次のインフレショック
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- 2022年9月20日
- トピックス
インフレvs 世界という記事で、私はインフレは良くなる前にさらに悪化すると警告した。
実際、私は20%+のインフレに備えようというメルマガ以降、インフレについて何度も警告を発してきた。
そして、朗報がある: インフレの大まかな指標である消費者物価指数のヘッドラインは下落の気配を見せている。
悪いニュースは、FRBによるインフレ対策が米国を景気後退に導く可能性が高いということだ。
その話をする前に、まず、朗報の詳細を見てみよう。
CPIが下落すると見られるのは、ガソリン価格がずっと下がり続けていることが背景にある。
米国のガソリン平均価格とCPI発表時刻を重ね合わせたチャートだ。最後の発表は8月10日で、7月までの消費者物価指数を対象としたものだ。9月13日に発表されるのは、8月までのCPIを対象としている。 7月から8月にかけて、ガソリン価格は2桁の%率の下落を記録した。
まだある。7月の中古車価格は、1月の高値から1.5%下落した。巷では、販売店に在庫が積み上がり、価格の下落が続くと言われている。
また、新築住宅販売も急落しており、これが価格の重荷となっている。7月の住宅価格は前年同月比8.2%の上昇となった。大きな上昇に見えるが、2020年11月以降で最も低い年間上昇率だ。 住宅価格も下落する可能性が高く、今月でなくとも来月にはCPIをさらに押し下げるだろう。
つまり、エネルギー、輸送、住居の価格が急速に冷え込むとすれば、前年比CPI(現在8.5%と予想)は下方に、サプライズとなる可能性が高いということになる。
だからといって、価格が下がるということではないと思われるが、 インフレはかなり落ち着くだろう。
それでFRBの利上げに対する考えが変わるのかというと、決してそうではない。
FRBはウォールストリート・ジャーナルに、FRBは9月20日と21日に行われる次の政策会合で75bpの利上げを行うとリークしたところだ。
これで最後ではないだろう。FRBは年末までにFF金利を4%に近づけたい、もしくは現在の水準より1.5ポイントほど高くしたいとも示唆しているからだ。
だが私の考え通り、インフレ率が下がれば方向転換するだろうか?
とんでもない。
FRBは長期的なインフレ目標を2%にしたいと考えている。年間インフレ率が最近の8.5%から低下したとしても、おそらく今後しばらくの間は、FRBが望むよりも高い水準にとどまるだろう。
つまり、インフレは緩和されるものの、望ましい水準よりは高く、FRBが金利を上げれば上げるほど、米国が景気後退に陥る確率が高くなる。
そこで疑問が湧いてくる。このような不況の中、投資家は何を買えばいいのだろうか?
政府がお金をつぎ込んでいるものを買おう
インフレや不況に強いはずの産業は山ほどある。その一つが、太陽光発電だ。第一に、太陽電池の部品価格は長期的に低下する傾向にあり、これは売り手にとってインフレに対する緩衝材となる。
第二に、米国政府はグリーンエネルギーに資金を投入しており、これは売上が増加することを意味する。さらに、太っ腹な減税措置は、消費者にとっては物価上昇に対する緩衝材となり、不況の影響を受けてもキャッシュフローを確保することができる。
米国では、最近成立したインフレ抑制法によって、消費者やメーカーへの減税という形で、約4300億ドルがグリーンエネルギーに注がれることになった。これは、iシェアーズ・グローバル・クリーンエネルギーETF(ICLN)にとって朗報だ。ICLNは、最近下げ後、再び上昇する準備ができているように見える。
ICLNがすでに以前の目先の抵抗線を突破したことがわかる。現在は強気フラッグを形成しているように見える。「フラッグは半旗の位置ではばたく(訳注:直近のトレンドを再び継続させ、そのトレンドと同じ値幅分伸びる可能性を秘めていること)」という古い格言がある。 私のICLNの目標株価は31.50ドルで、直近の株価からは40%上昇となる。
結論から言うと、今週のインフレ率は更に低い数字になると思われるが、FRBにとっては十分ではないだろう。今後も利上げを続くと考えるべきだ。
不況対策として、連邦政府から多額の資金を受け、幅広いインフレが続く中でも部品価格が実際に下落傾向にある業界を見つけるのは賢明なことだろう。 太陽光発電はその条件に当てはまる。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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