ハイテク株の下落は小型株の上昇?
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- 2024年8月20日
- トピックス
2023年から好調を続けてきた米国株式市場が突如急落。
ここ1ヶ月間で、S&P500は6.8%下落…NASDAQ100は12.2%下落…
中でも下落が顕著なのが、これまで上昇を牽引してきたハイテク株たちです。
グラフを見てもわかるように、ここ1ヶ月の間に、マグニフィセント・セブンの異名を持つ7つのハイテク株は軒並み下落し、AIブームを牽引してきたエヌビディアは20.2%も下落しています。
ですが、その一方で、ハイテク株から資金が減ったということは、別の場所へと
資金が流れ出すということ。
投資家たちは、ハイテク株の後にどの分野へ資金を投入するのでしょうか・・・?
Weiss Ratingsのアナリストで、小型株投資のスペシャリストであるショーン・ブロドリック氏は、その矛先が小型株へ向くと分析しています。
なぜハイテク株から小型株へと資金が流れるのか・・・?
それには、9月18日に100%の確率で起こると予想されているとあるイベントが
大きく関係していると言います。
続きは、ブロドリック氏の記事をご覧ください。
今年、テクノロジーセクターは急成長、他のセクターの2倍の上昇を見せた。しかし、物事は一直線に進むものではない。最近のテクノロジーセクターは停滞している。
今日は、その資金ローテーションや他のトレンドから利益を得る分野に投資する方法を紹介しよう。
実際に6.1兆ドルのうちの一部を手に入れる方法をお見せする。
先ほども言ったように、今年はテクノロジーセクターがアツい。AIは新たなテクノロジーサイクルの始まりを告げた。
しかし現在、投資家が、AIが生み出す富は一夜にして現れるものではないと認識するにつれ、ハイテク株の上昇は急速に衰えている。
ハイテク株から資金が流出するにつれ、その代わりにいくつかの新しい分野に資金が流れ込んでいる。
そのうちの1つが、昨年初めから出遅れている小型株だ。小型株の中で最も人気のあるインデックスであるiシェアーズ・ラッセル2000ETF(IWM)に含まれる小型株が今注目を集め始めている。
過去1ヶ月、ハイテク銘柄が中心のインベスコ・QQQ・トラスト(QQQ)やラウンドヒル・マグニフィセント・セブンETF(MAGS)と比較すると、小型株のパフォーマンスは急上昇した。
MAGSは、今年市場を牽引してきた「マグニフィセント・セブン」、エヌビディア(NVDA)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、アップル(AAPL)、テスラ(TSLA)を保有している。これらの銘柄は市場をリードしていたが、この1ヶ月で何が起こったか見てみよう。
なんという動きだろう!
投資家は割高と判断したハイテク株から、低迷していた小型株へと資金をシフトさせている。
さて、この小型株の上昇が1年中継続する可能性がある理由を2つ紹介しよう。
FRBの利下げは小型株への追い風
米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月末の会合で金利の据え置きを発表した。
しかし、9月の会合ではほぼ100%の確率で利下げを開始すると予想されている。
そして、今年中に2回の利下げが実施される確率も100%だ。今年3回の利下げが行われる確率は50%以上である。
予想通りに行けば、9月に1回、11月に1回、12月に1回、利下げが実施されることになる。
これはまだ始まりにすぎない。ウォール街は来年も利下げが続くと予想している。
この出来事は、小型株を押し上げる可能性がある。
小型株はS&P500に含まれる銘柄に比べ、変動利付債の割合が高くなっている。変動利付債は金利の変化に反応する。
小型株は高金利に敏感だ。そのため、FRBの利上げによって大いに苦しんだ。
しかし、今ではその状況は逆転している。ウォール街の資金は、小型株にさらに流れ込むはずだ。
マネーローテーションといえば…
アメリカの預金者は金利の上昇が大好きだ。私のその中の一人だ。私は、インターネット銀行の口座を開設して、高金利の恩恵を受けた。
会ったこともない銀行員に預けたお金に5%以上の利子がつくからだ。カナダの五大銀行の1つであるTD銀行が預金金利を引き上げた後でさえ、TD銀行が私に知らせていた金利よりも高い。
それは私だけではないだろう。マネー・マーケット・ファンドの資産は、2023年第2四半期末時点の5.4兆ドルから、2024年同期末時点では6.1兆ドルに急増した。そしてこれは、コロナのパンデミック前の2019年第2四半期にマネー・マーケット・ファンドに保管されていた3.2兆ドルから大きく上昇している。
金利が下がれば、マネー・マーケット・ファンドのリターンは縮小し始め、投資家はより高いリターンを求めるようになるだろう。そして、低迷している小型株の中でも、特に配当を出す銘柄の輝きは増すだろう。しかし、それは配当を出す銘柄だけではない。
ウォール街は大まかに物事を捉えており、IWMに流入する資金はほとんどの小型株を押し上げることになるだろう。
マネー・マーケット・ファンドにある6.1兆ドルすべてが小型株へと流れていくわけではない。おそらく、今売られて下げているハイテク株の新たな上昇材料を見つけたら、かなりの額がそちらへと向かうだろう。結局、AIによって始まったテクノロジーサイクルは依然として強力だ。
しかし、資金の一部が小型株に流れ込めば、大きな上昇につながるはずだ。
投資方法
先に紹介したiシェアーズ・ラッセル2000ETF(IWM)は、この流れに乗るのに最適だ。配当利回りは1.3%、経費率は0.19%だ。流動性が高く、売買もしやすい。これがIWMのチャートだ。
確かにIWMは「上昇フラッグ」を呼ばれる上昇パターンを形成しているように見える。1株249ドルがブレイクアウトの目標株価だ!
さらに大きなリターンを狙うなら(より高いリスクとのバランスで)、IWMを掘り下げてこのETFの優良銘柄を探すこともできる。いずれにせよ、厳選された小型株とETFのリターンは、並外れた利益をもたらす可能性を秘めている。
健闘を祈って。
ショーン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。