配当利回りの下落被害を避けるための3ステップ
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- 2020年7月27日
- トピックス
「ただの金融コンサルタントではなく、歩合制のセールスマンだと気がついた時、私たちはすぐに仲間になれるだろう」
これは1980年代、メリルリンチ(投資銀行)の週次セールスミーティングの最中に私が言われたセリフだ。 そして、同僚と私には、株式仲買人としての心得が書いてある3ページの販売マニュアルが渡された。その内容は以下の通りだ。
・1ページ目:利回りの良い銘柄を売る
・2ページ目:利回りの良い銘柄を売る
・3ページ目:1ページ目と2ページをしっかりと読む
私はこの非常に端的なアドバイスをこれまで忘れたことはない。この言葉によって、いかに自分が間違った投資ビジネスを行ってきたか思い知らされた。
誤解しないでほしい。別に高利回りの株や配当金が高い銘柄を否定しているわけではない。しかし、投資による利回りだけが投資戦略のすべてではないということだ。
J.C.ペニー(OTC:JCPNQ、評価「D」)が良い例だ。 1997年、JCペニーは5億ドルの社債を7.625%の利回りで発行した。J.C.ペニーの社債は過去100年間、成長した実績がないにも関わらず、投資家たちはそれを有料株だと判断し、飛びついた。しかし、今やこの社債はいくらで取引されているだろうか?その価値は1円にも満たないだろう。
また今日、投資から得る所得額だけを重視する投資家たちは似たようなリスクを抱えている。FRB(連邦準備銀行)がゼロ金利政策を行なったことで、多くの投資家たちは4%~6%の高配当な企業の株を必死に購入している。
一見、良さそうな判断だが、これも間違っている。
今年の第2四半期には、米国企業は2008年から2009年の金融危機以降最大のペースで配当を削減しており、中には完全になくなった企業すらある。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスによると、前四半期においてアメリカ企業全体で492億ドルも配当金が削減されたという。
そして、S&P500内の500社のうち41社が配当金を減らした。
ここで話しているのは、アップダウンの激しい企業だけではない。アメリカン航空(Nasdaq:ALL、評価「D」)やカーニバルクルーズライン(NYSE:CCL、評価「D +」)、マリオット・インターナショナル(Nasdaq:MAR、評価「C-」)も例外ではないのだ。
さらに最悪なことに、これらの株の価格は今年、平均40%も下落している。まさに踏んだり蹴ったりである。今後は、さらに配当が少なくなっていくだろう。では、配当金投資家たちは何をすればいいのだろうか?
次の3ステップが重要になる:
1.弊社のレーティングシステムを利用する。ワイスレーティングスでは、すべての銘柄の評価を無料で公開している。(https://weissratings.jp/ にて公開中)そこでC +以下の評価が下されている銘柄は避けた方が良いだろう。
2.例外はあるものの、私だったら配当性向が80%以上の企業の株は避ける。なぜなら、そのような企業は利益の20%だけを負債の返済やビジネスの拡大、将来への投資に充てているからだ。
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健闘を祈る
トニー・サガミ