インデックス投資家もWeiss Ratingsで時価総額上位をチェックしよう
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- 2024年2月5日
- トピックス
過去1年間で、S&P500種指数は約20%上昇した。S&P500をはじめとするいわゆるインデックスでに素晴らしい資産成長を実現できただろう。
一体何が市場を牽引したのか。AIとハイテク株が株式市場を牽引したことは疑いようがない。その結果、S&P500指数とナスダック総合指数は現在、わずか数銘柄の大型ハイテク株に大きく偏っている。つまり、あなたがS&P500指数に投資して、さまざまな企業に分散投資しているつもりでも、実際には一部のハイテク株に集中投資しているようなものなのだ。
これらの指数は「時価総額加平均重型」だ。 つまり、時価総額が大きい銘柄ほど、指数に占める割合が大きくなる。
米国で人気がある株価指数は、S&P500、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均、ナスダック総合指数の3つだ。他にもナスダック100、ラッセル2000指数、ダウ・ジョーンズ運輸平均などさまざまな指数があるが、米国の個人投資家の人気はそれほど高くない。
マイクロソフト(MSFT)はS&P500の中で最も加重が大きく、アップル(AAPL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、エヌビディア(NVDA)も非常に大きなウェイトを占めている。つまり、これらの銘柄のひとつが大きく動いた場合、指数全体のパフォーマンスに顕著な影響を与えることはほぼ間違いない。
ダウ工業株30種平均は株価加重平均指数である。つまり、時価総額ではなく株価を使って指数を算出する。そのため時価総額ではなく、株価が高い値がさ株への比重が高くなる。
一方、ナスダック総合指数もS&P500と同様、時価総額加重平均型の指数である。ナスダック総合指数はその性質上、ハイテク株にさらに重点を置いている。
以下は、ナスダック総合指数の時価総額上位の構成銘柄である(2023年12月29日時点)。
トップ10の最下位、コストコ・ホールセール(COST)を除けば、このリストはテクノロジーのオールスター・チームだ。注目すべきは、実際のウェイトだ。アップルは12.31%、マイクロソフトは11.49%、アマゾンは6.45%である。
分散投資をお勧めする人は、1銘柄10%を超えると多すぎる、集中投資しすぎだということが多い。その点、ナスダック総合指数に投資している人はアップルに集中投資し過ぎているわけだが、この指数に連動するETFに投資している投資家に、集中投資している自覚がある人はあまりいないだろう。
今年に入り、マイクロソフトの時価総額がアップルを抜き、米国最大の企業となった。なぜそれが重要なのか、そしてなぜそれが市場に大きな影響を与えるのか。
投資への影響は?
時価総額上位の企業は、我々アナリストにとって非常に重要な存在だ。どんなタイプのアナリストであれ、時価総額上位の企業は必ずチェックする。たとえハイテク株を一切推奨しないアナリストや、小型株を中心に扱うアナリストであってもだ。
その理由はシンプルで、時価総額上位の企業は指数自体を大きく左右し、ひいては相場全体を動かす。指数に含まれていないような小型株、全く別のセクターにでさえ影響を及ぼしてしまうからだ。
例えば、今後数週間のうちにこれらの主要銘柄の決算が発表されれば、市場全体にこれまで以上の影響を与えるだろう。
だからこそ、私は主要指数に含まれる時価総額上位の企業に対しては、どんなたい方の投資家であれ、Weiss Ratingsの格付けを見ておくことが不可欠だと考えている。すでに述べたように主要指数が一部の企業に集中投資している以上、その企業の影響は、たとえあなたがアップルやマイクソフトに投資していなかったとしても影響するからだ。
幸いなことに、時価総額上位の企業の健康チェックを行うのは簡単だ。Weiss RatingsのWebサイトにアクセスして、ストックレーティングを時価総額順に並べ替えればいい。
時価総額上位15銘柄は以下のようになっている。
当然のことながら、これらの巨大銘柄の多くは「買い」と評価されているか、「保持」である「C」の領域にある。 ここではさらにリスク評価や成長性評価などを足すこともできる。また格付けがどのように変化したかを見ることもできるため、ぜひ株式市場全体を動かす時価総額上位銘柄が今どういう状態にあるのか、確認する習慣を持ってほしい。
たとえインデックス投資家出会ってもだ。これらの銘柄が主要な株価指数に占める割合の大きさを考えると、私はすべての投資家にその評価を確認することを強く勧めたい。
例えば、時価総額第6位のエヌビディアを格付け履歴を見てみると、驚異的な財務内容、利益とキャッシュフローの大幅な増加により、昨年第3四半期の格付けが上昇していることがわかる。
8月29日にエヌビディアが「買い」に格上げされて以来、株価は17%上昇している。 もっと早くに「買い」に格上げするべきではないか?という意見もあるだろうが、それは結果論だ。エヌビディアの株価は2021年後半から2022年10月にかけて、およそ66%も下落した。100万円の投資が34万円にまで激減してしまったのだ。リスクを重視し、安全性を重んじるWeiss Ratingsの格付けシステムが「買い」と評価するには、エヌビディアが株価だけでなく業績も含め、明らかに回復していることを入念に確認しなければならない。
とはいえ、Weiss Ratingsの格付けシステムがエヌビディアが半値以下に下落した時にも決して「売り」と評価しなかったことは強調しておきたい。それどころか、格付け履歴を一般公開している過去10年あまり、エヌビディアは一度も「売り」と評価されたことはない。私たちの格付けシステムは本質的に強い企業であれば「今はリスクが高いから追加投資はしないでおこう」と評価することはあっても、「今すぐ手放せ!」という「売り」評価にはしないのだ。
株価指数のウェイトは変わるので、常に最新の情報を得るのがよい。その際には、ぜひWeiss Ratingsの格付けを参考にしていただきたい。 Weiss Ratingsは魔法の杖ではないが、あなたのポートフォリオの増減に対し、納得感を与えてくれることは約束する。
株式市場は常に、欠けたピースが見つからないパズルのように見える。株価の動きを完全に説明することなど、誰にもできないのだ。しかし、Weiss Ratingsがそばにあれば、足りないピースを見つける手助けになる。
また次回。
ギャビン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。