インフレに負けない収入源
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- 2023年11月15日
- トピックス
先月発表された日本の消費者物価指数、インフレ率は前年比+2.8%
13ヶ月ぶりに3%を下回りました。
しかしインフレ率が下がった理由は、政府による電気・ガス代の補助金が延長されたためとしています。
実際、この政策によってインフレ率は1%ほど抑えられたと言われているので日本でも4%程度のインフレ率が長く続くことは覚悟した方がいいかもしれません。
11月上旬、「定期預金の金利100倍」というニュースが話題になりましたが、100倍になっても金利は0.2%
インフレ率には全く敵わないのでいよいよ日本でも「貯金していたらどんどん資産が減っていく」という状況が現実になってきました。
止まらないインフレ…
ごくわずかの金利…
そんな中で資産を減らさない、増やしていくためにはどうすればいいのでしょうか?
我々Weiss Ratings Japanの答えはシンプルです。
何十年も3%を超えるインフレと付き合いながら豊かになり続けてきた米国の資産形成術を学ぼう!
そこで今回は、ショーン・ブロドリック氏による「インフレに負けない収入源」をお届けします。
あなたはアメリカが景気後退に向かうことを心配しているだろうか。もしそうなら、何を買うべきかは明らかだ。 配当金を増やす銘柄だ。
今年、高配当銘柄の多くはS&P500を下回っている。一方、大手ハイテク株は市場平均を大きくアウトパフォームしている。第3四半期のGDP成長率が4.9%を記録するなど、経済が急成長しているからだ。
今年これまでのところ、インベスコQQQトラスト(QQQ)に組み込まれているハイテク株は40%近く上昇しているが、S&P500種株価指数は13.4%の上昇にとどまっている。
一方、プロシェアーズS&P500配当貴族ETF(NOBL)は、年初来で少し下落している。
経済が成長すれば、「退屈な」配当株から成長株に資金が流れる。さらに金利が上昇すると、配当銘柄の魅力は薄まる。債券に投資すればノーリスクで4%の金利収入が得られるのに、リスクをとって2~3%の配当収入を狙う必要はないからだ。
しかし現在、ウォール街には、FRBがあまりにも金利を高く引き上げ、さらにそれを長期間維持する可能性があるため、景気後退りすくが高まってきていると警告する人も多い。
不況になると、FRBは金利を下げるだろう。ハイテク株が掲げる成長の未来より、今現実に存在する利益に注目が集まる(つまり、バリュー株が見直される)だろう。そうなると、配当銘柄は輝いてくる。
このグラフは、ネッド・デイヴィス・リサーチのデータを使い、過去5回のリセッション(景気後退)における、配当を増やしている、または配当を支払い始めた株と、S&P500、そして配当を支払っていない株のパフォーマンスを比較したものだ。
不況下で株価が上昇したことに驚かれるかもしれない。しかし株式は将来を予測して動く。不況が始まったということは、株価は不況の終わりを予測する。そのため株価が上昇しているのだ。
不況下であってもS&P500は13.6%、無配当企業は5.6%も株価を上昇させている。しかし注目すべきは、有配当企業は19.0%も株価を上昇させているのだ。
先ほどもお伝えした通り、不況が来ると金利が下がる。すると投資家は実現するかわからない未来の成長よりも現実の利益を重視するようになるし、何より2~3%の配当にも魅力が出てくる。
しかし、インフレ率が高止まりしているとしたらどうだろう。
配当とインフレ
ネッド・デイヴィス・リサーチの別の統計では、S&P500構成企業が支払う配当金は2022年に9.70%増加し、インフレ率の上昇を相殺したと示されている。
ちなみに、2023年1月に発表された2022年12月雇用統計によると、平均時給の伸びは前年比+4.6%となった。配当投資家が収入を9.70%増やすことができた一方、平均的な労働者は4.6%しか増えていない。
同じ月に発表されたインフレ率は前年比+6.5%であったため、配当投資家が以前より豊かになった一方、平均的な労働者の購買力は低下していると言える。
実際、過去50年間、S&P500株価指数の配当率は平均6%上昇しており、これは米国の歴史的インフレ率をはるかに上回っている。つまり配当投資家は平均して、インフレ率以上のスピードで配当収入を増やすことができてきたということだ。
配当収入に弱点がないわけではない。2020年2月から4月までの2ヵ月間、COVID-19が国を閉鎖したため、S&P500の42社が配当を停止した。
それにもかかわらず、配当株はそうでない株よりも安定し、下落が少ない傾向がある。これらの企業は、キャッシュフロー、良好な債務構造、長期的な展望など、苦境を乗り切るのに役立つ、適切な特性を持っている。
そしてベビーブーム世代の高齢化に伴って、アメリカは高齢者が増えるという事実のおかげで、配当金はより人気がある。退職者は四半期ごとの配当収入を望んでいるからだ。
不況を乗り切るために使える配当重視のファンドはいろいろある。先ほど紹介したプロシェアーズS&P500配当貴族ETFは、年初来で下落したにもかかわらず、そのクオリティーの高さによって、ワイス・レーティングで「C+」と評価されている。これが日足チャートだ。
NOBL価格チャート
NOBLが7月以来、下落圧力にさらされていることがわかるだろう。しかし、FRBが利上げを終了するかもしれないと市場が考え始めた最近、NOBLは上昇している。
配当貴族とは、少なくとも25年連続で増配している銘柄のことである。そのため、これらの銘柄は不況時に減配する可能性も低くなる。
不況が心配なら、この種の銘柄はあなたに安心感を与えてくれる。NOBLのような配当ETFをポートフォリオに加えることを検討してみてもいいだろう。
健闘を祈って。
ショーン
2023年はAIブームによって、配当を出さないハイテク成長株への投資を行った方も多いと思います。
しかし、ブロドリック氏の分析にあるように、インフレ以上のスピードで豊かになる収入源そして景気が不安定になった時に輝く資産
それが、高配当銘柄です。
3%の配当利回りというと非常に小さく感じてしまいます。
ですが注目すべきは増配率。
米国の連続増配銘柄の中には、毎年10%以上のスピードで配当を増やし続けてきた銘柄も少なくありません。
つまり、そうした銘柄に投資すれば毎年10%もの収入アップが狙え、インフレ率が3%、5%と上昇し続けても、豊かになることが目指せるのです。
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。