最古の歴史を持つ半導体銘柄が【格上げ】
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- 2021年12月28日
- トピックス
こんにちは。
Weiss Ratings Japan 安居です。
今年ももう終わりですね ^^)
10月から始めた僕からのメルマガも
今年は今日で最後になります。
最初のメルマガは10月7日、
(シェア100%!) 高ランク半導体銘柄
という件名で、最高ランク米国株にランクインした
KLAコーポレーションという企業を紹介しました。
この企業は半導体製造工程の一部、
「最先端半導体のシリコンウエハ検査装置」で
シェア100%の独占状態にあります。
メルマガを届けてから株価は30%近くも急上昇。
さすがWeiss Ratingsが選んだ最高ランク米国株ですね ^^)
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-15.png)
このメルマガはこちらから読めます。
↓
(シェア100%!) 高ランク半導体銘柄
今年は半導体不足が話題になり、
KLAコーポレーション以外にも
好調な半導体企業が多くありましたね。
ということで、、、
2021年、最後に取り上げるのは
最高ランク米国株で8位にランクインした
最古の歴史を持つAランク半導体銘柄
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-16.png)
テキサスインスツルメンツです。
僕は今回のメルマガを書きながら
半導体業界の奥深さを知りました…
半導体企業への投資を考えている方は
ちょっと小難しい話が出てくるかもしれませんが
ぜひ最後まで読んでみてください ^^)
半導体企業といえば、
・最近株価が急上昇しているエヌビディア
・歴史ある半導体王者のインテル
・国を挙げて製造に特化して成長したTSMC
などが有名ですが、実はこの企業
半導体(集積回路)を発明した
と言われています。
テキサスインスツルメンツは1958年に半導体を発明し、
1964年に通称「キルビー特許」と呼ばれる
半導体の基本特許を取得しました。
それから特許切れになる2001年まで、
世界中の半導体企業が莫大な特許料を
テキサスインスツルメンツに支払っていたんです。
今ではスマートフォンから自動車、水道メーターまで
電気を使うあらゆる場所で半導体が使われ、
半導体の存在しない世界は想像もできなくなりました。
まさに、そんな半導体時代の幕開けに関わった企業なんです。
思ったよりすごい企業ですよね。
それとも
「そんな古い企業を今さら紹介されても、、」
と思いましたか?
僕もテキサスインスツルメンツの名前や歴史は
ある程度知っていたのですが
最高ランク米国株に選ばれるほどの優良銘柄
とは思っていませんでした。
なので市場シェアや業績、
Weiss Ratingsなどを見ていきましょう。
たぶん、想像以上に可能性を秘めた企業ですよ ^^)
まずは半導体メーカーの売上ランキングです。
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-1-1.png)
テキサスインスツルメンツは7位にランクインしていますね。
でも、成長率はたった1.9%
これじゃあ今はまだ順位が下とはいえ
45%も急成長したエヌビディアの方が良さそうに見えます。
でもこれだけじゃテキサスインスツルメンツの強みは見えてきません。
調べてみると、半導体の中でも
「アナログ半導体」と呼ばれる領域に
強みを持っているようです。
僕も詳しくないのですが、半導体には
・ロジック半導体
・メモリ半導体
・マイクロ半導体
そして
・アナログ半導体
といくつか種類があるみたいです。
コンピューターの頭脳と言われる「CPU」や「GPU」は
ロジック半導体やマイクロ半導体に分類されていて、
インテルやエヌビディアはこのタイプの半導体に強みを持っています。
「アナログ」なんていうと
古臭いイメージを持つかもしれませんが、
アナログという言葉にそんな意味はありません。
アナログという言葉には「連続した」という意味があります。
わかりやすい図を見つけたので、それで説明しますね。
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/type-digital_01-0000.jpg)
例えば、連続的に動くアナログ時計を
ものすごく厳密に見たら
「12時32分38秒」と「12時32分39秒」
の間を見ることができますよね。
つまり12時32分38.568秒なんて瞬間を
知ることも、やろうと思えばできるわけです。
でも、デジタル時計は決められた単位の間が存在しないので、
「12時32分38秒」の次は「12時32分39秒」になります。
12時32分38.568秒なんて瞬間は存在しません。
乱暴な言い方をすると、デジタル半導体には
あらかじめ決められた単位という限界があるのに対し、
アナログ半導体は無限に細かな単位を識別できる
ということです。
世の中の情報はほとんどがアナログ情報です。
気温も15度から16度に急に変わるわけではないですよね。
15度と16度の間をなだらかに移動して、
ある時点で16度と判断されるわけです。
そうしたものを正確に認識してシステムを動かすには
アナログ半導体が欠かせないんです。
で、結局何ができるのか?というと、、
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アナログ半導体は、音や光、温度、人の心拍など、連続しており数値化されていない情報(アナログ信号)をコンピューターで処理できるデジタル信号に変換したり、逆にデジタル信号をアナログ信号に変えたりする。
スマートフォンやデジタルカメラ、自動車用モーターの駆動制御装置など幅広い分野で使われる。電圧をオンとオフだけではなく「やや高め、やや低め」など、きめ細かく制御できるアナログ半導体がなければ、自動車は状況に応じて適度に減速したり加速したりすることが困難となるほか、急ブレーキをかけなければ止まらなくなる。生活の安全や快適を高めるのに不可欠な半導体と言える。
https://newswitch.jp/p/28425
==============
ということのようです。
僕自身、半導体については素人なので
もう少し調べようと思いますが
アナログ半導体は古臭いもので、遅れた技術でもなく
今まさに必要とされている半導体だということです。
実際、こんなデータを見つけました。
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-1-1024x360.jpeg)
これは2021年の半導体市場の市場規模、
成長率をまとめたものなのですが
Analog(アナログ半導体)が30%以上と
驚異的な伸びと予測されています。
そしてテキサスインスツルメンツは
生活に不可欠で、今まさに不足していて
今年市場規模が30%も急成長したアナログ半導体で、、、
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-1-1.jpeg)
2位の倍以上のシェアを持つ
圧倒的No1企業なんです。
半導体企業といっても、半導体を設計する会社、
製造する会社、製造装置を作る会社などいろいろありますよね。
最近はエヌビディアのように
設計だけ行って製造を外注する企業も増えていますが、
アナログ半導体は技術のすり合わせが難しく
外注しにくいそうです。
つまり、エヌビディアのように革新的な企業が出てきても
製造技術まで確立したテキサスインスツルメンツの
シェアを奪うのは簡単ではないということですね ^^)
それに、一口に半導体不足といっても
半導体にはいろいろ種類があるので
全部が等しく不足しているわけでもありません。
特に今問題になっているのが、自動車の半導体不足ですよね。
自動車メーカーが工場を停止させたり、
中古車価格が高騰したり、、
いろいろと問題になっています。
そして、その自動車に一番使われている半導体が
アナログ半導体なんです。
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-2-1024x679.jpeg)
こちらは車載半導体の出荷額。
アナログ半導体が圧倒的に多いのがわかりますね。
ということは、世界的に問題になる
半導体不足が追い風になることはもちろん、
今後、10年、20年と続くであろう
EV化という大きなトレンドにも
乗れる可能性が高いということなんです。
調べれば調べるほど、
テキサスインスツルメンツが強みを持つ
アナログ半導体の可能性が見えてきた気がします ^^)
ということで業績を見てみましょう。
こちらは2014年からの年間売上と利益です。
▼年次決算(売上・利益)
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-2-1-1024x213.png)
売上の伸びよりも利益の伸びが大きいことがわかりますね。
これはより収益性の高いビジネスに注力している
証拠と考えられます。
続いて、昨年から騒がれ始めた半導体不足が
どう影響したのか、四半期決算も見てみましょう。
▼四半期決算(売上・利益)
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-3-1-1024x213.png)
利益も売上もきれいな右肩上がりですね。
投資の神様ウォーレン・バフェットは企業を分析するとき、
「一貫性」をかなり重視するようです。
一時的な業績の変動ではなく
”一貫して”利益を上げているか?
“一貫して”売上が伸びているか?
をということです。
そこまで深く分析したわけではありませんが
テキサスインスツルメンツの売上と利益には
「一貫性」があるように見えますね。
それでは最後にWeiss Ratingsの評価です。
![](https://weissratings.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/Untitled-4-1.png)
数少ないAランク銘柄と認められただけあって
事業の成長性、効率性、財務状況はもちろん最高評価。
トータルリターンはあまり高く評価されていませんが
抜群の安定感と、これからの成長性に期待するなら
問題ないでしょう。
配当利回りも2.25%と、
高配当というほどでもないですが
S&P500の平均よりも高い利回りがあります。
株価収益率(P/E)も24と
エヌビディアなどと比べると割安に見えますね。
エヌビディアも素晴らしい成長性を持つ企業ですが、
安定した配当や割安さを重視するなら
テキサスインスツルメンツも魅力的な
選択肢になると思います。
ということで今回は最高ランク米国株に選ばれた
テキサスインスツルメンツを紹介しました。
半導体にいろんな種類があること
車載半導体で最も使われているのはアナログ半導体であること
アナログ半導体で圧倒的No1の地位を確立していること
など、僕自身知らなかった情報がいろいろ得られました。
Weiss Ratingsの情報を見ていると
毎日のように面白い銘柄を発見してしまいます。
その全部に投資するわけにもいかないので
その中から調べて自分の投資目的にあったものを
厳選していくわけですが、、、
みなさん、今年最後の投資は何にするか決めましたか?
ちなみに僕は決めています ^^)
2021年最後の投資が
2022年最高の投資になるよう
色々な銘柄を検討してみてください ^^)
そして半導体銘柄に投資するなら
インテルやエヌビディアだけじゃなくて
今回取り上げたテキサスインスツルメンツも
ぜひ検討してみてください。
それでは、良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします。
P.S.
Weiss Ratingsは1万銘柄以上ある
全ての米国株を日々評価しています。
格付け情報のほか、アメリカ人アナリストの記事も
たくさんあるので、ぜひご覧ください
https://weissratings.jp/
P.P.S
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※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。