テレビの新世代を可能にするトレードデスク
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- 2021年1月22日
- トピックス
メディアの幹部たちが、安易に金儲けできる時代の終焉を懸念している中、あまり投資家に知られていないデジタル広告プラットフォームのトレードデスク(TTD) は、意外な受益者となっている。
CNBCの報道によると、有料テレビ部門は、2025年までに2500万人以上の加入者を失うとメディア関係者が予想している。このため番組の制作や配信、収益化の方法をシフトするよう促している。
オンデマンド番組は、小さな画面を変貌させている。それは広告も同様だ。
投資家はこうなることを予見していたはずだ。有料ケーブルテレビ局は、あまりにも長い間、視聴者が必要としていないチャンネルの支払いを強制的に義務づけ、貪欲なメディア企業の経営者たちは、安定した収益を得るために、特に利益率が高い平凡なリアリティ、音楽、低予算の番組をひたすら生産し続けた。
視聴率に関係なく儲かるため、マスコミ各社にとってはWin-Winの状況であった。
メディア関係者は、ケーブルのバンドル化をグリム童話の一つである「黄金のガチョウ」と呼んでいる。レーベルは、彼らの貪欲さとだらしなさが、そのビジネスモデルを台無しにしたことを考えると皮肉なものである。
タイム・ワーナーの元最高経営責任者であるジェフ・ビュークスは、「かつての事業は、『となりのサインフェルド』や『フレンズ』など人気テレビシリーズの再放送で構成されており、ケーブル事業者からも、古い番組の広告からも収益が得られる素晴らしいビジネス」であったと語っていた。しかし、2015年にウォルト・ディズニー(DIS)の関連会社であるHuluが、「となりのサインフェルド」のストリーミング権を取得したときに状況が一変した。オンデマンド・ストリーミング・ビデオのビジネスモデルにより、ファンたちが番組を録画したり視聴のために夕食を急ぐ必要がなくなったことで、人気番組が、SVODサービスに移行したのだ。その結果、タイム・ワーナーの視聴率は低下し、広告売上も減少した。
実際のところ、有料テレビの衰退は、Huluやネットフリックス(NFLX)、Amazon Primeなどのストリーマーのせいではない。大手ケーブルテレビ局による高価格と顧客サービスの悪さ、それに加えてネットワークの陳腐なビジネスモデルが主な原因である。デジタル時代にメディアコンテンツを配信するための新しい方法を考えもしないことは「敗北の戦略」だということが明かとなった。
このように、投資家は、想像力のかけらもないメディア幹部の明確な兆候を見逃していたことを、今さら驚いていてはいけないのだ。
ディズニーは、1年以上前からSVODプロバイダーであるDisney+の構築を進めていた。2020年7月には、コムキャスト(CMCSA)が、主に広告でサポートされているストリーミングサービスであるPeacockを発表。AT&T(T)には、HBOGoがある。
これらのビジネスは、何らかの形で広告ビジネスが強化されたことこそが、トレードデスクがはるか先に進んでいる理由なのである。
トレードデスクは、最先端のプログラマティックデジタル広告配置プラットフォームを運営している。このテクノロジーは、フェイスブック(FB)やアルファベット(GOOGL)が所有していないインターネットプロパティを網羅しており、デジタル広告をリアルタイムで購入しようとしている広告主の間で人気がある。
カリフォルニア州ベンチュラを拠点とする同社はメディアを所有していないため、セールスマネージャーは、ディズニーやアマゾン(AMZN)に加えて、中国企業のアリババグループ(BABA)や百度(BIDU)、テンセントミュージック(TME)などの主要なコンテンツプロバイダーと有利な取引を行うことができた。
トップ広告バイヤーのナイキ(NKE)や、プロクター・アンド・ギャンブル(NKE)、ユニリーバ(UN)などのプラットフォームにも注目が集まっている。
デジタル広告は、従来のようなスポーツ番組やヒットドラマの間に散りばめられた広告よりも成果を予測することが可能で、最新のデジタルオークションツールによってリアルタイムで価格が決定され、大部分が自動化されているという利点もある。
対照的に、Huluの「となりのサインフェルド」のデジタルインプレッションを購入することは、あまり効率的でなかった。
eMarketerは、プログラマティック広告の支出が、2020年末までに19.5%増の685億ドルに達し、2021年までに798億ドルに達すると予想している。
TTD株は、従来からの斬新なビジネスモデルにより高い評価を得ている。公開企業になって以降、5年間で少なくとも38%の売上成長を遂げ、2019年の収益は6億6100万ドルに達した。
トレードデスクのサクセスストーリーはまだ始まったばかりで、市場シェアの拡大に注目していきたい。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン