中国と銅のつながり
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- 2021年2月5日
- トピックス
EV=電気自動車の需要拡大によってベースメタル、特にニッケルに注目が集まっている。EVや再生可能エネルギーの需要は、銅の需要を容赦なく押し上げている。
例えば、再生可能エネルギー関連の銅の需要が今後10年で2倍になるとすれば、世界の需要は80万トン、つまり現在の精錬銅の需要(2440万トン)の3.3%になる。
これは世界第4位の銅生産量を誇る米国が2019年に生産した全ての銅の61%に相当する。
つまり、強気だ。だが銅が本当に強気となっている要因は他にある。
それは、世界の中間層が増えていることだ。
世界の銅の消費量の51%は、建設業とインフラストラクチャーが占めている。そして、中間層が増えれば、アメリカだけでなく海外でも中産階級の生活に必要なものが増えてくる。
例えば、インド経済は2050年には30倍になると予想されている。
中間層の銅需要が長期的に重要な押し上げ要因となっているのは間違いない。さらに、世界の中間層が2030年までに55億人に増えれば、「白物家電」(大型家電)を1つ買ったとしても、銅需要に200万トンが加算されることになる。
そして、電気自動車も購入するとなれば、なおさらだ。
そして、中国だ。
この国の銅輸入ブームは続く。
中国は、世界の銅消費量の51%を占めている。その需要は世界の再生可能エネルギーやEV関連の総需要の10倍に匹敵する。
中国は、2020年10月時点で未精錬銅の年間輸入量が累計で560万トンとなり、過去最高を記録した。
10年前の金融危機の再来のようだ。
当時も今もそうだが、中国は銅価格の低下や景気刺激策による景気回復などを背景に世界の過剰な銅を輸入してきた。
そして、サービス経済化により、需要はさらに高まっている。
2020年初頭に見られた銅価格の低下は、世界最大の買い手にとって、特に人民元の通貨高でさらに魅力的なものとなった。
2020年に中国は精錬銅を前年より117万トン以上多く購入した。莫大な買い物だ。
さらに、回復しつつある中国の製造業からの需要は、原料不足と同時にやってくるだろう。
国が備蓄しているという噂も考慮すれば、これらの非常に堅調な輸入量と価格の高騰は、さらに加速するだろう。
銅への最良の投資戦略は、他の市場と同様、安く買って高く売ることだが、長期的な見通しは非常に明るいため、短期的な下落局面でさえも買いのチャンスとなる。
ここでは、このトレンドに乗るための特に魅力的な3つの方法をご紹介しよう。
1.ユナイテッド・ステーツ銅インデックス・ファンド(CPER)は、ニューヨーク商品取引所で取引されている銅先物価格に連動するよう設計されている代表的なETF。
2.グローバルXコッパー・マイナーズETF(COPX)は、ソラクティブ・グローバル・コッパー・マイナーズ・トータルリターン・インデックスに連動するETF。銅の探鉱や採掘、精錬事業を手掛けるグローバル企業約30銘柄で構成されている。
3.フリーポート・マクモラン(FCX) は、世界最大級の銅鉱山会社で、北米、南米、インドネシアで銅、金、モリブデン、銀などの金属を採掘している。
これらに負けず劣らず、私は銅鉱業株にはさらに良い掘り出し銘柄があると考えている。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
P.S.中国の台頭は、世界の銅供給だけでなく、それ以上のものを巻き込んでしまう恐れがある。今後数週間はこの国の動きを見ていこうと考えいるため、ご期待頂きたい。