米議会による4300億ドルの歳出法案の勝者
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- 2022年8月18日
- トピックス
先週末、米上院は、インフレ抑制法の可決に徹した。上院を僅差で通過し、下院を通過するのに特に問題はないだろう。
この法案には約4300億ドルの新規支出が含まれており、その大部分は電気自動車とクリーンエネルギーに充当される。そして、それはあなたにとってのチャンスだ。
もちろんタダで貰えるものはない。
この法案は、一部の大企業に対する15%の最低課税と、株式買い戻しに対する1%の課税によって賄われる。しかし、政府が新たに税金でお金を取るのならば、その利益を享受したほうがいい。
法案の中身は?ここでは、クリーンエネルギー部門についてのみ詳しく説明したい。
本法案では、好評を得ている電気自動車購入のための消費者向け税額控除(1台あたり7500ドル)を延長する。ただし、各企業は、電池や重要な鉱物の調達に関する新たな条件に対応する必要がある。 結果的に、国内での資源採掘が促進されるかもしれない。
クリーンエネルギーについては、投資税額控除を2032年まで30%で延長することが決まっている。また、国産の資源が十分に使用されれば、控除率は40%になる可能性がある。10年間は30%となり、2033年には26%、2034年には22%と段階的に引き下げられる。
興味深いのは、この法案では、再生可能エネルギーのハードウェアを米国内で製造する国内メーカーに手厚いインセンティブを与えていることだ。 製造業者は、米国を拠点とする垂直統合型工場で製造された太陽電池モジュールに対して、1ワットあたり11セントから18セントの手厚い税控除額が適用されることになる。そうなれば、米国は中国への依存度が下がるだけでなく、何百万もの雇用を創出することができる。
また、1999年以降に石炭、石油、ガスセクターでかなりの数の労働者が働いていた地域、あるいは炭鉱や石炭火力発電所が閉鎖された地域にプロジェクトを設置すれば、クリーンエネルギーメーカーはさらに税額控除を受けられる可能性がある。
法案はまた、(低・中所得家庭向けの)集合住宅のエネルギー効率向上のために10億ドルの補助金を与え、さらに、大気質のモニタリングの改善、交通手段の改善、貧しい地域や脆弱な地域へのクリーンエネルギーの導入などのプロジェクトに少なくとも600億ドルの補助金を与える。
良いニュース=良い投資
要するに、クリーンエネルギー関連株やファンドにとって、これはすべて良いニュースだということだ。では、どの銘柄を買えばいいのだろうか? 再生可能エネルギー関連の上場ファンドは、私が前回チェック際には19あった。 私のお金やあなたのお金では買いたくないものもある。
しかし、今、非常に魅力的に見えるファンドがいくつもある。ただ、どのような点を考慮に入れてお金を投資したいかを考える必要がある。
では、ファンドを選ぶ際に重要なことは何だろうか?ここでは、その3つのポイントについてご紹介したい。
- 組入れ銘柄。ファンドは何を保有しているのか?これがファンドのパフォーマンスを左右する。
- 平均出来高。ファンドの1日の取引株数は?出来高が少なすぎると、購入も売却もお金をむしり取られることになる。
- コスト。経費率が高すぎないかを確認する。私にとっては、1%は高すぎる。
これらに加え、「ワイス・レーティング」を加えよう。私は通常、ワイスによる格付けが 「C」以上であることを確認している。一般に、格付けが高いほど、リスクが少なく、大きな報酬が得られる可能性がある。
クリーンエネルギーETFの資産額上位5銘柄をリストアップした。これらが出来高ベースでも上位5位に入っているのは当然だ。
この5大再生可能エネルギーファンドのうち、アウトパフォームしているのは、iシェアーズ・グローバル・クリーンエネルギーETF(ICLN)とインベスコ・ソーラーETF(TAN)の2つだ。どちらも格付け「C」で、経費率も悪くない。
なぜアウトパフォームしているのか?おそらく、他のファンドよりも太陽光発電のウェイトが大きいからだろう。ICLNの組入れ上位5銘柄のうち3銘柄が太陽光発電関連銘柄だ。当然ながら、TANの上位銘柄はすべて太陽光発電関連となっている。
一方、ファースト・トラスト・ナスダック・クリーン・エッジ・グリーン・エナジー・インデックス・ファンド(QCLN)は、EVメーカーやリチウム鉱山など、再生可能エネルギー関連銘柄を多数保有している。 インベスコ・ワイルダーヒル・クリーン・エナジーETF (PBW) と ALPSクリーン・エネルギーETF (ACES) もEVに分散投資している。
では、再生可能エネルギー関連銘柄が5月に底を打ってからのパフォーマンス・チャートを見てみよう。
これら5つのクリーンエネルギーETFはいずれも大きく反発していることがわかるが、やはりICLNとTANがリードしている。
ICLNの1年チャートを見てみよう。
ICLNが目先の抵抗線を突き破って上昇したのがわかる。昨年10月下旬の高値が次のターゲットだ。その先の1年間の目標は31.50ドルで、直近の価格からは40%の上昇となる。
太陽光発電関連にこだわりたいのなら、TANが良いだろう。よりバランスを重視するのであれば、ICLNが最適だと思われる。
何を買うにしても、インフレ抑制法は何十億ドルもの投資をもたらす。そしてこれは、政府が自然エネルギーに対して行う最後の投資ではないかもしれない。賢い投資家は、この現金の波に乗り、莫大な利益を得る準備をするだろう。
常に自分自身でデューデリジェンスを行うことを忘れないで頂きたい。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。