AIブームを受け入れるべき理由
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- 2023年12月26日
- トピックス
2023年は生成AIの進歩に驚かされた1年となりました。
ですがすでに生成AIによる闇の部分が見えてきています。
こちらはグーグルが記事作成AIを開発し、ニュースメディアに売り込んだというもの。
すでにアメリカでは就職統計に「AIによる失業」という項目が追加され今年8月時点で4000人近くが失業ていることが明らかになりました。
これは未来予測などではなく、すでに起こった現実。
現実として4000人の仕事がAIによって奪われたのです。
AIの進歩を考えると、仕事を奪われるペースはますます加速していくでしょう…
ですが今日お伝えしたかったのはAIによって仕事が奪われる…というネガティブな話ではありません。
Weiss Ratingsアナリストショーン・ブロドリック氏は過去の革命的技術が破壊した雇用と生み出した雇用に触れ、「AIは奪うより多くの仕事を生み出す」と言います。
AIによって社会はどう変わるのか?AIによって雇用はどう変わるのか?
そして、その変化から投資家はどのようなリターンが狙えるのか?
ブロドリック氏の分析をご覧ください。
AIが経済を変えると騒がれる中、労働者は不安を募らせている。上司が自分たちをAIに置き換えるのではないかと心配しているのだ。
自分たちはまだ置き換えないとしても、子どもたちの時代には置き換えられるのではないかと。
AIが職場に進出してきたとき、私たちにできる仕事はまだあるのだろうか。
心配する理由はある。 しかし、希望を抱く理由もある。
私はすでにAIに取って代わられた人々を知っている。カタログの広告コピーを書いてそれなりの生計を立てていた人々だ。カタログの経営者たちはすぐに、AIがそれなりの品質の広告コピーを、安く、無限に量産できることに気づいた。
文章はうまいだろうか。いや、それなりでしかない。
AIによってライターの仕事が奪われ始めている。米国のスポーツメディアであるスポーツ・イラストレイテッド誌は、偽のAI著者によって作成された記事を掲載したとして告発された。
同誌はこの非難は馬鹿げていると怒り心頭で反論した。彼らは「決して人間のライターをAIに置き換えない」と言っていたからだ。
だが、Futurismというメディアは彼らがAIライターを活用していることを暴いた。スポーツ・イラストレイテッドのライターはスポーツ・イラストレイテッド誌上にしか存在せず、プロフィール写真がAI生成画像サイトで販売されていたものであることも突き止めた。
スポーツ・イラストレイテッドはAIライターを使ったと認めたわけではないが、AIライターと指摘された記事のいくつかを削除している。
要するに、読者が品質にこだわらなければ、ライターの仕事はAIに奪われ始めていると言うことだ。しかし、企業経営者がAIをどのように活用するつもりか調べた調査によると、ライティングやコンテンツ制作はリストの6番目でしかない。フォーブス・アドバイザーの調査によるリストを見てみよう。
カスタマーサービスが最もリスクが高く、サイバーセキュリティとパーソナルアシスタントがそれに続く。
AIのその他の注目すべき用途は、「顧客関係管理(46%)、デジタル・パーソナル・アシスタント(47%)、在庫管理(40%)、コンテンツ制作(35%)」だ。
企業はまた、製品推薦(33%)、会計(30%)、サプライチェーン業務(30%)、採用と人材調達(26%)、視聴者セグメンテーション(24%)にもAIを活用している。
要するに、多くの雇用がAIによって危険にさらされているということだ。
新たな雇用への希望
だが希望もある。
第一に、テクノロジーは破壊するよりも多くの雇用を創出する実績がある。
これはイギリスの織物職人が自動織機の導入に反対した産業革命の使用増加に反対した19世紀の産業革命にまで遡る。反対運動を指揮し、自動織機を夜な夜な破壊して回ったラッダイトは、機械が自分たちを廃業に追い込むと考えていた。
実際には、織機が機械化されたことで、織物メーカーは織物工程をより速く、より安く、そして全体として簡単にすることができた。そのため、衣料品はより手頃な価格になった。
それにより、それまで各家庭で繕いながら着回されていた衣料品は、商店で購入されるようになった。自動織機が衣料品を生産する工場で働く人や、物流、店舗で販売するスタッフなど、以前より多くの人々が雇用されるようになったのだ。
AIは仕事を破壊するが、同時に新しい仕事を生み出すだろう。消滅する仕事がある一方で、新たなスキルを要する仕事が求められ、採用ページの募集要項にAIを活用したスキルを持っていることが書かれるようになるかもしれない。
世界経済フォーラムは、AIが2025年までに約8500万人の雇用を代替する可能性がある一方で、およそ9700万人の新たな雇用を創出すると予測している。
変化を受け入れる
どうなるか正確にはわからない。しかし投資家として、この変化を受け入れるだけの賢さを持つことはできる。
以前の記事で、私はAIによるテクノロジースーパーサイクルに乗る方法の一つとして、グローバルX AI・テクノロジーETF(AIQ)を提案した。
今日はもう一つ紹介しよう。iシェアーズ・U.S.テクノロジーETF(IYW)だ。 経費率は0.4%、ワイス格付けは「C」である。 私はテクノロジー関連株が好調に推移する可能性があると考えている。それはAIが新たなテクノロジー・スーパーサイクルの一端を担っており、その恩恵はまずテクノロジー関連株にもたらされるであろうと考えているからだ。
2023年はAIに取り組んでいる企業、AIに不可欠な半導体を扱っている企業が大きく大東した。だが、今後はAIを事業内容に掲げていないが、AIを活用してより効率的で創造的な仕事を行う企業も、より高いギアで上昇を見せるだろう。
IYWの価格チャート
週足チャートを見ると、IYWはすでに上昇し、ブレイクアウトしていることがわかる。
より高いリターンを狙うなら、個別銘柄を探すべきだ。だが私は個別銘柄を探す手間や難易度も十分に理解している。十分なリサーチができていない状態で個別銘柄に投資すべきではないし、同時に、ETFでも十分なリターンが狙えるほど、AIのテクノロジースーパーサイクルは早く、巨大なものだ。
それでは良い休日を。
ショーン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。