皮肉にもビッグテックの優位性を高めることになった連邦政府の新法案
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- 2021年9月19日
- トピックス
大手テクノロジー企業の支配に歯止めをかけたいと言っている多くの政治家たちは、その逆の効果をもたらすような法案を押し進めている。
先週金曜日、バイデン大統領はハイテク企業の合併に対する審査を強化するとした大統領令に署名した。しかし実際には、このような新たな対策はより大きくなろうとする競合他社にダメージを与え、最大手のハイテク企業へ恩恵をもたらすこととなるため、投資家は弱気になった際には株を買い増すことを検討すべきである。
ホワイトハウスが同日に発表したファクトシートによると、大手ハイテク企業は労働力を奪い合うのではなく競合他社を駆逐しているため、消費者にとっては価格が上昇し、さらには反競争的な行為によって選択肢が減っているとしているという。
しかし、そんなことは微塵もない。
フェイスブック(FB)、アルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)はソフトウェア・エンジニアの競争が激しくなっている。
新人ソフトウェア・エンジニアの報酬パッケージは、年間165,000ドルにもなる。
もちろん、アマゾンの50万人のアメリカ人従業員のすべてがソフトウェア・エンジニアではないが、すべての従業員が最低でも時給15ドルを稼ぎ、健康保険にも加入している。これは全国平均を大きく上回っており、さらに未熟な労働者たちの厳しい競争により、賃金の上昇が早まった。
また、大手ハイテク企業の多くは、消費者が支払う価格を下げることをビジネスモデルとしている。プレミアムハードウェアを販売しているアップルを除けば、フェイスブックやグーグルのほとんどのソフトウェアや、マイクロソフトの最新のWindows 11アップデートでさえ無料となっている。
また、アマゾンが世界で最も価値のあるブランドになったのは、消費者がその品ぞろえと価格に信頼を寄せているからである。
無料のソフトウェアや、マウスでクリックするだけで低価格の商品やサービスが手に入ることで、消費者が被害を受けているとは言いがたい…
実際に起きているのは、政治的パフォーマンスだ。
大企業の製品は世間から圧倒的に支持されているが、政府の格好の標的となる。多くのアメリカ人がピンチに陥っているパンデミックの最中に、彼らは莫大な富を得たからだ。
例えば、アマゾンの会長兼創業者であるジェフ・ベゾス氏の純資産は2,150億ドルで、彼は今や地球上で最も裕福な人である。
米中双方の政治家が超リッチなハイテク企業のCEOをピニャータのように叩いているのは、ポピュリズムが問題解決に取って代わったからであるが、それではうまくいかない。
ビッグテックが生み出したと主張する問題を改善するためのバイデン大統領の計画は、フェイスブック、グーグル、アップル、マイクロソフト、アマゾンに歓迎されている。これらの企業の幹部たちは、規模を拡大して追いつこうとしている競合他社の技術合併を台無しにできると考えている。
もうひとつの計画である「ネット・ニュートラリティの回復」も、大手ハイテク企業に支持されている。
ネット・ニュートラリティとは、すべてのインターネット・トラフィックが平等に扱われるべきだという原則で、大手通信会社はこの構想に反対し、2018年に米連邦通信委員会(FCC)によって廃止された。
しかし、前述の大手ハイテク企業やネットフリックス(NFLX)のような企業は、通信会社がインターネットのゲートキーパーであることを望んでいない。
インターネットへのアクセスを制限したり、データの上限を設定したりすることは、彼らのビジネスに悪影響を及ぼし、さらには消費者にとっても悪い影響がある。
要するに、消費者に迷惑をかけずにビッグテックの成長を抑える方法はない。
ビッグテックのプラットフォームは、私たちのデジタル生活に不可欠なものであり、大手ハイテク企業の経営者たちは社員や顧客を騙しているわけではない。彼らが成功しているのは、より良い製品をより良い価格で提供しているからである。
数字はそれを物語っており、Edison Researchの報告によると2020年は12歳以上のアメリカ人の63%がフェイスブック利用した。フェイスブックは、アルファベット傘下のグーグルとYouTubeに次いで、米国内で3番目の人気となった。
オンラインデータ分析会社のDigital Commerce 360の調査によると、米国のアマゾンプライム会員数は1億4700万人で、そのうち70%が「非常に満足している」と回答している。
米国では、アップルのiPhoneが53%のシェアを持ち、サムスンのGalaxy端末は僅差で2位となっている。
バイデン大統領が今回の大統領令に署名することはできても、政治家が国民の支持なしにテクノロジービジネスモデルの軌道を変えることはできない。
長期投資家は、フェイスブック、アルファベット、アマゾン、マイクロソフト、アップルの株を、下落に乗じて購入することを検討していこう。
健闘を祈る
ジョン・D・マークマン
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