えています。
拙い回答ですが、hiro 様や同じ疑問を持たれていた方の参考になれば幸いです。格付けの詳細な内訳や推移をどうやって確認すればいいのか?については次回のメルマガでお伝えしたいと思います ^^)
ということで、最後に直近の相場を見ておきましょう。
2月2日、350日移動平均線にタッチしたところから下落、そして先週末2月24日は200日移動平均線にタッチしたところで反発しています。僕が前々から注視している350日移動平均線と200日移動平均線が、かなり意識されていることがわかりますね ^^;
僕は以前のメルマガで「200日移動平均線」「2022年初からの下落トレンド」この2つを超えたことを理由に強気だと言いました。が、、、もしこのまま下落して200日移動平均線を下抜けたら、短期〜中期的には意見変更です。
久しぶりにこんなネガティブな記事も出てきました。
この記事ではいくつかの理由から2023年の高値は今で、ここからは下落するだろうと予測しています。
例えば、イールドカーブ(債券金利差)が大きく逆転したまま、つまり「逆イールド状態」であること。過去、10年債と3か月債の逆イールドが発生した後、景気後退を回避できた例はありません。
過去の利上げ局面で、利上げが完了する前に株価が底を打ったことはないこと(まだ利上げは継続しています)。他にも、金利上昇を受けて所得に占める住宅ローン支払い割合が倍増し、貯蓄率がほとんどゼロになっていることなどを挙げています。
もちろん一つのニュースを気にしすぎる必要はありませんが、年初の上昇ムードがかなり変わってきたのは確かでしょう。年初にはインフレ鈍化、利上げ終了の兆しが見え始めたものの、この1、2週間で一気に雰囲気が変わっています。
こちらはFRBの金利引き上げ見通しですが、まだまだ連続した利上げは続き、最終的な金利は5.25~5.50%になる見通しです。ですが、1ヶ月前は全然違いました。
こちらは1月17日にお届けしたメルマガに掲載したFRBの金利見通しです。当時は4.75~5.00%が基本の見通しで、年後半には利下げが想定されていました。ですがこの1ヶ月ほどで、2回の追加利上げ、年内は金利維持に変わったんです。
そりゃ株価も下がりますよね ^^;
まだ200日移動平均線、下落トレンドの上にいるので悲観はしていませんが、これらを下回ったら今年も昨年の下落トレンドのまま、厳しい波乱相場になるかもしれません…
もちろん長期は短期的な株価変動に関わらず、毎月一部の優良銘柄をしっかり買い増していきますよ ^^)
hiro 様は長期投資にふさわしい優良銘柄を探されていますが、下落は優良銘柄を割安価格で仕込む絶好のチャンスです。ぜひWeiss Ratingsの格付けを使って、ちょっと株価が弱気になっている間に優良銘柄をどんどん仕込んでいきましょう!
僕のおすすめは、先月のBest 1 Stockに選ばれたNo.1高配当ヘルスケア銘柄です。僕もすでに投資していますが、3月の買い増し優先順位1位なので早速指し値注文する予定です ^^)
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